食品ロス削減と特産PR 赤高生が義士祭でおにぎり販売
食材を廃棄せず有効活用するため商品開発された缶詰を社会問題の解決に役立てる学生アイデアの全国コンテスト「コノヒトカン1000缶プロジェクト」で赤穂高校の生徒有志チームが考案した「おにぎりプロジェクト」が入賞。缶詰と赤穂塩で調理したおむすびを販売するアイデアで、12月14日の赤穂義士祭に実行する。
「コノヒトカン」は、市場に出せない肉の脂身や魚のあら、規格外の農産物を材料に岡山県鏡野町で製造されている缶詰で、「ニクカン(肉缶)」と「サカナカン(魚缶)」の2種類がある。1缶を2合分のごはんと混ぜ合わせれば3〜4人分のおいしい食事になり、食材ロスを減らす取組として注目されている。
赤穂高校の地域みらい探究類型で学ぶ四宮颯(はやて)さん(16)と嶋村悠就(ひさなり)さん(16)、進藤そらさん(16)、甲斐百桜(さくら)さん(15)の1年生4人が、コノヒトカンと赤穂の米と塩を使ったおにぎりを赤穂義士祭で販売するプロジェクトを企画してアイデアコンテストに参加。全国37校117チームの応募があった中、書類による一次審査を通過した25チームに選ばれ、10月の本大会でプレゼンテーションした結果、岡山県教育長賞を受賞した。
生徒たちはアイデアを実行に移そうと、協力してくれる米農家を探して市役所や商工会議所、JAの直売所を訪問。木津のおむすび専門店「農家のおむすび 米」が米の提供と調理を引き受けてくれることが決まった。
サカナカンを使った「しおカンむすび」と赤穂塩だけで味付けした「塩むすび」を2個ずつ計4個セットにして2200円で販売する。かまどの炊きたてご飯を調理するため50セットが限度といい、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で11月23日まで先着順に予約を受け付ける。当日の現金販売は行わない。
4人は「おにぎりを作る過程を通して、地域の方々のお世話になり、ますます赤穂市は温かい、優しい町だと感じた。たくさんの方たちが関わってくれた、おいしいおにぎりを味わってほしい」と呼び掛けている。