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見えなくても、3000万歩 石川在住 宮崎武志さん(83) 「心は見える」日々はつらつ

タウンニュース

ヘルパーと共に笑顔で歩く宮崎さん(左)

視覚障害がありながらも、毎日約1万歩のウォーキングを続ける石川在住の宮崎武志さん(83)は、2016年4月、自宅から大庭の引地川親水公園まで足を運ぶ日課を始め、8年5カ月で累計3000万歩以上になった。現在ギネス登録を申請中。「継続は力」をモットーに掲げ、日々を楽しく健康に過ごすためにさまざまな取り組みを行っている。

60代から始めたウォーキング。「網膜色素変性症」を患い、視力を失いながらも続ける理由は、それが「生きる力」になるからだと語る。

「自分の1日の行動には、1から万までの数字が入っている」。日課として、朝にまず1杯の冷たい水を飲み、10人と話し、文章を100文字書き、音声で1000文字読み、1万歩歩く。健康を保つために考えながら過ごすことが、はつらつとした日々を送る秘訣となっている。

毎朝4時に起床し、6時頃に家を出発する。石川2丁目の坂を下り、引地川沿いをさらに南下。ヘルパーとの会話を楽しみ、鳥や虫の声を聞きながら歩く。会話の内容は多岐に渡り、音声で知った情報をクイズ形式にしてアウトプットすることも多いという。

親水公園に到着すると、園内のあずまやに腰を掛け、同じように歩いている人たちと談笑する。宮崎さんにとって人との出会いは、人生を貫く要素の一つだ。

中学卒業後から自動車整備工場に就職。29歳で独立開業後はガソリンスタンド経営や車の販売を行い、ライオンズクラブの社会奉仕活動にも参加した。多くの人々と触れ合い、その経験は「今でも生きている」といい、「目は見えなくとも、心は見える」と話す。

50代で視界の異変に気づき、熱海在住の時に参加したウォーキングイベントから今日まで歩き続ける。ギネス申請については「孫などがやっているから、自分にはよくわからない」という。今夏からは体に無理のないように1日8000歩に減らした。「これからもマイペースに、楽しく歩いていく」

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