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産前休暇前に最大20日間の有給を取得できる「プレママ・パパ制度」 最優秀賞として都から表彰

月刊総務オンライン

産前休暇前に最大20日間の有給を取得できる「プレママ・パパ制度」 最優秀賞として都から表彰

スパイスファクトリー(東京都港区)は12月4日、東京都から子供の笑顔を育む先進的な取り組みを行っている企業として評価され、「令和7年度こどもスマイルムーブメント大賞」の子育て応援部門で、最優秀賞を受賞したと発表した。

子育てと仕事の両立を後押しするため、制度整備と社内文化醸成の両輪で取り組んだ「プレママ・パパ制度」などが評価された。同社は2025年に育児休業取得率100%を達成している。

妊娠・出産・子育てをキャリアのブレーキにしない仕組みづくり

「プレママ・パパ制度」は、法定の産前休暇よりも前に、最大20日間の特別有給休暇を取得できる制度。妊娠中の体調不良や検診、家庭の準備など、既存制度では対応しきれない課題を解決する支援策として設計された。同社は制度のポイントを次のように説明している。

 ・特別有給休暇を20日間付与

 ・妊娠中の社員本人に加え、パートナーが妊娠中の社員も利用可能

 ・妊婦健診の付き添いや妊娠に伴う日常生活上のサポートでの取得も認められる

 ・欠勤や休職を回避することで、育児休業給付金の減額を防止

2025年度からは、男性社員がパートナーの出産前日まで制度を利用できるよう対象期間を拡大。社会の流れや利用者の声に応じて、2023年制定後もアップデートを続けている。

プレママ・パパ有休(※画像クリックで拡大)

欠勤で減額……育児休業給付金の課題に取り組む制度として導入

制度導入の背景として、同社は「育児休業給付金の課題」を挙げる。育休中の社員が頼りにする「育児休業給付金」の給付額は、育休開始前6か月の賃金を基に算出されるため、この期間中に欠勤や休職があると、結果として給付額が下がる仕組みとなっている。そのため、妊娠中の体調不良や妊婦健診などで有給を使い切ってしまった場合、欠勤扱いを避けるために、無理して出勤するケースが存在すると説明している。

制度導入にあたり、社内の出産経験者は「有給休暇を消化せず妊婦検診に通える外資系企業に勤める友人が、とてもうらやましく感じることもあった」と本音を明かしている。

利用率、育児休業取得率、男性育児休業取得率で100%達成

実際に「プレママ・パパ制度」を導入したところ、利用率は100%。そして、2025年の育児休業取得率で100%を達成し、男性育児休業取得率も100%と全国平均(40.5%)を大きく上回った。取得期間は平均で約3か月(90.5日)で、最長で153日取得した人もおり、同社は、性別問わず、十分な期間をかけて育児に専念できる環境を提供できているとしている。

制度面に加えて、社内文化面でも支援体制を構築している。社内Slack(社内チャットツール)に子育て専用チャンネルを設置し、社員同士の情報共有を促進。社員がいつでも閲覧できる育児休業ガイドブックの作成や、労務担当による制度説明で不安が解消できるようにサポートしている。さらに出生日当日の申請受理など、柔軟な運用に取り組んでいる。同制度は「HR’s SDGsアワード2025」の「はたらくを楽しく」部門でも最優秀賞も受賞している。

都内の約2200団体が参画する「こどもスマイルムーブメント」

「こどもスマイルムーブメント大賞」は、子供の笑顔を育む先進的な取り組みを行っている企業や団体を表彰するもの。東京都では、社会全体で子供を大切にする気運を醸成し、安心して働き、子育てができる環境作りを目指して「こどもスマイルムーブメント」を推進しており、同社をはじめ約2200団体が参画している。

都は育児休業につきまとう「休む」イメージを刷新する目的などから「育業」の愛称で取り組みをすすめており、社内研修などで活用できる管理職向け「育業」研修の教材などを公開している。「こどもスマイルムーブメント」の詳細は、都の特設ウェブサイトで確認でき、登録申請もできる。

スパイスファクトリーの発表の詳細は同社公式リリースで確認できる。

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