「結局、私ばかり我慢してる?」共働き夫婦が衝突する【延長保育】 53%のママが抱えるモヤモヤと解決法
延長保育の利用にあたり、53%のママが働き方を調整していることがわかりました。約2割の家庭が経験しているパートナーとの衝突を防ぐために、夫婦でできる分担の工夫やママたちの切実な本音を、アンケート結果から詳しく解説します。
▶共働き夫婦のための【やめ家事リスト】一挙公開<アンケート結果>共働き家庭にとって、保育園の延長保育をどう利用するかは、日々の悩みのひとつです。子どもの預け時間の調整は、パートナーとの協力なくしては成り立ちません。
しかし「調整」という言葉の裏に、ママたちの目に見えない大きな負担や我慢が隠れていることも少なくありません。
そこで今回コクリコラボでは、子どもの預け時間に関するパートナーとの関係についてアンケートを実施しました。実際に各家庭はどのように分担し、どのような悩みを抱えているのでしょうか。アンケートに寄せられたリアルな声をご紹介します。
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に2026年2月24日~3月9日 インターネット上で実施。有効回答数は143件。
半数以上が罪悪感、約2割がパートナーと衝突
延長保育は多くの家庭を支える大切な制度ですが、利用に対して心理的な負担を感じるママが半数以上います。
コクリコラボアンケート
アンケートの設問「延長保育の利用に対し、心理的なハードル(罪悪感など)は感じますか?」に対し、「とても感じる」が13.3%、「時々感じる」が40%という結果でした。これらを合わせると、53.3%と半数以上の親が延長保育に対して何らかの罪悪感を抱いていることが判明しました。
コクリコラボアンケート
「お迎えの時間や延長保育をめぐって、パートナーと衝突したことがあるか」という問いに対しては、「ある」と回答したのは19.7%でした。約2割の家庭で、子どもの預け時間をめぐり意見の食い違いが生じていることがわかります。
衝突を避けるために「先回り」 53.3%のママが働き方を調整した具体例
コクリコラボアンケート
「延長保育を避けるために働き方を調整した経験があるか」という質問では、「ある」と回答したママは53.5%と半数以上にのぼりました。
パートナーとの衝突が約2割(19.7%)にとどまっている背景には、表立った衝突を避けるために、ママが「先回り」して働き方を調整しているという実態があると考えられます。
では、具体的にどんな「調整」をしているのでしょうか。ママたちのリアルな声をご紹介します。
◆働く日数を調整してやりくりする
・シフト制なので、土曜日に出勤する分、平日を早上がりさせてもらってます。(30代/小2、年少々の男の子、年長の女の子のママ)・私の働き方を週4から週3に変更して幼稚園や小学校の行事に出るようにしたり上司と話し合った。パートナーとの分担は家事の分担、送り出しを当番制にしたりして戦った……まだ戦っている。(40代/高2、中2、小5の男の子のママ)
ママの働く時間を調整し、子どもとの時間を確保しているという声が多く寄せられました。一方で、思うようにいかず、今も試行錯誤が続いているという声も。両立の難しさがうかがえます。
◆1日の勤務時間を短縮して両立する
・子どもができる前から、私はなるべく子どもと一緒にいたいから時短勤務をすると宣言していましたし、夫もそれでいいと言ってくれていたので、特に揉めませんでした。価値観のすり合わせやお互いの意思の尊重は必須だと思います。(40代/中1、小4、小1の男の子のママ)
・時短を使った。自分が使うことで自分のほうがたくさん子どもと過ごす時間ができてよかったとポジティブに!(時短を使ってても延長保育は利用する時間にしか変えられなかったです!)(40代/小6、年長の女の子、小4の男の子のママ)
時短勤務制度を積極的に活用し、子どもと過ごす時間を確保できたことを前向きに捉えている声もあります。ただし、時短勤務を利用していても預け時間の調整には限界があるなど、理想どおりにはいかない側面もあるようです。
◆在宅ワークに変えた
・小さいうちは子どもと過ごしたいと思い、在宅ワーク、フリーランスで働くことにした。(40代/3歳の女の子、0歳の男の子のママ)・勤務時間が長かったり遅延などで、延長保育になる。それで家のことにも手が回らなかったりするのが嫌になり、在宅ワークに切り替えました。(30代/小4の男の子、小1、年中の女の子のママ)
子どもの預け時間に合わせて柔軟に働けるようにと、在宅ワークやフリーランスに切り替えたという声も目立ちました。とはいえ、自宅で仕事と育児を両立する必要があり、決して楽な選択ではありません。
◆キャリアを諦めた
・仕事をやめたのではなく、仕事をすることを諦めていました。小2である程度手が離れたのを機にやっとリモートワークの仕事に就きました。(30代/小6の男の子のママ)
「諦めていた」という声からは、働き続けたい気持ちがありながらも、やむを得ず選択を手放してきたママの本音がうかがえます。
・延長保育をしなくて済むよう、自分のキャリアを続けられる医療業界ではなく退勤時間を重視した他分野で求人を探した。それでもお迎えが難しい場合は義母に頼むことがあったが、まだ義母も仕事をしていたため調整にすごく気を使った。(40代/中1、小4の男の子のママ)
子育てのために、キャリアそのものを見直したというママの声です。それでも、日々の細やかな調整や気配りが欠かせない現実。育児と仕事を両立させることの大変さをあらためて感じます。
ママたちに聞いた! パートナーともめない分担の工夫
子どもの預け時間やお迎えをめぐって、「どうしたらうまく回るんだろう」と試行錯誤しているパパママも多いのではないでしょうか。ここでは、アンケートに寄せられたパートナーともめないための分担の工夫をご紹介します。
◆スケジュール共有を徹底する
・お互いに勤務時間や残業有無を確認しておき分担する。緊急の残業はすぐ連絡しお迎えをお願いする。(40代/6歳の男の子のママ)・送迎に関してはいつもしっかりやりとりして行うようにしています。急遽、都合が悪くなったときにもお迎えまでに連絡を取り合い、対応していました。共働きなので、「お互い協力し合おうね」と最初から話していた記憶があります。(30代/小5、小3、小1の男の子、0歳の女の子のママ)
あらかじめスケジュールをしっかり共有しておくことで、「どちらが対応するか」で迷ったり、もめたりする場面が減りそうです。
・Googleカレンダーで細かい予定を共有。子どもアカウントも作って、早帰りとか休園とか、お弁当の日などもすべて予定にいれる。(30代/小4の男の子、小3の女の子のママ)
子ども専用のアカウントを作成し、予定を一元管理するデジタルな方法。細かな予定まで見える化することで、「言った・言っていない」といったトラブルもなくなりそうです。
◆役割を決めておく
・仕事の主担当を夫、子育ての主担当を妻(私)ととらえて、家庭生活を回しています。メインの担当を決めてしまうことで、私たちとしては回しやすいなと感じています。もちろん、夫が子育て、私も仕事をしますが、お互いのバランスを見てコミュニケーションを頻繁にとりながら回しています。(30代/5歳の男の子、5歳の女の子のママ)・我が家の場合は完全にパパが仕事に専念、私は子どもを優先、としていたので何も問題はなかったです。ただし、自分に余裕がなくなるとストレスを抱えて衝突することもあったので、その部分をうまくコントロールすることが必要だし、相手に期待するのではなく、素直に伝えるように心がけました。(40代/高3、中3の女の子のママ)
メインの役割を決めつつも、いざというときは協力しあう意識を持つことも、円滑に家庭を回すポイントといえそうです。
◆家族以外のサポートを使う
・夫婦とも緊急時はできるだけ周りの力を借りよう、とパートナーと話しています。無理な時間でお迎えしてもしょうがないので、おじいちゃんおばあちゃんに頼ったり、園にも協力を求めるのを惜しみません。(30代/年長の女の子のママ)
夫婦だけで抱え込まず、積極的に周囲の協力を得ることも大切です。
・会社に伝えて一定期間業務時間を短くしてもらった。また、ファミリーサポートの活用もした。パートナーは、まったく分担する気はなかったので、自分1人でやり遂げた。(30代/小4、小2の女の子のママ)
分担が難しいことを前提に工夫したというママもいます。身近に頼れる人がいない場合でも、公的な支援やサービスが用意されていることもあります。どのようなサービスがあるのか、公的機関などに相談しておくと安心です。
・基本は、フリーランスである私が調整するものでした。夫はなるべく努力をしてくれましたが、重要な仕事をほっぽりだすのがどんなに大変かが私もわかっているので、無理は言いませんでした。近所にママ友がいることは、重要でした。ママ友に子どもを見てもらうことはあまりなかったけれど、本当にどうしても抜けられないときっていうのがあるので、その数回でも頼れる人がいるのは大事ですね。(40代/高1のママ)
いざというときに頼れるママ友がいるだけでも、安心できるという声も見られました。
◆相手を思いやる
・相手のやりかたを尊重する。どうしても自分の方法でやってほしいときは、理由とやり方を細かく丁寧に説明して納得してもらう。(50代/中1、小5の女の子のママ)・しんどいときにはきつい言葉を言いがちなので話し合わない。日ごろから小さなことにも「ありがとう。助かった」と感謝の言葉を伝えていると、結構分担してくれる。(40代/小1、年少の男の子のママ)
余裕がないと、つい言い方がきつくなってしまうこともありますよね。そんな日もあるからこそ、パートナーへの思いやりを忘れずにいたいものです。筆者自身も、あらためて意識しなくてはと思いました。
・「パパに迎えに来てほしいみたいだよー!」「パパが送ってくれると機嫌よいわぁー!」と褒める。(40代/小4、小1の男の子のママ)
・私の旦那はとても家事育児に協力的な人なのですが、私は常に感謝と褒めることを心がけています。たとえば何か1つでもしてくれたら「ありがとう! めっちゃ助かるわ〜!!」や、「お父さんが作ってくれるチャーハン美味しいよね! お母さんこんなふうに作らへんねんな~」と、こんな感じで心を込めて褒めています。旦那を褒めて持ち上げる! ベタなやり方かもですが効果的です(笑)。(30代/小1、6歳の男の子のママ)
「褒める」。シンプルですが、意外とできていないことかもしれません。思っていても言葉にできていないこともあるのではないでしょうか。自分が褒めてもらえるとうれしいように、パートナーにも積極的に伝えていきたいですね。
それでもママに負担が偏るモヤモヤも
育児や働き方を工夫しながら家庭を回しつつも、アンケートにはモヤモヤとした気持ちを抱える声も見られました。
・行きも帰りも私が送り迎え、仕事の時間を調整するのも私。なので、やはり不公平感は感じています。家事育児には積極的な夫ですが、やはり仕事のこととなるとなかなか難しいようです。(30代/小4、1歳の男の子のママ)・毎日延長保育はかわいそうかな? という思いで仕事を調整してしまう。夫は特に意見はない反面、自分には関係のないことと思っているようです。(40代/小2、5歳の男の子のママ)
パートナーが家事や育児には協力的でも、仕事とのバランスとなると難しさを感じるようです。
・育児は母親がやるのが当たり前というのを今の子どもたちが働きに出る前に世の中が改善してほしい。(30代/高3、小1の男の子、高2の女の子のママ)
パパの育児参加が当たり前になりつつある今も、「育児は母親がやるもの」という価値観は根強く残っているのも事実です。
・夫は自分の母が専業主婦だったため、妻が家にいて子どもを見ることが当たり前という価値観だった。そのため何年もかけて、妻がフリーランスになり子どもを見ることと両立していることの苦労、保育代をどれだけ節約できているかなどを折に触れて説明した。2人目が生まれ、5年ほどでやっと理解した様子。長い戦いだった。(40代/中1の男の子、小4の女の子のママ)
子育ての大変さをパートナーに理解してもらうまでに、5年もの時間を要したというママもいます。価値観の違いは簡単には埋まらず、長い時間をかけて向き合っていく必要がある現実が見えてきます。
・夫が昼~夜遅く勤務、私が9:00~17:00勤務で、朝は夫に任せて出勤できた一方、夜は私が一人でごはん・お風呂・寝かしつけまで担うことが多く、負担が大きかったです。結果的に退職しましたが、「夫は私の大変さを本当に理解していたのか」という疑問は常にありました。分担は時間の長さだけでなく、体力・気力の負担も含めて具体的に話し合うことが大切だと感じます。(30代/小2の女の子のママ)
たとえ分担していても、感じる「しんどさ」は同じとは限りません。目に見えない負担に気づき、理解しようとしてくれているかが大切ですね。
ママたちの本音「世の中こうなってほしい!」
写真:milatas/イメージマート
最後に、「世の中こうなってほしい!」という、ママたちの率直な願いをご紹介します。
・定時退社が当たり前、フレックスタイムの導入、時短でも賃金がフルタイム並みに稼ぐことができるようになること、男性も定時退社が当たり前、時間外の接待や飲み会の廃止。(30代/5歳、1歳の女の子のママ)・男性、女性関係なく柔軟な働きかたのできる会社が増えればよいなぁ、と思います。(30代/小4、1歳の男の子のママ)
・男性も女性も等しく、子どもに合わせて柔軟に対応できること。(40代/小2の女の子、5歳の男の子のママ)
柔軟な働き方を求める声が多く寄せられました。家庭の状況はひとつとして同じものはありません。だからこそ、それぞれに合った選択ができる環境が必要ですよね。
・人員に余裕を持ち、まわりにもっと協力できる体制があればいいのにと思ったことはあります。(30代/小3、年中の男の子のママ)・定時で帰れることも大切だと思いますが、子育て以外の理由であっても、だれもが休みを取りやすい雰囲気があるとよいなと思います。(40代/小5、小2の女の子のママ)
休みの取りづらさは、働くママの悩みのひとつ。人手不足が課題とされる現代において、無理なく働き続けられる環境づくりは、今後ますます重要になりそうです。
・一馬力でも回せる経済力。(30代/小1、年中のママ)
とてもシンプルですが、根本的な問題を突いた一言です。
・保育士さんの増員と、勤務時間や給与などの待遇改善。(40代/4歳の男の子のママ)
安心して子どもを預けられる環境の裏側には、保育士さんの存在があります。近年は保育士不足も指摘されており、現場の負担を軽減する取り組みも必須です。
・なかなか現実的には厳しいですが、定時退社が当たり前の文化、柔軟なリモートワーク、男性の育児参画への理解、保育士さんの増員と待遇改善など、すべてが一律で実現することを切に願います!(30代/小5の男の子、小1、5歳の女の子のママ)
どれかひとつではなく、すべてがそろってこそ意味がある。そんなママの声には、多くの人が共感するのではないでしょうか。簡単ではないと分かっていても、そう願わずにはいられません。
・延長保育がかわいそうという世間のイメージを変えていければいい。結局、ならいごととかするならば同じ時間を過ごさないので。(40代/小6、年中の女の子、小4の男の子のママ)
世間が抱く延長保育に対するイメージに、違和感を覚えるという声もありました。
こちらは座談会に参加したママからの声です。
・我が家は延長保育はあまり利用しなかったんです。実は主人の母が「かわいそうだから」と言っており、必要な場合は義母が迎えに行っていたので、利用の機会はほとんどありませんでした。ただ、まったく利用しなかったわけではなく、「子どもが楽しんでいるので」と説明して延長保育を使ったときや、親に言わずに延長保育を使ったときもあります。私自身は延長保育は制度としては必要なものだと思っていたのですが、親世代は「かわいそう」というのが多くて、少しモヤモヤしました。(中1、小4の男の子のママ)
延長保育に対する考えかたは、世代によっても違いがあるようです。身近な人の言葉だからこそ、思った以上に気持ちに引っかかってしまうこともあります。周囲のイメージが少しずつでも払拭されていけば、ママたちの気持ちも軽くなるのかもしれません。
預け時間の悩みは、社会の課題でもある
今回のアンケートから見えてきたのは、「調整」という言葉では収まりきらないほどの、大きな選択と向き合っているママたちの姿でした。パートナーと協力したり、周りを頼ったりと工夫しながらも、子育ての負担がママに集まりやすい現実はまだ続いています。
柔軟な働き方、休みを取りやすい職場、保育士さんの待遇改善。こうした環境が当たり前になり、パパママがひとりで抱え込まなくて済む日が1日でも早く訪れることを願わずにはいられません。皆さんは、子どもの預け時間についてパートナーと話し合ったことはありますか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
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