日米中の高校生が環境問題で意見交換へ、四日市で「地球環境塾」始まる
四日市市の姉妹都市の米国ロングビーチ市、友好都市の中国天津市の高校生が四日市市内の高校生と環境問題について意見を交換する「地球環境塾」が7月30日に始まった。この日は高校生たちが森智広市長、石川善己市議会議長を表敬訪問し、環境について2人に質問するなどした。
ロングビーチ市は複数の高校から、天津市は同一の高校から、四日市は三つの高校から、それぞれ4人が参加した。今回のテーマは「ネイチャーポジティブ」で、生物多様性の保全について学習するという。「ネイチャーポジティブ」は「自然再興」とも訳され、生物多様性の損失を止め、回復傾向へと反転させることを意味しているという。
天津市、ロングビーチ市、四日市から参加した高校生にあいさつする森智広市長=四日市市役所
高校生たちは7月31日から8月3日まで、国際環境技術移転センター(ICETT)を拠点にし、四日市公害と環境未来館、市立博物館、吉崎海岸、鳥羽水族館などを視察しながら、今回のテーマについて考え、意見をまとめる。8月4日午前9時半から正午過ぎまで、「じばさん」で成果発表会を開く。この会場では名古屋大学大学院環境学研究科特任教授で一級ビオトープ計画管理士の長谷川明子さんの講演もある。
四日市市役所で開かれた表敬訪問では、高校生から「四日市は日本経済を支える工業都市だが、生態系の保全と産業とのバランスをどう考えているか」などの質問が出された。森市長は、四日市には石油コンビナートがある一方、すぐ近くにウミガメの産卵が期待されている吉崎海岸があることや、その海岸の保全に取り組む市民活動も積極的に支援していることなどを紹介した。
公共交通についての質問もあり、森市長は、市内では新しいバスターミナルが建設中で、この整備で乗りやすさをつくり、利用者増につなげたいと答えた。石川議長は、企業の協力を得ながら公共交通を支えていくことを考えていると話した。