Yahoo! JAPAN

春主従の言葉に動かされ、お互いの本音をぶつけ合えた瑠璃とあやめ──「二人の人生の中で、すごく大切な時間になったんじゃないかなと思います」『春夏秋冬代行者 春の舞』葉桜瑠璃役・上坂すみれさん×葉桜あやめ役・馬場蘭子さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

電撃文庫/KADOKAWAより刊行されている暁佳奈先生の小説『春夏秋冬代行者』。四季の神々から与えられた特別な力を使い、季節を巡らせる役目を背負った「四季の代行者」とその護衛官、8人の想いが精細な筆致で描かれた作品となっています。

その小説を原作としたTVアニメ『春夏秋冬代行者 春の舞』がTOKYO MXほかにて放送中。

アニメイトタイムズでは、放送に合わせたインタビュー連載を実施中です。第2回は、夏の代行者・葉桜瑠璃(はざくら るり)を演じる上坂すみれさん、夏の護衛官・葉桜あやめを演じる馬場蘭子さんが登場。

本音を隠し、すれ違っていた姉妹が、春主従(雛菊、さくら)の言葉に感化され、歩み寄っていく様子が描かれた第3話・第4話。その中で印象に残ったシーンや、お互いのお芝居を聴いて感じたこと、お二人から見た春主従の魅力などを伺いました。

【写真】アニメ『春夏秋冬代行者』上坂すみれ×馬場蘭子【連載インタビュー第2回】

瑠璃もあやめも、第一印象からは想像できない複雑な想いを抱えたキャラクター

──まずは、作品の第一印象や魅力を感じた点をお聞かせください。

葉桜瑠璃役・上坂すみれさん(以下、上坂):原作を読ませていただいた際、四季の繊細さや美しさ、自然の力強さを感じました。またそれを一人で背負う代行者の宿命の重さや、ほぼたった一人で代行者を支える護衛官の気持ちといった人のいろんな感情が織り混ざっている物語だなと。とにかく、読んでいて感情を揺さぶられる作品でした。

葉桜あやめ役・馬場蘭子さん(以下、馬場):最初は、季節を代行者が顕現するというちょっと神話的な、ファンタジーなお話なのかなと思ったのですが、読んでいく中で代行者たちがすごくリアルな、人間的な心の揺れや苦しみを抱えていることが分かって。自分とはまったく立場が違うはずなのに、読んでいてすごく理解できるところが不思議な作品だなと思いました。

──馬場さんは原作小説のオーディオブックのナレーターを担当されていますが、アニメ化を初めて知ったときはいかがでしたか?

馬場:オーディションを受ける時に初めてアニメ化を知ったのですが、アニメという文字を見たときに涙が出ました。やっぱり思い入れのある好きな作品だったので「さらに世に広まっていくんだな」と思って、すごく嬉しかったです。

──続いて、演じるキャラクターの第一印象や魅力を感じた点をお聞かせください。

上坂:瑠璃は代行者チームの中で一番のムードメーカーというか、春主従の二人(雛菊、さくら)ともすぐに打ち解けていて、親しみやすいキャラクターという印象です。

一方で、代行者という役目は本当はやりたくない、大好きな双子の姉・あやめに「夏を見せたい」という想いだけでなんとか踏ん張っているという、第一印象のカラッとした明るさからは想像できない“痛み”みたいなものが同居しているのが魅力だなと思います。

──明るいキャラクターですが、抱えているものは本当に重いですよね。

上坂:その部分が最初は見えないからこそ、それを知ってしまうと彼女がすごく愛おしくなって。でも「きっとあやめ以外では瑠璃を救ってあげられないんだ」とも思うので、見ていると自然と二人を応援するような気持ちになるんだと思います。

──そんな瑠璃に対して、あやめもまた複雑な想いを抱えています。

馬場:あやめは護衛官の中でも大人な立場だと思うのですが、責任感はあるのに逃げ出したい気持ちもあったり、本当は妹が大好きなのに「大嫌い」と心の中で言葉にしてしまったりと、矛盾を抱えている子だなと思います。

一見するとすごく真面目で、芯を持って正しいことしかしないように見えるんですが、心の中ではそういった矛盾を抱えているのが、すごく複雑で人間味のあるところだなと感じます。

お互いのお芝居を聴いて、 “眼鏡が見える”と感動!?

──全体を通して、演じる上で大切にしたことや、スタッフからどのようなディレクションがあったのかをお聞かせください。

上坂:この作品は全体的にシリアスな喋り方のキャラクターが多く、瑠璃もそこにちょっと引っ張られてしまう瞬間があったので「瑠璃は気にせず、明るくやってください」というディレクションをいただくことが一番多かった気がします。

演じる上では「自分は妹で、甘えていいんだ」というような「妹でありたい」という雰囲気を大事にしました。あえてそう振る舞っているところがあるので、感情をちょっと過剰に大きく見せたりするんですが、あやめの前だと嘘をつけなくなって。「対あやめ」とそれ以外の人で、話しているときの印象が変わるといいなと思って、キャラクターを作っていきました。

馬場:あやめも少し似たような意識がありました。第3話の最初の方で春主従とお話しするシーンでは、接客モードというか、キャビンアテンダントさんのような雰囲気を意識したのですが、ドア越しに瑠璃に怒鳴るシーンでは、「もうちょっと遠慮なく、激しく瑠璃に怒鳴ってください」「溜息も、もっと聞かせるくらいで」といったディレクションをいただいて。人によっての接し方の違いを大事に演じました。

──続いて、お互いから見たキャラクターの魅力や、お芝居を聴いて感じたことをお聞かせください。

上坂:あやめは本当にいいお姉ちゃんだなと思います。そもそも馬場さんの声がすごく知的な声質で、めっちゃ「眼鏡キャラ」に合う声だなと感動していました。

馬場:(笑)。

上坂:「すごい! 眼鏡が自然に馴染んでる!」と。私はあまり眼鏡に縁がなかったので。

──コメントでも「眼鏡っ娘の妹」キャラを初めて演じられてうれしい、と仰っていましたね。

上坂:眼鏡っ娘のキャラに憧れがありました。でも「これが真の眼鏡ボイスか……!」と(笑)。

瑠璃は眼鏡っ娘ではありますが、振る舞い的には妹属性が強い印象です。馬場さんが「このお姉ちゃんにならいっぱい甘えても、わがままを言っても受け止めてくれるな」というあやめ像を作ってくださったので、すごく妹の気持ちになれたというか。容赦なく言い合いはするけれど、血がつながっている感じがあるなと思いました。

馬場:瑠璃は原作を読んだときから、特に元気で、はつらつとした印象があったのですが、上坂さんの声には、そこに自然と上品な感じが乗っていて。すごく“眼鏡が見えました”(笑)。

上坂:よかった~!(笑) 自信がなかったので嬉しいです。

馬場:元気なキャラをやるときって知的な部分を出すのが難しいと思うんですが、本当に自然に上品さを乗せられていて。「瑠璃がいる!」といつも現場で感動していました。

初めは一緒に録ることができなかったのですが、後から「あやめのふりをしている瑠璃のシーン」のお声を聴いたりして「すごい、双子な気がする……!」と感動していました。

──オーディオブックで瑠璃の台詞も読まれているからこそ、感じたこともあったのでしょうか?

馬場:私は「元気ではつらつとした女の子」というイメージでやっていたので、どうしても自分の瑠璃には“眼鏡が見えない”というか(笑)。上品さを乗せるのって本当に難しいなと思っていたので、上坂さんの瑠璃を聴いて、「こういうことか!」と感動しました。

上坂:嬉しい……!

第4話のラストは、瑠璃とあやめの人生の中で、すごく大切な時間になったはず

──第3話で夏離宮を訪れた春主従をあやめが出迎えるわけですが、服装の話題などで、すぐに意気投合したのが印象的でした。

馬場:あやめはそれまで、護衛官として他と切り離されて、ずっと仕事モードで生きてきて。妹もわがままで、ボイコット中というところに春主従が来てくれて、同世代のああいう関わりは初めてだったのかもしれません。普段見られないようなあやめの可愛さが見えるシーンで、演じていてもすごく楽しかったです。

──瑠璃があやめのふりをして、さくらと言葉を交わすシーンも強く印象に残りました。

上坂:あやめになり切りつつ、自分の思っていることも織り交ぜて喋る、というのがすごく瑠璃らしい、素直じゃない振る舞いだなと思いました。さくらがあやめのことをまだそこまで知らないからこそ成立しているモノマネですが、それでもやっぱりあやめになり切るのは難しかったです(笑)。

──瑠璃は現状をすごく客観視できているんだなと思いました。

上坂:瑠璃はすごく頭が良くて冷静で「こうしなきゃいけないんだ」ということはよく理解していて。でも、“妹でいたいから”そうしないんだなと。お姉ちゃんが(自分だけの)お姉ちゃんじゃなくなってしまう、という彼女のわがままの理由が段々見えてくるシーンだったなと思います。

──続く第4話では、回想シーンで二人の幼少期のやり取りも描かれました。このあたりの収録はいかがでしたか?

上坂:夏の代行者と護衛官になることが運命づけられてしまって、それでも瑠璃はどうにか姉妹でいたかったし、あやめはここから出ていきたかった。だけどやっぱり離れられないというのが、全体を通して描かれていたなと思います。

瑠璃のお芝居としては、あやめが苦しくなるような表現というか。回想の瑠璃はとにかくわんわん泣いていて。あやめが一緒にいてくれるから頑張る、だけどそれがなくなったら頑張れないよ、という心からの救いを求める叫びが多かったなと思います。

馬場:幼少期の二人のほんわかした感じが出れば出るほど、瑠璃が代行者に選ばれてしまった残酷さが伝わるんだろうなと思ったので、そういった部分は少し意識しました。

あとは、泣き続ける瑠璃を見て、あやめが当時10歳にも関わらず、護衛官になることを決意したところも大切なシーンで、私も収録のときにすごく気持ちが込められたなと思います。また、瑠璃を鼓舞するために何度も言っていた「瑠璃がくれる夏が好きよ」という台詞も印象に残っています。瑠璃にとっては、それがすがる言葉になっていたという意味でも、すごく大切な台詞だなと思います。

──春主従の言葉に動かされ、ラストシーンでは姉妹がお互いの本音をぶつけ合いました。

上坂:春主従と別れたあと、瑠璃が一気に妹に戻って、本音で喋っていくうちに、お姉ちゃんがいないと頑張れないということを真っすぐ、止めどなく言って。そこに温度の違うあやめのモノローグが入ってくるのが印象的でした。

私は一人っ子で、姉妹や兄弟に憧れがあるんですが、血がつながった存在、特に双子ってどんな気持ちなんだろう?と。自分の半身みたいな存在が追いすがってきたら、離れようとしてもきっと離れられないよな、みたいなことを考えずにはいられませんでした。

瑠璃にあやめを苦しめるつもりはないのですが、結果的に、瑠璃があやめを好きでいればいるほど苦しいということは考えながら演じましたし、春主従とも全然違う、歪な鎖のような絆を感じるラストでした。

馬場:私もラストシーンはすごく思い入れがあります。あやめが結婚して護衛官をやめるということも、瑠璃がずっと神様でい続けるということも、もう変えることはできない。なので自分の気持ちのほうを変えるしかない、というのが本当に辛いなと思いました。

そのことが瑠璃の訴えかけで伝わってきて、それに対してどうしてあげることもできないあやめの気持ちも切なかったです。でもその気持ちをぶつけ合うことで、二人の中でちょっと消化できたんじゃないかなと。二人の人生の中で、すごく大切な時間になったのではないかなと思います。

──あやめが瑠璃をどう思っていたのか、最後のモノローグでようやく見えた気がします。

馬場:あやめはずっと蓋をしていましたし、瑠璃のほうからあんなに気持ちを直接伝えられたこともなかったのかなと思います。それぐらい大きな気持ちを瑠璃が言おうと思ったきっかけは春主従の言葉ですし、あやめも春主従がお互いへ思いやりのある言葉を投げかける姿を見て、「瑠璃に向き合おう」という気持ちになったと思うので、本当に二人が来てくれて良かったなと思います。

春主従の相思相愛な関係を見たからこそ、夏主従も変わることができた

──春主従の関係性について、お二人から見た魅力や「瑠璃とあやめとは違うな」と感じた点があればお聞かせください。

上坂:春主従は血縁関係ではないからこそ、お互いをすごくリスペクトし合って、強い絆で結ばれていて。でも取り返しのつかない重い過去もあって、ちょっとしたことでもうバラバラになりそうな気持ちを、お互いのためになんとかつなぎ止めて生きている、というすごく脆い関係性でもあるなと思います。だからこそ、見ていてハラハラするし、尊いものに感じられるんだと思います。

あとは単純にめちゃくちゃ可愛いです(笑)。雛菊は本当に春のお花が似合うお人形さんみたいですし、さくらのコスチュームも何に影響されたものなのか……(しみじみと)すごくいいですね。とにかく、春主従は繊細な心と素晴らしいビジュアルが奇跡の融合を果たしているところが魅力だと思います。

夏主従との違いとしては、瑠璃とあやめは実の姉妹なので、歯に衣着せずのガチ喧嘩をしてしまうんですが、逆に春主従は溺愛合戦をしているというか。「自分のほうがもっと好き!」というカップルのような掛け合いだなと。でもそれが浮ついたものではなく、心からそう思っているという、本当の相思相愛な関係性だったからこそ、それを見た瑠璃とあやめも変わることができたんだと思います。

馬場:夏主従はずっと小さいときから一緒に過ごしてきたからこそ、喧嘩にも表れているように、夏の暑さのような激しさを伴った関係性だと思います。逆に春主従は二人ともまとっている雰囲気にどこか春の温かさがあるなと。離れ離れになっていたからこそ、お互いの大切さが身に染みている感じがして、そういった部分が夏主従との違いなのかなと思います。

──最後に、今後の見どころと、演じるキャラクターの注目ポイントを教えてください。

上坂:まだあまり姿を見せていない秋主従や、代行者を狙う「賊」の存在、そして春と冬は再会できるのか……など、まだまだ気になるところだらけだと思います。春夏秋冬の代行者と護衛官が揃い踏みするのを楽しみにしていただきつつ、春主従とお友達になった瑠璃、あやめのやり取りにも注目してほしいです。ここから先もじっくりたっぷり、各主従を掘り下げて楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

馬場:ここから「次どうなるの!?」という展開も増えていくので、楽しんでいただきたいですし、第3話、第4話の夏主従のように、それぞれのキャラクターの気持ちの変化や成長も見守っていただけると嬉しいです。この後も成長した瑠璃とあやめの活躍シーンがありますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

【インタビュー:篭法】

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. “3度目の正直”でついにサメさんチーム集結! 『ガールズ&パンツァー』海楽フェスタ2026スペシャルステージレポート――『最終章』第5話上映日も解禁

    アニメイトタイムズ
  2. 老け顔さんが勝てる!若く見えるボブスタイル〜2026年初夏〜

    4MEEE
  3. 「たれとん」中野北口店で「たれかつ丼」が600円に!5月20日から5日間限定でお得なオープン記念キャンペーン開催

    東京バーゲンマニア
  4. シロヤシオが見ごろに、三重県菰野町の御在所岳山上で初夏を彩る

    YOUよっかいち
  5. 【奈良】全国の“おいしい”が大集合! 近鉄百貨店 奈良店で「第4回 人気の味めぐり」が開催

    anna(アンナ)
  6. クーリッシュをペットボトルに“直挿し” ロッテ公式アレンジ「クーリッシュ×コーヒー」を試したら背徳感がすごかった

    おたくま経済新聞
  7. 山本彩、ABCテレビプロ野球中継「阪神×日本ハム」にゲスト出演!交流戦を熱く盛り上げる

    WWSチャンネル
  8. 紅茶セミナー&モクテル体験も!梅田で「ディルマ」ポップアップ開催

    PrettyOnline
  9. 農業とベーカリーを両立!栃木産小麦と自家製酵母を使ったパンが週三日お店に並ぶ【一本杉ベーカリー】(栃木県・鹿沼市)

    パンめぐ
  10. スカイツリー×ちいかわコラボ「ちいかわ☆星ふるスカイツリーとひみつの島」開催決定

    あとなびマガジン