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決勝戦、その戦いの行方は——ミュージカル『新テニスの王子様』The Fifth Stage ゲネプロレポート

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ミュージカル『新テニスの王子様』The Fifth Stage

2025年10月3日(金)、東京・Kanadevia Hallにて開幕したミュージカル『新テニスの王子様』The Fifth Stage。今作で描かれるのは、日本を背負い世界へと飛び出した日本代表メンバーによる「U-17 WORLD CUP(アンダーセブンティーンワールドカップ)」の決勝だ。対戦相手はスペイン代表。さて、その戦いの行方とは——

“新テニミュ”シリーズも5作目。学校ごとのジャージではなく、赤と白を基調とした日本代表のユニフォームを纏った中高生たちの姿もすっかり見慣れてきた。物語はそんな彼らがどんな思いを抱き、どんな戦略で決勝代表メンバーの座を掴むかのチーム内での決定戦からスタート。一人ひとりの選手の心の内が伝わってくる集団スケッチが、ここに集う選手をひとりも取りこぼすことなく愛ある視線で綴られていく。

一方のスペイン代表は上品な薄紫を基調としたユニフォームで登場。思わずハンドクラップしたくなるフラメンコ調のサウンドに乗せ、自らを「謎めいた」と称する個性派集団のパフォーマンスに、早くも予想のつかない戦いが待ち構えている予感しかない!

一幕での試合は跡部景吾(高橋怜也)vsロミオ・フェルナンデス(Sion)のみ。ロミオの具現化(マテリアルサール)に翻弄され、己の深層心理との戦いで苦戦する跡部の底なしの精神力、いわば自分自身との戦いとこれまでの努力の軌跡がじっくりと描かれる。跡部がKINGと呼ばれるにふさわしい人物だという証明ともなるべきヘヴィーな一戦だ。

二幕は大曲竜次(畠山 遼)&遠山金太郎(粟野准斗)vsマルス・デ・コロン(Toki)&セダ(湊 丈瑠)、越前リョーマ(今牧輝琉)vs越前リョーガ(井澤勇貴)、越知月光(楚南 慧)&毛利寿三郎(丸山龍星)vsフリオ・ロマン(古谷大和)&シルバ・セラ・バンビエーリ(Alec)、徳川カズヤ(小野健斗)vsアントニオ・ダ・メダノレ(當間ローズ)と試合が続く。リョーマvsリョーガはスペイン代表監督を務めていた越前南次郎(中河内雅貴)が倒れるというハプニングで中断されてしまうが、試合はいずれも選手各々のプレースタイルや背負っているモノにしっかりとフォーカスし、キャラクターの個性をより魅力的に観客へと伝えてくれる“じっくりコース”。息の詰るようなシビアな展開が続いてくるとパッとポップなナンバーが差し込まれるなど、空気の切り替えテンポも絶妙で、両チームのベンチワークの掛け声やリアクションの生感も応援心がそそられる。

跡部の母親・跡部瑛子(藤原紀香)とレジェンドプレーヤー・屋久杉麗華(KIMERU)の登場(映像出演)は、かなりのサプライズ!(原作でも舞台でも、予想外のプレゼントを用意してくれるのがテニプリなのだ)

跡部瑛子(藤原紀香)

屋久杉霊華(KIMERU)

また、日本代表とスペイン代表の戦いは一見奇抜な得意技の応酬に見えるが、実はとても「テニス」。コートの中でのアスリートたちの躍動はしなやかで美しく、スポーツとしての強さとミュージカルとしての華やかさや楽しさが共存、舞台上はまさに唯一無二の“テニミュ”というジャンルにしかない愉しみに溢れている。テニミュマイスター、演出の上島雪夫への信頼が止まらない。

終盤、南次郎・リョーガ・リョーマの親子3人だけの空間も胸熱だ。『テニスの王子様』の芯を貫く父と子の物語がここに来て次のフェーズへと突入し、テニスプレイヤーとしてのリョーマの自我が急激な成長を遂げている事実にゾクゾクする。そして——まだ終わらないスペイン戦の行方と共に、最高の昂まりを真空パックされた状態でのクリフハンガー! ここが新テニミュの最前線、日本対スペインの物語は続く。

なお、本公演は10月13日(月・祝)までKanadevia Hallにて上演。その後、大阪、岐阜を巡り、東京凱旋公演が行われる。また、10月11日(土)にはイープラススペシャルデーも行われる。

キャストコメント

■越前リョーマ 役:今牧輝琉

ーーThe First Stageで国内合宿での高校生との試合から始まり、The Fifth Stageではいよいよ世界との決勝戦が始まりますが、ここまで進んできたお気持ちは?

僕と(高橋)怜也くんが新テニミュに出演することが発表されたのが5年前の10月2日だったので、5年経ったいま、ついに決勝戦まで来たか……という気持ちになっています。この5年間、テニミュと新テニミュに出演させていただいて、本当に濃い時間を過ごしてきましたが、思ったよりも一瞬だったと感じています。ここまで来られたことが何より嬉しいですし、原作もとうとうクライマックスなので、最高に素敵な締めくくりへ向かえたらいいなと思います。

ーー座長としてご観劇の皆様へメッセージ

ついに新テニミュも決勝戦が始まるんですけれども、今回は試合が熱いだけでなく、一人ひとりの人間ドラマや過去も描かれていて、よりキャラクターに対する深みが増す公演になっていると思いますので、キャラクターのこともたくさん愛していただければと思います。今回は、撮影タイムなどのいろいろな企画もあって、新テニミュがどんどん盛り上がっていくのが楽しみです。
新テニミュThe Fifth Stageはまもなく開幕です。ぜひたくさんの方に楽しんでいただきたいなと思います。よろしくお願いいたします!

■跡部景吾 役:高橋怜也

ーー初演から5公演すべてに出演してきて、今作での決勝戦進出をどう感じているか?

率直に喜びがすごいです。The First Stageからここまで皆勤賞で出演しているのは僕と(今牧)輝琉だけなのですが、僕としてはThe First Stageが初めての舞台だったので、初舞台からThe Fifth Stageまで来たのかという驚きもあります。一歩一歩進んできた新テニミュシリーズがとうとう決勝戦までたどり着いたことは率直に喜びが強くて、決勝まで跡部景吾を演じられることが幸せです。

ーー今回はロミフェルとのとの試合がありますが、特に注目してほしいポイントはどこか?

いつものごとく、兼松(衆)さんの楽曲は素敵ですし、年々アップグレードしていくところも魅力です。自分としては、常に新テニミュでは挑戦をしているのですが、ここまで続けさせてもらって、たぶん今回の試合が一番運動量が多いんじゃないかな?と思うくらい、跡部はロミフェルに振り回されています。でも、その大変さも熱量に変えて試合を魅せていきたいと思うので、ぜひ試合に注目してほしいです。

■ロミオ・フェルナンデス 役:Sion

ーーThe Fourth Stageではスペイン代表は3名での登場でしたが、今回メンバーが増えた印象は?

スペイン代表は今回7人に増えたことでよりスペインのチームらしさが色濃くなったように感じます。情熱的で、家族愛・絆の強いチームでありながら、一人ひとりが個性的で謎めいた存在になっています。情熱的でエネルギッシュなチームになっていますので、7人の化学反応を楽しみにしていてください。

ーーロミフェルは初の試合となりますが、試合に向けて準備してきたことや、意気込みは?

今回は初めての試合で、かつ決勝戦の相手ということで、テニスだけでなくスポーツにおいて決勝に進むことはすごく大変なことだと思うので、そのなかで彼の強さや存在感をしっかりお見せできるように、心と身体の両面で準備してきました。
スペイン代表の誇りを胸に、仲間と共に全力でパフォーマンスをお見せできるよう頑張るのでぜひ楽しみにしていてください。

■越前南次郎 役:中河内雅貴

ーー初登場となる新テニミュでは、サムライ南次郎にも扮しますが、同じ役でも心境は変わりますか?

お父さんの南次郎を演じているときと、若かりし頃のサムライ南次郎を演じるというのでは、自分の中でもスイッチが切り替わる瞬間があるのですが、登場した瞬間にみなさんを魅了しなければならないし、伝説のプレイヤーだと確固たる位置づけをしなければならないので、それを歌だったり、お芝居だったり、ダンスだったり、居方で表現したいという思いがあります。その扮装になると変わりますし、扮装しなくても自分の中ではみんなを見守りつつ、自分のやるべきことをしっかりとやっているという感じです。

ーー決勝戦に挑む選手たちを見守っている中で、中河内さんが思う見どころは?

見どころは全部です!原作漫画の『新テニスの王子様』は一人一人が主人公で、しかも一つ一つの試合が真剣勝負ということがこの作品の魅力でもあります。それをこの3次元の人間たちが生身を使って表現するので、そこは勝っても負けても全部が魅力的で。そのなかで、ミュージカルですから、歌があってダンスがあって。今のみんなは、(ミュージカル『テニスの王子様』1stシーズンに出演していた)僕らの20年前よりもすごく上手です(笑)。ぜひお客様も僕らと一緒に戦ってほしいなと思います。

特別映像出演者コメント

■跡部瑛子 役:藤原紀香
元より、ミュージカル『テニスの王子様』シリーズは、“不可能を可能にした舞台”という言葉がぴったりの作品だと感じてきました。
「テニミュからデビューしました!」というactor陣も多く、このシリーズが築いてきた歴史の大きさ、素晴らしさを改めて実感しています。

今回、主要キャラクターである跡部景吾の伝説の母・跡部瑛子というお役をいただいた時は、驚きとともにとても嬉しく思いました。 なにせ「元スパイ」「ペットは虎」…規格外な女性ですから(笑)。

舞台を観てくださるお客様には、そんな“非現実的な跡部ママ”を楽しんでいただきつつ、跡部家の誇りと品格、そして母として息子を信じ抜く揺るぎない愛を兼ね備えた跡部瑛子として、皆さまの心に残れば幸いです。

また、演出の上島先生と【ミュージカル『南太平洋』】以来にご一緒でき、大船に乗った気持ちで臨むことができました。
映像化が難しいと当初は言われていたこのシリーズがここまでの歴史を重ねてきたことに、心からリスペクトを抱きながら、初登場となるこのお役を「この母にしてこの息子あり」と感じていただけるようにと、心を込めて務めました。
最後になりますが…
『今後とも息子・跡部景吾をよろしくお願いします。そして、新テニミュの仲間たちも最高よ♡ by跡部瑛子』

■屋久杉麗華 役:KIMERU
ミュージカル『テニスの王子様』シリーズに帰ってきました。
卒業したメンバーが続々と新しい役を新テニミュで演じていて、羨ましいなと陰から応援してきましたが、今回やっと自分も関わることができて凄く嬉しく思っています。不二周助役、越前リョーマ役に続き、3役目です。まさかの役どころで皆さんだけじゃなく僕もビックリですが、レジェンド役を演じさせていただきますので、劇場で楽しんでいただけたら幸いです。これからもテニミュ・新テニミュの応援をよろしくお願いします。

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