言葉を話さない猫のSNSは「おしっこ」だった!? ヒトの五感では計り知れない猫の感じる世界【猫柄図鑑】
猫の五感はどれほど鋭い?
猫はどんな景色を見て、どんな音を聴いているのでしょうか。
これらを知るヒントは、猫の五感に隠されています。
猫を飼っている人なら、飼い猫が「獲物」を持ってきてびっくりした経験をお持ちかもしれません。リビアヤマネコを祖先に持つ猫は、人間とともに暮らすようになってからも、ネズミや小動物を捕らえるハンターとしての能力を持ち続けています。
その能力を支えているのが、猫の優れた五感です。人間をはるかにしのぐ五感のすごさを、視覚、聴覚などの感覚ごとに見ていきましょう。
猫VS 人間五感勝負!
【視覚】
猫の視力は人間の10分の1程度。でも、暗闇に強く動体視力も抜群!
引き分け【聴覚】
人間には聴き取れない高い音でも、猫には聴こえる。さらに音の出どころも感知可能!
猫WIN!
【嗅覚】
猫の匂いを嗅ぎ分ける能力は人間の数万~数10万倍とも。匂いで情報収集もできる!
猫WIN!【味覚】
味を感じる能力は人間より低め。ただし、食べ物にはこだわりあり。
人間WIN!【触覚】
高性能レーダーの役割を果たす猫のヒゲは、空気の流れまで感知する!
猫WIN!
【視覚】暗闇にはめっぽう強い
色はぼんやり、光ははっきり
猫がもっともよく見えるのは2~6メートルほど離れたもので、視力では人間にかないません。また、色を感じる視細胞は人間の5分の1ほどと言われ、赤をはじめ、色もあまり鮮やかには見えないようです。
しかし一方で、夜行性のハンターならではの能力も持ち合わせています。大きな眼球と瞳孔で光を取り込むために夜目がきき、さらに動体視力も抜群。人間が観ているテレビの映像も、猫の優れた動体視力にかかれば、まるでコマ送りのように見えるというから驚きです。
【近すぎても遠すぎてもよく見えない】
目から15cmより近いものはよく見えず、20m以上離れたものは、動くものでないと見づらいようです。
【夜目がきく理由は「タペタム」にあり】
猫は網膜のすぐ奥にタペタムという反射板のような膜を持ち、眼から入ってきた光を反射させています。タペタムによって同じ光が網膜を2回通るため、猫はかすかな光でも感知できるのです。
【聴覚】猫の耳は高性能のレーダー!
飼い主が気づかない超高音も聴き逃さない
猫はとても耳が良く、65000Hz程度の高周波数の音まで聴き取れるそうです。さらに、左右の耳を別々に動かせるため、音の出どころを正確に知ることができます。この高性能レーダーのような耳で、死角にいる獲物の位置を察知し、忍び寄って素早く捕らえる。これも生粋のハンターならではの芸当です。
猫の可愛らしい耳は、音を集めるのに適した形をしています。
【嗅覚】相手の匂いで情報収集
他の猫のおしっこも貴重な情報源
猫は人間の数万倍から数10万倍ほどの嗅覚を持つといわれています。嗅覚が発達した理由は少なくとも2つあります。ひとつは匂いで食べられるものかどうかを判断するため、もうひとつは匂いによって猫同士でコミュニケーションをとるためです。猫はお互いの匂いを嗅ぎ合うことで、相手の識別や、発情、妊娠、健康状態などの重要な情報を集めているのです。
言葉を持たない猫は、相手や相手の残した尿の匂いで情報を集めています。
【味覚】味よりも匂いが判断基準に
見た目はおいしそうでも油断はしない
猫は人間と同様に甘味、酸味などの味覚を持ちますが、味蕾(味を感じる感覚器)は人間の10 分の1以下と少なく、味覚はあまり発達していないようです。甘味は感じにくいものの、毒や腐ったものを見抜くため、苦味や酸味には敏感なようです。
人間は食べものを見た目、匂い、味で総合的に「おいしい」「まずい」と判断しますが、猫は味覚よりも匂いで判断するところが大きいようです。猫がごはんにそっぽを向いたときは、もしかしたら匂いが気に入らないのかもしれません。
【触覚】ひげは高性能のセンサー
自在に動くひげで情報をキャッチ
猫のトレードマークであるひげは、正確には触毛と呼び、顔のあちこちから放射状に生えています。ひげの毛根にはたくさんの感覚器があり、獲物の存在や空気の流れ、気圧までも感じとれると言われています。
猫はひげを自由自在に動かすことができ、状況に応じて向きを変えています。ひげの向きで感情を表すこともあるので、猫を飼っている人は観察してみるのもいいでしょう。
【匂いを嗅ぐとき】
ものの匂いを嗅ぐときは、邪魔にならないよう顔にひげを密着させます。
【歩くとき】
ひげを前方へ張り出し、前方を探るセンサーとして役立てます。
【出典】『猫柄図鑑』監修:山根明弘