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【2024年介護報酬改定】処遇改善加算の1本化!算定要件の変更点は?|介護職員等処遇改善加算

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【2024年介護報酬改定】処遇改善加算の1本化!算定要件の変更点は?|介護職員等処遇改善加算

【2024年介護報酬改定】処遇改善加算の1本化!算定要件の変更点は?

執筆者/専門家

伊藤 浩一

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14

2024年の介護報酬改定の中で3つあった処遇改善加算が1本化され、「介護職員等処遇改善加算」となります。今回はその変更点と算定のポイントを解説いたします。

*新加算=介護職員等処遇改善加算のポイント*
1.6月から施行開始(2月~5月は介護職員処遇改善支援補助金)
2.3つあった処遇改善加算が1本化することで事務負担が軽減できる
3.配分ルールの撤廃!事業所による柔軟な配分が可能になる
4.算定要件「職場環境等要件」の「生産性向上」がポイントに!

6月から施行開始(2月~5月は介護職員処遇改善支援補助金)

2024年度の介護報酬改定の「新・処遇改善加算=正式名称:介護職員等処遇改善加算」は6月1日から施行開始となります。※1年間の経過措置あり

また、2023年11月2日に閣議決定された「介護職員処遇改善支援補助金」は、2024年2月~5月分の賃金引上げ分として施行されます。こちらの補助金については関連記事をご覧ください。

ちなみに、2024年度の介護報酬改定は、全てが4月に改定されるのではなく、6月1日施行が訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導料、通所リハビリテーションとなり、それ以外のサービスが4月1日施行となります。
また、8月1日施行としては「施設系サービス居住費見直し」、2025年8月1日に「施設系サービス多床室の負担料」の施行と4つの施行時期に分かれます。
6月については、2024年度の診療報酬改定(医療)の施行時期が6月であるため、医療との連携性が強いサービスが時期を合わせた形となりました。

3つあった処遇改善加算が1本化することで事務負担が軽減できる

2024年以前の処遇改善加算は、下記の3つで成り立っています。
・処遇改善加算(2012年~)
・特定処遇改善加算(2019年~)
・ベースアップ等支援加算(2022年~)

時期をみていただければ、各処遇改善が追加されてきたということがわかると思います。
そして、これらの加算にはそれぞれ「介護福祉士(技能のある)であること」や「経験年数の長い介護職員の評価・賃上げ」、「それ以外の介護職員の賃上げ」、「介護職員以外の職員の賃上げ」という要件がありとても複雑でした。
また、加算が3つに分かれているため、それぞれについて申請をしなければならず、事務負担も大きくなっていったことも事実です。

実際、申請まで手が回らないから算定しない事業所もあるようで「処遇改善加算の算定率は94.1%、特定処遇改善加算算定率は72.8%」とその事務負担は処遇改善加算の算定に大きな課題となっていました。
※参考:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

そこで、「介護職員等処遇改善加算」として処遇改善加算は、1本化され複雑さを解消する方向で変更されることになったのです。

配分ルールの撤廃!事業所による柔軟な配分が可能になる

また1本化したのちのは、「職種に着目した配分ルールは設けず、事業所内で柔軟な配分を認める」ということで配分ルールが撤廃され事業所の判断で配分を決める運用に変更になりました。

加えて「令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引上げを行う」とありますので、令和6年2月から5月賃上げ分(2.0%)の介護職員処遇改善支援補助金に加えて賃金アップが図られる構造となりそうです。

算定要件「職場環境等要件」の「生産性向上」がポイントに!

介護職員等処遇改善加算は、1本化、加算率アップ、柔軟な配分というメリットがある一方で、すでに算定要件となっていた「職場環境等要件」が具体的になったり、新しいの要件が追加される見込みです。特に生産性向上に関する項目は必須となるでしょう。

●そもそも処遇改善加算の目的は、介護人材確保・定着

処遇改善加算の目的は、賃上げであることは大前提ではあるものの、介護業界の職場環境をよりよくすることも含まれます。
賃金のみでなく職場環境が悪ければ離職も人材確保も難しくなります。
そのため、下記の算定要件への取り組みがより重要となります。

職場環境等要件
1.「入職促進に向けた取り組み」
2.「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」
3.「両立支援・多様な働き方の推進」
4.「腰痛を含む心身の健康管理」
5.「生産性向上のための業務改善の取り組み」
6.「やりがい・働きがいの醸成」
また今回の改定ですが、大きなポイントは「生産性向上」です。
日本の生産人口が減るとともに、介護業界に従事する人材も減少する見込みです。そこに高齢化も押し寄せることとなり、「今の業務を継続したまま」では未来の日本を支えることは困難です。

現状の業務の課題を発見し、いかにムリ・ムダ・ムラをなくすか?そもそもこの業務は必要なのか?を真剣に取り組まなくてはなりません。厚労省が示している「生産性向上ガイドライン」やICT、介護ロボットの活用はマストと言えるでしょう。
※参考 厚生労働省 生産性向上ガイドライン

職場環境等要件には、よりよい職場としてはあるべき姿が明記されていると思います。
管理職・施設長の皆さんは、「しっかり介護サービスとして求められていることを説明し、事業所全体で取り組み良い職場になる努力を行うこと」が大切なんだろうと思います。

▼介護職員処遇改善支援補助金 関連記事

介護職員 平均月給6000円相当引き上げへ、専門家の見解は? | ささえるラボ

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2024年 月額6000円賃上げは実際いくら?いつ支給される?|介護職員処遇改善支援補助金 | ささえるラボ

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▼処遇改善加算の歴史 関連記事

「介護福祉士に8万円」の現実は?2023年以降、介護職の給料は上がる? | ささえるラボ

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