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チューニングを合わせれば海の気配。湘南ビーチFMは今日も電波にのって

さんたつ

【散歩の達人】湘南ビーチFM_1

関東初のコミュニティ放送として1993年に開局した湘南ビーチFM。海辺の空気をまとった選曲が楽しい『SHONAN BREEZE SUNDAY』は、長きにわたって愛されてきた。DJ・竹下由起さんに、選曲の裏側や地域に寄り添うラジオの役割について伺った。

湘南ビーチFM(しょうなんビーチエフエム)

周波数を78・9MHzに合わせると、ラジオの向こうから心地良い音楽が流れる。湘南ビーチFMは、ジャーナリスト・木村太郎さんが発起人となって始まった。木村さんと親交のあった竹下さんも、立ち上げメンバーの一人だ。

「当時、選曲の仕事がしたくて『何でもいいから手伝わせてください』とかかわったのがきっかけです。余計なことはしゃべらず、音楽をきちんと届ける。開局当初のコンセプトは今も変わりません」

人気番組『SHONAN BREEZE SUNDAY』のDJ・竹下由起さん。小さなブースで生放送をする。

竹下さんがDJを務める番組『SHONAN BREEZE SUNDAY』は1995年にスタート。選曲はすべて自ら行う。

「番組の中で日の光を感じられたらといいなと思って選曲しています。12時台はテンポの良い曲。13時以降はAOR、R&B、ジャズ、オルタナ、ブラジルなどさまざま。日が暮れたらメロウに。季節や天気によっても変えています。選曲は放送前日。この空に合う一曲はなんだろうと考えながら調べているとあっという間。選曲後は曲順を整え、ミックス作業まで行います」

季刊の情報誌『湘南ビーチFMマガジン』も発行。

竹下さんの人柄に魅了され、番組には区域外のファンも多い。インターネット配信の開始以降、海外のリスナーも。「イタリアやスペインから毎週お便りをくださる方もいますし、『日本の海の雰囲気を感じたい』と海外在住の日本人の方も聴いてくださっています。今日は名古屋から、わざわざスタジオに差し入れを届けてくださった方もいました」とにっこり。

開局から33年、地域に根ざしてきた同局にとって、災害時の放送も重要な役割だ。東日本大震災時は、誰に言われるでもなくスタッフが集まった。

「停電で真っ暗な中、非常用発電機で放送を続け、交通情報や分かっている情報を必死に届けました。災害時に地域の人に寄り添うことも、コミュニティー放送の大事な役目です」

毎週日曜午後、6時間の生放送を30年以上続けてこられた理由は?

「好きだからですね。結局のところ自分の番組が大好き。それを聴いていただけることもうれしいし、楽しい。それだけです」

湘南ビーチFM(しょうなんビーチエフエム)
住所:神奈川県逗子市池子2-5-6/アクセス:京急電鉄逗子線神武寺駅から徒歩7分

取材・文=村田あやこ 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2026年6月号より

村田 あやこ
路上園芸鑑賞家/ライター
福岡生まれ。街角の園芸活動や植物に魅了され、「路上園芸学会」を名乗り撮影・記録。書籍やウェブマガジンへのコラム寄稿やイベントなどを通し、魅力の発信を続ける。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)。寄稿書籍に『街角図鑑』『街角図鑑 街と境界編』(ともに三土たつお編著/実業之日本社)。

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