数少ない歴史的建造物 高射砲連隊訓練棟が国の文化財登録へ【柏市】
柏市根戸にある高射砲連隊訓練棟が、国の有形文化財として登録するよう答申され、去る2月、それを祝うイベントが開催されました。
あの建物は何だ?消防署として活用も
外側に向かって飛び出た大きな突起物が屋上に2つ。
窓が少なく、建物の中は吹き抜けのような空洞。
戦前から存在するコンクリート製の頑丈そうなこの建物。
当時陸軍の敷地だったので軍関係の施設とは分かっていましたが、何のための建物かは不明でした。
消防車を格納するのに良さそうだということで、一時は消防署として活用も。
2014年、老朽化から取り壊しが検討される中、柏市文化課が記録保存の目的で、建物の図面作成を専門家の金出ミチルさん(柏市文化財保護委員)に依頼しました。
これが一連の調査のきっかけとなり、高射砲連隊が防空のために訓練を行う施設であること、作られたのは10カ所にも満たず、現存するのは国内では2カ所のみ、と希少な建物であることが判明。
取り壊しは中止され、この存在を多くの人に周知するために、イベントなどさまざまな試みが行われてきました。
国の有形文化財として登録へ!
2023年、地域住民や柏歴史クラブの意向を受けた柏市文化課が国の有形文化財に登録されるよう手続きを進め、同年11月、国の文化審議会から文部科学大臣に対し、登録するよう答申。
2024年2月にお祝い会が開催され、地域住民の座談会や、麗澤大学教授で柏歴史クラブ副代表の櫻井良樹さんや金出ミチルさんの講演が行われました。
同クラブ代表で国学院大学名誉教授の上山和雄さんは「価値が認められてうれしい」とコメント。
かつて同じ地域で歩哨所の保存活動を行った時は、費用を捻出するために柏駅前で募金活動を行うなどの苦労もあったようです。
訓練棟は、まずは劣化防止工事を行い、改めて耐久性を調査して今後の活用を検討していくとのことです。
※問い合わせ
電話番号/090-6301-7417
柏歴史クラブ事務局