【葉山 イベントレポ】はやまエシカルシンポジウム - 1杯のコーヒーから見えてくるエシカル
1杯のコーヒーから広がるエシカルな未来について考える「はやまエシカルシンポジウム」が、2026年3月1日に葉山町福祉文化会館で開催されました。
今回で4回目となるこのイベントへ取材に行ってきましたので、その様子をレポートします。
エシカルとは
最近よく耳にするようになった「エシカル(Ethical)」とは、英語で「倫理的な」「道徳的な」を意味する言葉です。
私たちが日々口にする食品や飲料の裏側には、児童労働、環境破壊、劣悪な労働環境といった深刻な社会課題が潜んでいることがあります。
一人ひとりが社会や環境に配慮した意識的な選択をすることで、世界を少しずつ変えていく。
それがエシカルという考え方の核心です。
はやまエシカルアクションとは
今回のイベントを主催したのは葉山町政策課。
葉山町では2022年6月から、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて「地球や社会、人に優しい行動」をみんなで広めていくプロジェクト【はやまエシカルアクション】を推進しています。
葉山町PR大使ミューシー
4回目を迎えたシンポジウム
単なる勉強の場ではなく、「葉山らしさ」を活かしたコミュニティイベントとして定着しているこのシンポジウム。
2023年に初めて開催されて以来、毎回テーマを設けて葉山町長や地元住民、企業が参加。
発表やトークセッションが行われています。
2026年のテーマは、私たちにとって最も身近な「食」。中でもコーヒーに焦点を当て、1杯の飲み物が世界や地域をどう変えるかを掘り下げ、葉山町内3店舗のコーヒーショップオーナーによる事例発表が行われました。
事例発表
THE FIVE☆BEANS 代表・森嵜健さん
開業以来、店舗でもイベント会場でも使い捨てカップを一度も使用していないという徹底ぶり。
長者ヶ崎の店舗ではマイカップ持参か、レンタルカップを借りて一色海岸でコーヒーを楽しみ、返却して帰るスタイルを貫いています。
コーヒーかすの堆肥化など、廃棄物を出さない取り組みについても語られました。
カフェテーロ葉山 オーナー・大下力さん
フェアトレードへの意識が高いコスタリカから直接仕入れることにこだわる大下さん。
生産者との対等な取引関係を大切にしながら、通常は廃棄されるコーヒーチェリー(コーヒー豆はその種子部分ですが、果実全体をコーヒーチェリーと呼びます)を活用した飲料開発にも取り組んでいます。
inuit coffee roaster オーナー・乾智彦さん
スペシャルティコーヒーにこだわる乾さんが強調するのは「顔の見えるコーヒー」という言葉。
どこで、誰が作ったのかが分かるコーヒーであることがスペシャルティコーヒーの本質であり、「浅煎り=スペシャルティ」といった誤解も丁寧に解説しました。
1杯のコーヒーが味わいだけでなく未来へつながるという言葉は、会場にしっかりと届いていました。
はやまエシカルアワード
PR部門
2025年9月から12月に実施された「マイタンブラーキャンペーン」に連動した「マイタンブラーフォトコンテスト」では、60点の応募から選ばれた20点が表彰されました。
葉山町PR大使のミューシーも登場し、会場は和やかな雰囲気に包まれ、表彰は葉山町長である山梨崇仁氏から直接手渡されました。
受賞作品は葉山町ホームページで公開中です。
優良事業者部門
最優秀賞:一般社団法人はっぷ
優秀賞:一般社団法人葉山の森保全センター(HFC)
特別賞:公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
トークセッション
葉山町長をファシリテーターに、コーヒーショップ3名に加え、はっぷ代表の大橋マキさん、IGES広報・ネットワーキングディレクターの佐野大輔さんを交えた5名でトークセッションが行われました。
自己紹介から日々のエシカルな取り組みまで、終始和やかに話が弾みました。
住民3万人の小さな町で、いわば競合関係にあるコーヒーショップのオーナーたちが、コーヒーを作る人と環境のために意見を交わし団結しているその姿に、思わず胸が熱くなりました。
後半は参加者からの質問にも応じ、開始から3時間。
学びと気づきが詰まった、あっという間の時間でした。
この時に、登壇者が座っていた丸太の椅子は、優良事業者に選ばれた葉山の森保全センターが、葉山の森の間伐材から手作りしたものだったと知り、こんなところにも葉山愛が宿っているのだと感じました。
取材を終えて
私は学生時代、図書館で手にした1冊の本でバナナ農園の児童労働を知り、しばらくバナナを食べられなくなったことがあります。
当時は「知ること」で止まっていましたが、今回登壇した皆さんの活動を見て、「知ること」を「選択」と「行動」へつなげることの大切さをあらためて実感しました。
エシカルな商品を選ぶ。
エシカルな活動を支持する。
その小さな積み重ねが、遠い農園の子供たちの未来を変える力になるのかもしれません。
このシンポジウムで感じた熱量が、一人でも多くの人に届くことを願っています。
はやまエシカルシンポジウム
開催日時
2026年3月1日 13:00〜16:00
開催場所
葉山福祉文化会館ホール
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内2220
駐車場:あり
参加費
無料
主催
葉山町政策課