全員が60歳以上の“経営者”!? 明石『街仲食堂』で味わう、ふわりほどけるおにぎり 明石市
明石市に5月1日にオープンした『街仲食堂 byジーバーFOOD』。ほわっとほどけるおにぎりと具沢山の豚汁が魅力のお店ですが、注目すべきは食事だけではないんです。
JR明石駅から徒歩約6分、魚の棚商店街の賑やかな通りに店を構えており、大きく「おむすび」と書かれた味わい深い暖簾が目印です。
暖簾をくぐると、厨房から「おかえりなさーい」と元気な声が響きます。「お客様に実家に帰ってきた気持ちになってほしい」との思いから、「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」が挨拶。明るい出迎えに自然と顔がほころびます。
提供する料理はおにぎりと豚汁のセット。おにぎりや豚汁の単品、キッズセットもあります。
握りたてのほかほかおにぎりと豚汁のセットが登場。おにぎりの具は一番人気「ねぎみそ」と新メニュー「サケ」を選びました。
ふっくらおにぎりを頬張ると、口の中でふわりと優しくほどけます。今まで食べてきたおにぎりとは全く違う食感に驚き!
具も全て手作り。ねぎみそは、こく深く甘めの味噌とねぎのシャキシャキ食感が絶妙♪
程好い塩加減の鮭は、旨味もしっかり感じられ、身が柔らかく食べやすい。魚の棚商店街で仕入れた鮭に、自家製の味付けを加えているそうです。
豚汁は大根、牛蒡、人参など野菜も沢山で、食べ応え満点。出汁の風味が濃く、豚肉の旨味や味噌、野菜の甘味が交わり、まろやかで深みがある味わい。
シンプルだけど工夫が光り、作り手の丁寧な気持ちが伝わる味が、心とお腹に染みわたりました。
さて、冒頭でも触れたように、このお店の特徴は美味しい料理だけではありません。店を切り盛りするのは、全員が60歳以上のシニア世代。しかも、一人ひとりが従業員ではなく、“経営者”という立場で店づくりに携わっています。
同店は、明石市を中心に介護事業を展開する『株式会社SPIN』が、シニアが食の作り手として活躍できる場づくりに取り組む宮城県の『株式会社ジーバー』と連携し、兵庫県初のパートナーシップ店としてオープン。参加者を募り、店舗や運営面をサポートしているそうです。
SPINの片山さんは、「定年退職などで社会的な役割を失い、気力をなくしてしまう人もいます。そんな人たちが新たなやりがいを見つけ、キラキラと輝ける居場所をつくりたかったんです」と、オープンへの思いを語ってくれました。
経営者の皆さんに話を聞くと「楽しい♪」「学生時代に戻り、クラブ活動をしているみたい」「こんな居場所を探してた」と素敵な笑顔。
中には“飲食店は未経験”、“料理は苦手だった”という方もいますが、それぞれの得意分野を活かし助け合っているそうです。目標も「体が動く限り続けたい」、「こんなお店をもっと増やしたい」とさまざまでした。
お店の新メニューや改善点は、経営者の皆さんで構成する組合で話し合い、決定しているそうで、「みんなが経営者としての責任を持っている」「自分の意見が反映できることが嬉しい」と前向きな雰囲気でした。
そんな皆さんの収入は、お店の売り上げを働いた時間に応じて分配する仕組み。
「収入を増やして、いつか夫を旅行に連れて行ってあげたい」と目標を語る方もいました。自分の頑張りが目に見える形で反映されることも、仕事のやりがいや励みになっているのだと感じました。
今後についても「たこを使った新メニュー」、「定休日に各自の得意分野を活かして教室を開催」などさまざまなアイデアがでているそうです。
働くことを心から楽しむ皆さんはキラリと輝き、筆者もパワーをもらいました。美味しいおにぎりと豚汁、そして明るく居心地の良い雰囲気を求めて通いたくなります。
場所
街仲食堂
(明石市本町1丁目6-7)
営業時間
11:00~14:00
定休日
金曜日
駐車場
無