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【13時から昼呑みできる福岡の店】魅惑の隠れ居酒屋が大名に!

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食堂Lightリゾット

レストランをはじめ、ランチタイムにアルコールを提供する店は珍しくありません。でもそれが「昼1時から営業する街場の居酒屋」なら、かなり希少な存在では? 先頃大名で見つけた「食堂 Light」は、そんな“昼呑み派”を勢いづけそうな注目の一軒です。

所在地は大名の古いアパート「養巴コープ」。一筋縄でいかなげな店がいくつも入る、なかなかディープな建物です。階段で3階まで登った先の、一番突き当たりに「食堂 Light」を発見。今年2月にオープンした居酒屋で、13時から23時まで営業しています。

ちょうど開店直後に伺うと、そこは陽だまりのような明るい空間。全14席の店内は、気さくなビストロであり、心浮き立つ秘密基地のようでもあり……そんな和める雰囲気に、なんだか気分もアガります。

こちらのオーナーシェフは、人気酒場「NUMBER SHOT」で腕を磨き、最後はマネージャーも任された服巻裕太さん。思い描く理想の店を目指し、37歳にして独立を果たしました。
「僕も昼呑みが大好きなので、早い時間から過ごせる店にしています。料理は洋食ベースですが、和や中華の要素もあるので〈食堂〉を名乗りました」と服巻さん。誠実さが窺える接客も快く、すでに評判の料理に加え、その人柄にも多くのファンが付きそうです。

自然派のみで揃えたワインや、自家製クラフトサワーなど酒類は豊富。それらと味を高めあう料理も、負けず劣らずバラエティに富んでいます。酒も料理もテーマは「九州前」で、できる限り「生産者さんの声を届けたい」と感じたものを各地から仕入れているとか。

その成果は、季節感満載の「前菜5種盛り合わせ」(1人前1100円/写真は2人前)にくっきり現れています。この日は青菜と有明海苔のおひたしとキャロットラペ、トロイワシのマリネ、あまおうと生ハム、菜の花とホタルイカの酢味噌がけ、合鴨ロースと新牛蒡という華やかな内容。「家庭では作れないもの」を意識して、一つひとつ手間をかけた前菜は、秀逸なセンスがにじみだす小粋な美味揃いでした。

「大海老と鰆のブイヤベース」(1980円)は、服巻さんが長年培った技術を感じるお勧め品です。ソテーした海老と鰆に白ワイン・サフラン・アサリを加え、仕上げに柑橘を少々。多彩な要素を巧みにまとめ、凝縮させたスープはまさに旨味の暴力! もちろん一滴残さず完食しました。

なお、写真は服巻さんが2皿に取り分けたうちの1皿で、通常の1人前は2倍のボリュームがあります。「料理はなるべく人数分に分けてお出します。お客様同士で取り分けると、相手に気を遣って少しだけ残したり、会話が途切れたりするので、少しでもそんな煩わしさを減らしたいなって」と服巻さん。「あくまで主役はお客様の楽しい時間。料理や酒は、そこにちょっと華を添えるもので良いと思うんです」。そんな気配りの数々が、この店のなんとも言えぬ温かさを生みだすのでしょう。

「九州産黒毛和牛と雲丹の鉄鍋焼きリゾット」(2200円)も、喝采を送りたくなる仕上がりです。注文後に鶏ガラで取ったチキンブイヨンで米を炊き、クリームリゾットを作ってから九州産黒毛和牛のローストビーフ・イクラ・ウニをトッピング。素材それぞれの強烈な個性が絡み合い、ずば抜けたご馳走感を放っていました。

こんなハイクオリティの料理と酒を、これほど明るいうちから楽しめるとは・・・。「あぁ贅沢!」と自然に笑みが浮かびます。いろんな友達に教えたい、とっておきの隠れ家がまた一軒増えました。「月明かりのように優しい場所にできたら」との願いを込めて、服巻さんが名付けた「食堂 Light」。そのおおらかな包容力と口福を、ぜひ皆さんにも感じてほしいと思います。

食堂 Light
福岡市中央区大名1-8-5養巴コープ3F
092-202-6749

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