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【茶屋すずわ】センスのいい贈り物や手土産に。日本茶をよりおいしく素敵に楽しむアイデアが詰まったお茶屋さん /静岡市

アットエス

まるで隠れ家のような心ときめくお茶空間


ほっとひと息つきたい時に欠かせないお茶。今の季節は梅雨の蒸し暑さで気分がすっきりしない時のリフレッシュにもおすすめです。

今回は、煎茶やほうじ茶などの定番から、心身の疲れを癒やす薬膳茶まで多彩なお茶を取り揃え、"日本茶沼"にはまってしまう人続出(⁉)の素敵なお茶屋さんを紹介します。
※価格は税込
 

工場の一角とは思えないおしゃれな空間

どこからともなくお茶の香りが漂ってくる静岡市葵区の茶町界隈。全国から多彩な茶葉が集まり製茶関連企業がひしめくエリアに、江戸末期の嘉永元年(1848)に創業した製茶問屋・鈴和商店のビルが立っています。その茶工場の一角に店を構えているのが今回紹介する「茶屋すずわ」です。車が多い大通り沿いですが、見過ごしてしまいそうな小さな看板が目印です。

鉄製の引き戸を開くと多肉植物やドライフラワーなどが飾られた空間が。外からは想像できないギャラリーのような雰囲気です。

その奥まったところにある隠れ家的な店が「茶屋すずわ」です。2017年に鈴和商店6代目・渥美慶佑さんが「日本茶のおいしさはもちろん、味わう時間や空間も楽しんでもらえたら」との思いから開店しました。

ドライフラワーや流木をあしらいレトロモダンな雰囲気
店内の様子


普段使いから贈答用まで揃うお茶は、リーフの茶葉のほか手軽なティーバッグも豊富。少しずついろいろな味を試したい時に便利な小分けパックの商品もあります。パッケージにセンスを感じるお茶は、眺めているだけで心が癒やされてくるのが不思議です。

産地や味の特徴など詳細な説明が添えられている陳列棚


お茶のシーズンは5月上旬の八十八夜の頃に摘み取る一番茶から始まり、現在は二番茶の季節。標高や地形、摘採時期の違いで県内では6月末や初夏の頃まで比較的長い期間、新茶が店頭に並ぶそうです。

新茶「萌黄」 ©茶屋すずわ


こちらの新茶はやわらかい新芽を原料にした深蒸しで、濃緑色の水色(すいしょく)とコクのある旨味が特徴の「萌黄(もえぎ)」と、浅蒸しならではの透明感ある水色ながら、口の中に広がる力強い旨味と香りを感じる「馥郁(ふくいく)」。お茶の包装には珍しいクラフト紙に包まれ、カジュアルな手土産にも使いやすそうです。

贈り物の一番人気は「ときのお茶」3種類

贈り物に人気のアイテムは一日のシチュエーションを意識して調合された「ときのお茶」。世界緑茶コンテストで金賞に輝いたお茶です。

浅蒸しでキリッとした味わいの「めざめのお茶」、深蒸しならではの適度な渋みが甘みを引き立てる「おやつのお茶」、香ばしいほうじ茶ベースでカフェイン少なめの「おやすみのお茶」。それぞれ単品でも販売していますが、下の写真は3種類詰め合わせです。

「ときのお茶詰め合わせ(3缶セット)」3672円

 

バランスを整える薬膳茶。揺らぎ世代や冷え、疲れを感じる人に

薬膳茶「花柑茶」 ©茶屋すずわ


漢方に使われる果実や野草、木の実などを配合した4種類ある薬膳茶は何となくだるい時や冷えが気になる人、温活中の人に良さそう。商品は4種類ありますが写真は「花柑茶」。筆者は自宅で愛飲していますが、陳皮(みかんの皮)やよもぎ、小さな薔薇の蕾が入った奥行きのある味わいです(茶屋すずわはカフェではないので店内では提供していません)。

天竜、春野、牧之原、玉川、竜爪。県内5産地のシングルオリジンティー

1袋50g入り。春野茶は天狗のお面、牧之原茶は茶娘など風物詩を描いたパッケージ


白×黒のパッケージが目を引くのは天竜、春野、牧之原、玉川、竜爪(りゅうそう)の各地域で育った単一茶葉(シングルオリジン)のシリーズ。県内産地の飲み比べが楽しめるのは茶処ならではかもしれません。

作家ものの急須や湯呑、お盆など道具も必見

他にも麦茶や和紅茶、ほうじ茶ラテと抹茶ラテ、料理人とのコラボで生まれた花の香りのお茶「月花蜜」など興味深いお茶が揃いますが、こちらの魅力はお茶だけにとどまりません。

シンプルで使いやすさも考えられた作家ものの茶器


茶箱や古道具を使った棚にはお茶の時間に寄り添ってくれそうな、手に持つとしっくりと馴染むアイテムが並びます。

県内作家のほか全国的に著名な作家の器も扱う。


「自分が実際に使ってみて気に入ったものを販売しています」と話すのは、茶屋すずわの店主で鈴和商店6代目の渥美さん。各地の茶葉の長所を巧みに引き出し、口中に広がる旨味、鼻腔をくすぐる香り、美しい色など「五感で楽しめるお茶」を創りだす静岡の茶匠たちが持つブレンド技術「合組(ごうぐみ)」に誇りを持ち、静岡茶を盛り上げようと日々奮闘しています。

茶屋すずわ店長で鈴和商店6代目の渥美慶佑さん。SNSでもお茶の魅力を発信している。

「首都圏などではブランドのショップに茶器や茶葉が並び、若い世代や海外の人にもお茶に関心を持つ層が広がっている。『お茶って最近、売れなくなったよね』ではなく、『お茶って面白いよね』と他の業界の人が面白がってくれる。それがうれしいし、大きな励みになっています」と渥美さん。

お茶染めのクロスとガラス作家の器


お茶の成分を生かした香水や、渋い風合いのお茶染めの布、茶殻を窯に投じて器を焼く陶芸家など、渥美さんは茶業界に限らない多方面のクリエイターと積極的に繋がります。

「自由な発想で僕たちが気付かない新しいお茶の活用法を探求してくれたり、提案してくれたり。そこに静岡のお茶を手渡していくことも、自分の役割かなと思っています」。

時代の変化に合わせて広がっていく日本茶の可能性について熱く語ってくれました。

涼を誘う冷茶。おいしく味わうコツは?

最後に新茶を使った「冷茶」の入れ方を教えてもらいました。水出しや氷出しでじっくり一晩ほど時間をかけて抽出する方法もありますが、「新茶」の場合はちょっと勝手が違うようです。

「新茶の香りを楽しむには、熱湯を注いで淹れた方が断然おいしいです。コップに氷をあらかじめ入れて、その上に熱いお茶を注ぎます。その方が新茶特有のいい香りがふわっと立ち上ってきますよ」とのこと。

忙しい毎日でも、お茶の時間を大切にしたい人は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(写真・文 アットエス編集部 柏木)

店主のコレクションの多肉植物やサボテン


<DATA>
茶屋すずわ
住所:静岡市葵区安西3丁目68番地
電話:054-271-1238
営業:月〜水曜と金曜の10時〜16時半(第2、4土曜は11時〜18時)
駐車場:鈴和商店ビル裏側に1台

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