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5月に観たいリバイバル上映2作!40年も覚めない“魔法”描いた『ピクニック at ハンギング・ロック』&50年前の“現実”に再び恐怖する『ソイレント・グリーン』

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5月に観たいリバイバル上映2作!40年も覚めない“魔法”描いた『ピクニック at ハンギング・ロック』&50年前の“現実”に再び恐怖する『ソイレント・グリーン』

連休ボケもシャキッと醒める名作をスクリーンで

往年の名作から歴史に埋もれた珍作・怪作まで様々な映画がリバイバル上映されている昨今。全国が浮かれまくっている大型連休から順次公開される2本は、まったく異なるトーンながら観客の胸に大きな余韻を残すであろう、スクリーンで観ておきたい名作だ。

『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』© PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975
『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

40年前にかけられた“魔法”が日本初上陸『ピクニック at ハンギング・ロック』

オーストラリアの名匠ピーター・ウィアーが1975年に発表した『ピクニック at ハンギング・ロック』は、これが日本劇場初公開。約40年の月日を経て、4K レストア版でスクリーンに美しく蘇る。

1967年に発表された同名小説を基に映画化された本作は公開当時、批評家や観客に大きな混乱をもたらした衝撃作であり、ソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・スーサイズ』(1999年)に直接的な影響を与えたことは明らかで、ファッション界ではラフ・シモンズやアレキサンダー・マックイーンもインスピレーション源として本作に言及するなど、今日まで広く語り継がれている神話的傑作だ。

『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』© PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975

ある晴れたバレンタインの日に、彼女たちは姿を消した――

1900年2月14日、セイント・バレンタイン・デイ。寄宿制女子学校アップルヤード・カレッジの生徒が、2人の教師とともに岩山ハンギング・ロックに出かけた。規律正しい生活を送ることを余儀なくされる生徒たちにとってこのピクニックは束の間の息抜きとなり、生徒皆が待ち望んでいたものだった。

岩山では、磁力の影響からか教師たちの時計が12時ちょうどで止まってしまう不思議な現象が起こる。マリオン、ミランダ、アーマ、イディスの4人は、岩の数値を調べると言い岩山へ登り始めるが、イディスは途中で怖くなり悲鳴を上げて逃げ帰る。その後、岩に登った3人と教師マクロウが、忽然と姿を消してしまい……。

『ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版』© PICNIC PRODUCTIONS PTY.LTD.1975

『ピクニック at ハンギング・ロック』は2024年5月3日(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほか全国順次ロードショー

SF映画の古典が描いた戦慄の未来予想図『ソイレント・グリーン』

毎週火曜日に政府が配給する新食材、ソイレント・グリーン。「ソイレント」はSOY(大豆)とLENTIL(レンズ豆)の合成語だが、この不思議な食材に隠されたショッキングな秘密を巡り、スリルとアクションに満ちた緊迫の物語を描くのが、1973年製作の『ソイレント・グリーン』だ。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

主演は往年のハリウッドのトップスター、チャールトン・ヘストン。監督は犯罪劇からサスペンス、ホラーにコメディまで幅広いジャンルで活躍した名匠リチャード・フライシャーが務める。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

原作は、アメリカのSF作家ハリイ・ハリスンの「人間がいっぱい」。ただし本作はSF=夢あふれる「サイエンス・フィクション」ではなく、暗い予感を突きつける「サイエンス・ファクト」。この原作を踏まえつつ、映画版はオリジナル要素をふんだんに加えて脚色されている。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

上級国民の住居を装飾する美しき人間家具“ファーニチャー”や、知識・情報をインプットした“ブック”と呼ばれる知恵者たち(インターネットがなければ、彼らもリアルな存在だろう)、なかでも大自然のパノラマ映像とベートーヴェンの交響曲「田園」の響きに包まれて迎える“人生の臨終”は、一度はスクリーンで体験したい悪夢の瞬間だ。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

半世紀を経て突きつけられる「究極の栄養食」の驚くべき真実

2022年、ニューヨークは人口超過密都市となった。人々は仕事も家も失い、電力の配給もマヒ状態。肉や野菜は希少品で、多くの市民は“究極の栄養食”を謳う新たな合成食品ソイレント・グリーンが配給されるのを待ちわびている。

この食品を生産するソイレント社の幹部が殺された事件を追う殺人課の刑事ソーンは、現場となった高級マンションの豪勢な生活に目を見張る。情報に通じた“人間ブック”ことソル・ロス老人の協力で捜査を続けるソーンだったが、ソイレント・グリーンの秘密を知った老人の足は、公営安楽死施設「ホーム」へと向かっていた……。

彼を死に急がせたおぞましい真相とは何か?“ミラクルフード”の正体に勘づいたソーンにも、殺し屋たちの魔手が迫り――。

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』© 2024 WBEI.

『ソイレント・グリーン 《デジタル・リマスター版》』は2024年5月17日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー

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