役者魂貫いた故木下通博さん 元赤穂観光大使の冥福祈る
10年前に亡くなった元赤穂観光大使の俳優、故木下通博(みちひろ)さんを偲ぶ十年祭が13日、加里屋中洲の赤穂市民会館であり、関係者約40人が参列して故人の冥福をしめやかに祈った。
木下さんは「日本一の殺陣集団」として定評のある「東映剣会」に所属し、「暴れん坊将軍」「水戸黄門」など数々の時代劇に主に斬られ役で出演。1994年から毎年赤穂義士祭の忠臣蔵パレードでメンバーらとともに殺陣を披露し、人気を集めた。赤穂観光大使の委嘱を受けてから4年後の15年12月13日、義士祭の前夜祭イベントで舞台あいさつ中に急病で倒れ、そのまま帰らぬ人になった。役者として円熟期を迎えた61歳だった。
十年祭は木下さんと交流が深かった加里屋中洲の大橋正樹さんが発起人となり行われ、遺影が飾られた祭壇に玉串を捧げた。同会の義士祭出演が今年で30周年になることから、牟礼正稔市長が同会代表の中村健人(たけと)さんに感謝状を贈呈した。
大橋さんは「剣会が30年も続けて義士祭に出演してくれているのは、礎を築いてくれたきーやんのおかげ」と感謝。関係者によると、木下さんは生前、「義士祭の殺陣は義士に奉納する思いで演じている」と語っていたといい、中村代表は「これからも思いを受け継いでいきたい」と語った。