雷の光と音がずれるのはどうして?
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。7月3日の質問は・・・
Q. どうして雷は光るんですか? 光と音がずれるのはどうしてですか?(千葉県 あかりちゃん 7歳 小学2年生)
(回答した先生)長谷部愛さん/気象予報士
向井おにいさん:あかりちゃん、小学校は楽しいですか?
― 楽しい(笑)。
向井おにいさん:何がいちばん楽しいですか?
― 国語と図工。本を読むのが楽しい。
向井おにいさん:そうなんだ。あかりちゃんの好きな本はなんですか。
― 料理の本。
向井おにいさん:ええーっ! あかりちゃん料理作るの?
― うーん、たまに作る。
向井おにいさん:すごいね。あかりちゃんの好きな料理はなんですか。
― ふりかけごはん。
向井おにいさん:はははっ! いちばんおいしいよ(笑)。今日、あかりちゃんの聞きたいことはなんですか?
― どうして雷は光るんですか? 光るのと音がずれるのはどうしてですか?
向井おにいさん:雷、あかりちゃんは見たことある?
― ある。怖かった(笑)。
向井おにいさん:そうだよね。で、音と光がずれてるなって思ったんだ。
― うん。
向井おにいさん:そうだよね、不思議だよね。
長谷部先生:あかりちゃん、こんにちは。質問してくれてありがとうございます。あかりちゃんは、雷の正体って知ってますか?
― 知らなーい。
長谷部先生:うん。実はね、電気です。電気ってわかる?
― わかんない。
長谷部先生:そうだよね。静電気は知ってますか?
― 知ってる。
長谷部先生:あ、本当? パチパチするよね。
― うん。
長谷部先生:静電気も電気なんです。夜、布団の中で毛布をかぶって服を脱いだりするとパチパチってするんだけど、そのときちょっと光って見えたりするんですね。その静電気のもっとすごいの、大きいのが雷なんです、実は。
― うん。
長谷部先生:だから、光もピカッ!ってすごく大きいし、音は・・・。どんな音がしましたか?
― ゴロゴロ。
長谷部先生:そうだよね。たぶん静電気はパチパチッと音がしたと思うんだけど、雷はそれがもっと大きくなるから、音もゴロゴロってあんな大きくなるの。あかりちゃんは、雷の光と音がずれているのがわかったんだね。
― うん。
長谷部先生:すごいね、よく見てたね。そのピカッ!っていう光とゴロゴロっていう音、どっちが先に見えたり聞こえたりしたかな?
― 光るの。
長谷部先生:うん、そうなんだよ。先にピカッとなってから後でゴロゴロって聞こえるんだよね。不思議だよね。
― うん。
長谷部先生:どうしてそうなるかっていうのは、中学生のお兄さんやお姉さんが勉強していることなのですごく難しいんですけど、ちょっとお話ししますね。
― はい。
長谷部先生:実は、ピカッていう光もゴロゴロっていう音も雲から同じときに出ているんです。それで、あかりちゃんのところにやってくるまでに光と音がかけっこをしたとします。そうすると、光はすごく速いからすぐあかりちゃんのところにつくんだけど、音はあかりちゃんのところに届くまでに結構、時間がかかるんですね。だから頑張って走ってるんだけど、光より遅れてあかりさんのところに到着するの。だから光がピカッ!って先に見えて、後から遅れて音がゴロゴロって聞こえるんです。・・・どう? わかるかなあ?
― わかった!
長谷部先生:本当?! よかったあ。
向井おにいさん:確かにわかりやすいですね。かけっこですか。
(回答者プロフィール)長谷部愛さん。気象予報士と防災士の資格を持ち、現在、TBSラジオやYahoo!の動画サイトで天気の情報を伝えています。大学の特任教授として、有名な絵画やアニメ、マンガに描かれた天気を読み解く授業も行っています。著書に「天気でよみとく名画 フェルメールのち浮世絵、ときどきマンガ」(中公新書ラクレ) があります。