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2年で「100マイラー」への道 :#03 白馬と松代の挑戦──本格的なレースへのステップアップ

PARCFERME

2025年4月、PF編集長は日本一のトレイルランニングイベントと呼ばれる「Mt.FUJI100」168kmレースを完走した。フルマラソン4回分の距離を、山坂を上り下りしながら丸一日以上かけて寝ずに駆け回るというこのレースには、日本中から2000人を超えるランナーが集まる。完走できる体力や走力を養うだけでなく、出走する資格を得るのも大変だから、通常は数年の準備期間を要するとされる。しかし、やるとなったら最短コースを選ぶのがこの人のスタイルだ。ゼロに近いランニング経験から2年で目標を達成する道のり。今回は初のトレランレースへ参戦へ。

2023年9月10日、白馬村八方の町中からスタートし標高約750mから1150mまで登る。累積標高は512m、ここは折り返し地点。今回は雲に邪魔されてしまったが、白馬岳を始めとする北アルプスの山々が見渡せ、絶景を楽しみながら走れる人気のレースだ。

稜線へ続く一歩

2023年夏以降、トレイルランニング大会への出場を目指した。選んだ大会は、「白馬国際クラシック12km」と「信州松代ラウンドトレイル36km」だった。いずれも距離は比較的短めでありながら、走力やテクニックが試される本格的な山岳レースだった。

最初に臨んだのが、長野県白馬村で9月に開催された「白馬国際クラシック12km」。距離こそ12kmと短いものの、序盤から急登が連続し、標高差も大きいタフなコース設定だ。

大会当日、白馬は快晴。最初の登りは想像以上に厳しく、いきなり心拍数が上昇してしまった。周りのランナーも次第に息が上がり、走るよりも早歩きの方が多くなってきた。僕も無理に走ろうとせず、パワーハイクに切り替え、一定のリズムで登ることに集中した。

頂上付近に差し掛かると、やや雲がかかっていたとはいえ、開けた視界の先には白馬の雄大な山並みが広がり、感動したことを覚えている。コース中盤からはテクニカルな下りが待ち構えていた。何度も練習した下りのテクニックを思い出し、脱力しながら小刻みに足を運んだ。何人ものランナーを抜き去ることができ、自分の練習が報われた気がした。ゴールタイム自体は特に速くはなかったが、大きなトラブルもなく完走できたことで自信がついた。

(左)スタート前、一瞬の雲の隙間から見えた白馬三山をバックに。(右)高地だがこの日は予報を大きく超えた30℃の猛暑。照りつける太陽が痛い。

次は36km

次に挑戦したのが、長野県松代町で11月に開催された「信州松代ラウンドトレイル36km」だった。距離は前回の白馬の3倍で、累積標高も多く、本格的なミドルディスタンスの大会だった。

スタートは早朝6時。松代の歴史ある城下町を抜け、山に入るとすぐに登りが始まった。序盤からペースを上げすぎないよう心がけ、補給もしっかりと計画通りに行った。特にこのレースで重要だったのは、エネルギー管理だった。短いレースとは異なり、1時間に一度はジェルや固形食を摂取してエネルギーを補う必要がある。痙り防止のマグネシウムなども定期的に補給した。

前回大会から2ヶ月。すっかり季節は秋。肌寒く、前回とは全く変わった装備で挑む。

折れそうな脚と、折れない気持ち

晩秋の信州は風が心地よく、紅葉も見事だ。先へ進むほどに新しい景色が現れ、ときには同じようなペースで進む選手との会話も楽しんだ。それでも後半に差し掛かると疲労感が出始めた。特に最後の10kmは、脚が完全に動きを失い、何度も歩きを挟まざるを得なかった。

だがこの時期に学んだのは、疲れていても一定のペースを保つ技術と精神力が必要だということだ。歩いてしまったとしても、前に進み続けることが大切だと自分に言い聞かせ、粘り強く進んだ。ゴール直前、街に戻ってきた時の応援の声援は、疲れ果てた僕に再び力を与えてくれた。36kmを無事に走りきったときは、大きな達成感と共に、自分がまた一つ新しいステップを踏み出した実感が湧いた。

(左)長野県松代の「象山神社」の鳥居がスタートゲートという演出。(右)コースは歴史ある松代城跡周辺の里山を巡る。美しく色づいた山の中、ふかふか落ち葉のトレイルを進む。

これ以降、僕の目標はより距離の長いレース、そして山岳トレイルの醍醐味であるロングディスタンスへの挑戦へとシフトしていく。そのためにまずはITRA(世界トレイルランニング協会)ポイントを獲得し、名高いレースである伊豆トレイルジャーニー(ITJ)や上州武尊スカイビュートレイル、ハセツネカップといった大会を目指すことになる。

(上)気温が低いと空の透明度が違う、そんなことも山に行くようになって気づいたこと。すすきと青の対比が美しい。レース中なのだが、思わず撮ってしまう。(左)トレランレース第1号のデジタル完走証。(右)2戦目はゴールと同時にプリントしてその場で渡してもらえた。

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