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子どもの“体験格差”とは?

文化放送

子どもの“体験格差”とはいったいどんなものなのか?5月7日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、低所得家庭の子どもの支援活動を行う公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの代表理事で「体験格差」という本の著者の今井悠介さんに伺った。

今井「私の活動の原点になっているのが、阪神淡路大震災を経験しておりまして、神戸の街で育った縁で大学生の時にNPOの活動に参加したんですね。そこで不登校の子どもたちのサポートに携わる機会があって、今から15年くらい前なので不登校の子どもたちが学校に行かない選択をするだけで得られる体験の量が全然違うわけです」 

小島慶子「うん」 

今井「そういう子どもたちに対して一緒にキャンプに行ったりだとか、海外の水道も電気もない村に引率したりですとか色んな体験を作っていくという活動をしていたんです。その中で全く表情の見えてこなかった子どもたちがだんだん自分の表情を取り戻していく瞬間に出会ってきたんです。体験を通じて子どもたちが自分を取り戻していくだとか、自分は自分のままでいいんだとかを感じ取って、それを表現して、みんなに共有して受け止めてもらってっていう経験を通して子どもたち自身が安心して次の一歩を踏み出していくっていう瞬間に出会えたんですね。人の人生って色んな体験を積み重ねることによって出来上がっていくんだなぁということを凄く感じて、そこから体験の活動って大事だと思うようになりました」 

小島「世界って面白いなとか、知らないことに出会うとこんなワクワクするんだとか、全然自分の周りにはいない人も世の中にいっぱいいるんだとか、そういうことと出会うっていうだけで生きる喜びがね…」 

今井「沖縄で子どもの貧困に取り組んでいるNPO代表の方にお話を聞いたんですけど、色んな困難を抱えている子どもたちを北海道旅行に連れて行ったそうなんですね。そうすると、その子たちは沖縄でも普通に行けるゲーセンやアニメショップとか、食事もチェーンの飲食店に行ったんだそうです。北海道に来たから、これをやってみたい、あれをやってみたいということが想像できない。貧困ってどういう問題かっていうと選択肢がないということなんです。体験がないということは子どもが選択そのものが思い浮かばないということなんです。それが子どもたちの色んな可能性を縮めてしまっているんです。子どもの貧困の真ん中にある問題が“体験格差”だと思っています」

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