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【福岡の繁盛店探訪】6日間かけて仕込んだカリッ&モチモチの「ぐる皮」に夢中

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みつますのぐる皮

福岡の食を語るうえで外せない「とり皮」。鶏肉の皮を串に巻いた焼鳥で、外はカリッと中はジューシーな味わいで誰もが虜になってしまいます。とり皮自慢の店はいくつもありますが、上人橋通りにある「みつます 天神店」も間違いのない一軒。「ぐる皮」と名付けたとり皮を目当てに、毎夜多くの客が暖簾をくぐります。

店内は白を基調に随所に木を生かした明るい雰囲気で、仕事帰りに立ち寄るにも誰かを連れてくるのにもちょうどいい感じ。カウンターとテーブル、その奥には掘りごたつもあります。カウンターの一角には仕込み途中のとり皮が山積みされていて「今日は何本食べようかな?」とワクワクしながら席につきました。

まずは迷うことなく「ぐる皮」(165円)を10本オーダー。とり皮は他の焼鳥のように1人1〜2本ではなく、1人5本、10本ほど注文するのが楽しみ方の基本です。惚れ惚れするほどいい色に焼き上がったとり皮は、香ばしさが段違い! サクサクッと小気味良い食感で、内側からはジュワッと脂の甘味があふれ、驚くほどもちもちとした独特の食感です。

「ぐる皮自体はシンプルな味わいなので、3本ほど続けて食べるとより美味しさを感じてもらえると思います」と店主の光増潤さんは話します。光増さんはとり皮の有名店「かわ屋」で修業した後に独立。2008年に大橋本店を、2017年に今泉に「天神店」をオープンしました。
自慢の「ぐる皮」は国産若鶏の首の皮をぐるぐると巻きつけた串を、タレに漬けて焼いて寝かせるという「かわ屋」仕込みの作業を6日間繰り返します。こうすることで余計な脂を落として鶏の旨味をぎゅうっと閉じ込めているのだそう。
「うちでは大ぶりのとり皮を使っているのですが、時間をかけて脂と水分を落としていくことで、約1/3の大きさになります。熟成させつつ旨味を凝縮させるイメージです」と光増さん。
常連を唸らせ続ける味の決め手は、創業以来継ぎ足してきた味わい深い醤油ダレ。糖分を使わないので重たくならず、もう一本、あと一本と食べ進んでしまいます。好みでガーリックパウダーや一味をかけると、さらに中毒性のある味わいに!

刺身でも食べられる新鮮なささみを使った「ささみのしぎ焼き」(2本440円)は、低温調理することでしっとりやわらか。ツンと辛さを効かせたわさび醤油がいい塩梅です。また、「生つくね」(2本420円)は、もも肉とナンコツの配合にこだわった舌触り滑らかな一品。茹でずに生の状態から串焼きするのがメニュー名の由来です。刻んだ大葉も入っていて風味がよく、山椒をつけながら味わうとなおよし。タレ焼きもありますが、鶏の旨味を存分に感じられる塩焼きがイチオシです。

次はおすすめの串を焼いてもらいました。右から順にいただいたのですが、「とりねぎま」(165円)には、肩肉のフリソデを使用。手羽とムネの間にある脂がのった希少部位を楽しめます。「砂ずり」(178円)は、通常半分にカットするところを、肉汁や旨味を逃さないよう大ぶりのまま提供。サクッとした歯応えも絶品です。「豚バラ」(165円)は玉ねぎではなく青ネギを挟んでいるのが印象的で、これがまた美味。そしてマイベストだったのが「豚バラナンコツ」(220円)。とろとろになるまでボイルした、まるでチーズを思わせる濃厚な味わいに悶絶してしまいました。また「牛すじ」(178円)は、ブルプルの食感でどっしり満足感があります。

王道の焼鳥を味わえる「みつます」ですが、随所に光増さんのこだわりが見えるのがにくいところ。焼鳥だけでなく、野菜巻きや「出汁餃子」(638円)、「牛すじ煮込み」(638円)などの一品メニュー、そして「土鍋ごはん」(1合715円)もあるので、シメまでとことん満喫してみては? 

みつます 天神店
福岡市中央区今泉2-4-23 ぴっぴーハウス1F
092-753-8885

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