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加藤ミリヤ、家入レオ『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』初共演を前に語る「一緒にできるのもスペシャルですし、より広がりのあるステージが作れる」

SPICE

『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』

米ビルボードが2007年から主催しているイベント『Billboard Women In Music』。音楽業界に多大な貢献があり、その活動を通じて女性たちをエンパワーメントしたアーティストを毎年〈ウーマン・オブ・ザ・イヤー〉として表彰しており、2023年はSZAが、過去にはビヨンセやマドンナなど錚々たる音楽家が受賞してきた。同イベントは、日本では2022年9月にスタート。女性アーティストや音楽業界で働く女性たちへのインタビューやライブ、トークセッションなどが行われており、そんな『Billboard JAPAN Women In Music』の一環として今回『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』が2024年2月8日(木)、TOKYO DOME CITY HALLにて開催される。出演は加藤ミリヤ、家入レオ。東京フィル・ビルボードクラシックスのオーケストラをバックに同じステージに立つ。女性シンガーとして第一線で活躍し続ける二人、女性をエンパワーメントすることを目的としたこのステージへの意気込みを聞いた。

ーー今回のライブのオファーを受けた感想と、意気込みをお聞かせください。

加藤:このライブの目的である「女性のエンパワーメント」は、私が活動を通して使命感を持ってずっと大切にしてきたもの。お声がけいただけて嬉しかったですし、ステージにどういう気持ちで立つかもすぐイメージできました。TOKYO DOME CITY HALLでオーケストラのセットと一緒にやるのは初めてですし、家入レオさんと一緒にできるのもスペシャルですし、より広がりのあるステージが作れるんじゃないでしょうか。

家入:私たちは今回「はじめまして」なのですが、お相手が(加藤)ミリヤさんだと聞いたときにはとても嬉しかったです。私は中高大一貫の女子校に通っていたのですが、当時のクラスメイトもみんなミリヤさんの歌に心を傾けていました。まさか自分がそんな人とステージをご一緒する日が来るなんて、すごく光栄です。加藤ミリヤと家入レオという二人が並んだ時にどんなステージになるのか、ましてや東京フィル・ビルボードクラシックスのオーケストラのみなさんの演奏ともあって、可能性は未知数ですが今からとても楽しみです。

加藤ミリヤ

ーーそれぞれのファンにとっても、新しいお二人が見せられる場になりそうですね。

家入:自分が好きなものに触れるのも素晴らしいけれど、予期しない出会いからインスピレーションを受けることってあるじゃないですか。それは自分では選べない、神様が与えてくれる機会ですよね。今回のステージはそんなふうに、私にとってもお客さんにとっても、良いハプニングが起きるライブになるんじゃないかなと思っています。

加藤:家入さんは、私より少し歳下かな? フレッシュで素晴らしい歌声を持つアーティストだと認識していましたし、自分のパーソナルな部分をディグして曲を作るスタイルは私たちの共通点なのかなと思いました。そうやって自分自身のダークサイドをシェアできる人のことに親近感があるんです。

家入:ありがとうございます。やっぱり恋をしたり、人を想う経験は傷つくことが大前提ですよね。自分の魂が幼いときにはその傷に耐えられなくて、そこからまた歌が生まれたりもする。歳を重ねるにつれて経験も増えていくと、傷も含めて人を愛することだと理解できるようになる。そういう女性自身の心境の変化や成長を、歌を通して伝えたいと思っています。学生時代に聴いたミリヤさんの「Aitai」という曲も、こうして大人になって改めて聴いてみるととてもフレッシュで、今ミリヤさんが書いていらっしゃる歌詞ともまた違う心境なのがわかります。そんな風にして歴史を重ねている女性アーティストは、素敵ですよね。

加藤:ありがとう。私は10代でデビューして、20代、30代と歌手として過ごしてきて、やっぱり生きている様やどういう風に生活しているかが曲に表れてくるのを感じています。「長く続けているから偉い」とは自分では思っていないけれど、私が長く続けられているのは聴いてくれる人がいるからなので、とてもありがたいことですよね。だから、ライブなどの楽しい場所を作って、感謝の気持ちを伝えていきたいんです。

ーー加藤さんは、女性をエンパワーメントするのを使命に感じているとおっしゃっていましたが、昔からそう思われているのでしょうか。

加藤:私は自分がモヤモヤしていることを歌にして、歌手になりました。16歳のときに出した3枚目のシングルは、「ディアロンリーガール」。当時は高校生で、大人がめちゃくちゃ嫌いだったの(笑)。自分をジャッジされるのがたまらなく嫌で、でも自分でも自分のことをわかっていないし、なんだかちょっと寂しかった。ブリーチしたブロンドヘアでその気持ちを歌ったら、周りの女の子たちがたくさん共感してくれたんです。そのときに「私の存在に気づいてくれたんだ」という感覚があって、「私が歌うべきことはこれだわ」って、歌を通して女性たちを勇気づけるのが使命だと思いました。それを今もずっと続けているんです。

家入:カッコいいな。私は、女性をエンパワーメントすることについては、これまであまり意識してこなかったんです。女性と男性という性別以外にも限りなくたくさんの異なるアイデンティティがあるし、1人の人間が持つ喜怒哀楽に性差はないと思ってきたんですよね。私自身が、「女性であること」を改めて意識し出したのは、20代後半になってからかな。いわゆる「クォーターライフクライシス」といわれる期間だと思うんですけれど、「これから先、どうやって生きていったらいいのか」と模索する中で、結婚や出産をする友人が増えて、自然にですね。でも、そういう自分の変化する気持ちや何気ない日常から生まれるメロディが一番人の心に響くと思うので、そうやって歌を歌い続けていきたいですね。

家入レオ

ーーお二人とも、葛藤をそのまま歌で表現して多くの人の共感を呼んでいるんですね。音楽を聴いていて「私だけじゃなかった」と思えるのは心強いと思います。では、何かくじけそうになったことがあるときにはどのようにして立ち直りますか。

加藤:「まあ、いっか」と思うことです。私、根本的にはシリアスになりがちな人間なんですよ。でも結婚して母になって守るものが増えて、全部を完璧にしようとするとキャパオーバーしてしまう。それまで自分はなんでもできるって思い込んでいたけれど、「全然そんなことない!」と初めて思ったんです。それからは、「まあ、いっか」と思えるようになって少し心に余裕ができました。

家入:ああ、そういうところも見えることで、すごくみんなを勇気づけられる気がします。ミリヤさんはカリスマだけど、そうやって「まあ、いいか」と思う部分もあるんだ、みたいな……私も完璧じゃないし、誰だってそうだと思うから。「私たち自身がガムシャラで手探りなんだよ」というのを、音楽で伝えられたらいいんじゃないかな。こうしてミリヤさんのお話を聞いただけでも、私にとってはすごく刺激になりました。

ーー今回のライブでは、お二人に自分自身がエンパワーメントされたアーティストの曲を選んでいただいています。何を歌っていただけるのでしょうか。

加藤:私は宇多田ヒカルさんの「First Love」です。私は前にも「Automatic」をカバーさせてもらったのですが、今回はこれまでに歌ったことがあるものではなくスペシャルな1曲をお届けしたいなと思って。みんなが好きな曲だし、すごく音域も広い難しい曲で、自分らしく歌うのはそれこそ私にとって本当にチャレンジ。自分自身にチャレンジを課して、誰かの心を震わせることができたら嬉しいです。前にオーケストラと一緒にステージに立たせてもらったときには、指揮者にすごく助けられたんです。だから、今回、齋藤友香理さんとご一緒できるのもとても楽しみです。

家入:私はまだ曲を決めきれていないんですよ。実は私も「First Love」を候補にしていたのですが、今日のお話を受けて「絶対ミリヤさんの歌声のバージョンで聴いてみたい!」と思いました。今日お話ししたことで、私も自分らしい1曲を選べそうです。

取材・文=Rio Hirai[SOW SWEET PUBLISHING]

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