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すべてが芝居の楼蘭。だけど猫猫、小蘭との時間はウソじゃない――『薬屋のひとりごと』第2期、子翠/楼蘭役・瀬戸麻沙美さんインタビュー

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

大人気後宮謎解きエンターテインメント『薬屋のひとりごと』のTVアニメ第2期が放送中! 第1期から続く未解決の謎が後宮を不穏な空気に包む中、猫猫(マオマオ)と壬氏(ジンシ)の前に新たな難事件が立ちふさがります。

今回、第2期から登場し、ついに正体を表した子翠/楼蘭を演じる瀬戸麻沙美さんにインタビュー! 作品についてはもちろん、第47話までを振り返ったお話を伺いました。

*本記事は第47話までのネタバレを含みます。

 

 

【写真】『薬屋のひとりごと』第2期インタビュー:瀬戸麻沙美が語る子翠の正体

ついに明かされた子翠の正体

──ついに子翠、そして楼蘭の正体が明かされました。驚いた人も多かったのではないかと思います。

瀬戸:『薬屋』が好きな方は鋭いと思うので、猫猫と同じようにずっと疑念があったんじゃないかなって思います。薄々気付いていたけど、そうだとは思いたくなかったという人もいるかもしれません。そうやって気持ちが掻き回されるところもこの作品ならではですよね。

 

 

──思い返せば怪しいところはたくさんありました。

瀬戸:伏線はたくさんありましたけど、中でも表情ですよね。スッと笑顔が消えたと思ったら意味深なことを言ったり。ただ子翠としてはヒントを与えるつもりがあったわけではなく、無意識に本心が出ちゃっていたんだと思います。

──前回のインタビューで印象深いとお話されていた怪談話も大きな伏線でした。

瀬戸:そうですね。今思うと後宮の闇が語られていましたね。

──壬氏が好きとお話されていましたが、第42話で壬氏が柘榴宮に乗り込むところは怖くありませんでしたか?

瀬戸:あそこは期待通りでした! 「猫猫のためならあんなになってしまうんだ!助かる!」って(笑)。でも、柘榴宮にいたみんなは本当に怖かっただろうなって思います。

 

猫猫、小蘭との時間はウソじゃない

──改めて第2期の前半を振り返った感想をお聞かせください。

瀬戸:子翠は猫を追いかけていたら、たまたま猫猫と出会いました。しかし、後々になってそれには理由があり、あの時の子翠は必死に誤魔化していたことがわかって。あんな場面で咄嗟の立ち振舞ができるということは、今までも色々なピンチをかわしてきたんでしょうね。

その後は猫猫のことを調べて、小蘭と3人で仲良くなるようになりました。今思うと、ふたりのことを利用しようとしていたんじゃないか?とか、本当に仲良しだったのか?とか思う方もいると思います。でも私は、見て、演じて、3人の心が動いた瞬間はウソじゃなかったって信じています。

最近のエピソードを見ていただいた通り、子翠は普通の人とは違う経験をしているから冷酷さとか諦めみたいなものがあるんですけど、それでも情はちゃんとあるんですよね。だから今振り返っても、ふたりとの時間はちゃんと心に刻まれているんじゃないかなって思います。

 

 

──強い意志の中に優しさがあることはこの数話でよく伝わりました。

瀬戸:最後は自分が尻拭いをしなくちゃと決意していましたからね。全部捨ててもよかったのに、みんなのために最後まで自分のできることをやり遂げるなんてすごいことです。

──砦では翠苓と想い合う関係性も描かれました。

瀬戸:ふたりとも、よくあの母の元でちゃんと育ちましたよね。もしかしたら反面教師にしたのかもしれませんね。ふたりは姉妹という唯一の繋がりに安心したい気持ちもあったんじゃないかなと思います。

──母・神美は恐ろしい人物でしたが、過去には辛い出来事もありました。

瀬戸:根っからの悪人ではないのかもしれませんね。そんな神美の運命を歪めさせた後宮は、やはり魔物が棲んでいる場所だったんだなって。子翠は近しい人を愛せる人なのに神美を切り捨ててしまったということは、どこかで諦めていたんでしょうね。

 

 

なにも言われなくて逆に不安

──第45話、猫猫が「楼蘭」ではなく「子翠」と呼んだ時の間と表情が印象的です。

瀬戸:子翠は「子翠」と呼ばれて「なあに?」と振り返るまでにもいろいろと思考していたんでしょうね。演じるうえではあの間をどう読み取るのかが重要でした。

──あの状況でも猫猫と話している時は子翠でいられたのかな、と思いました

瀬戸:この舞台の中では、猫猫って異分子なんですよね。子翠は猫猫のことを頼りにしているから、耳を傾けるんじゃないかなと思います。

 

 

──子供たちも任せていましたからね。

瀬戸:猫猫は意外と情に弱いところがあるから、最後は絶対に責任をもって頼まれたことを全うしてくれるんです。子翠はそこを見抜いたうえで任せたのかもしれませんね。

──ここまで、演技についてディレクションなどはありましたか?

瀬戸:実は楼蘭になってからほとんどディレクションがありませんでした。私としては第44話から楼蘭の立ち回りが始まるということで、色々と準備しつつ、現場でのディレクションに柔軟に対応していこう!という気持ちだったんですけど、なにも言われなくて逆に不安になりました(笑)。

長沼総監督いわく、今回のキャスティングは、子翠というよりも楼蘭ができる人を探していたらしいんです。だから最後のシーンに向かってきちんと差をつけていくために、第2期での子翠の登場シーンでは、テンションをもっともっと上げて!とディレクションいただいたりもしていました。そこでしっかりとキャラクターを作っていったので、最後の楼蘭の演技については任せてくださったんです。私としてはなにも言われなくて驚きつつも、大立ち回りは猫猫や壬氏との会話の流れを大事に調整しました。

──大立ち回りにあたって、具体的にどんな準備を?

瀬戸:楼蘭の発言はすべて芝居なので、そこに突発的な感情はないんですよね。だから全部準備してから演じるのが正解かなと思いました。ただアフレコって一緒に録る人がいると掛け合いの中でなにかを言いたくなるんですよね。楼蘭はなにを言われても変わらない人なので、現場ではあまり影響を受けないように注意しました。

 

 

──神美との掛け合いは(神美役)深見梨加さんの演技に負けないように?

瀬戸:そうですね、私の課題は神美の覇気に負けないことでした。でも第47話はたまたま深見さんとは別録りだったんですよね。絶対に影響されてしまうと思っていたので正直ホッとしました(笑)。

 

最後の大立ち回りに「めっちゃ喋るやん」

──そして第47話、楼蘭の最後の大立ち回りが描かれました。

瀬戸:コミカライズ版で読んだ時は「めっちゃ喋るやん」って驚きました! しかも、あの量の言葉をなにも見ないで言えてしまう楼蘭はすごいなと思いました(笑)。

──そこですか(笑)。

瀬戸:役が決まっている作品を読んでいる時って、どうやろうかと考えちゃうんですよね。中々ページが進まなかったり、戻して読んだりしちゃって。今回のシーンもセリフ量がすごかったので、どこが使われて、どこがカットされるんだろうとか考えました。

──読んでいて、演技プランはどのように考えましたか?

瀬戸:最後に笑うところはどうしようか悩みました。なぜ楼蘭はあそこで笑ったのか、それはすべてをやり切った達成感からなのか、それとも外が寒すぎて笑ってしまったという可能性もありますね。

 

 

──寒すぎて?

瀬戸:目の前のことに集中していたから、急に外に出て、研ぎ澄ましていた感覚がブレて笑っちゃったんじゃないかなって。あの笑いは演技には見えなかったんですよね。

そもそも笑いって変幻自在なんですよ。面白い時はもちろん、力が抜けた時だったり、逆に悲しいときに笑っちゃう人だっています。だから自分なりに笑いについて考えて演じたところでもありますね。

──最後に壬氏との会話もありました。

瀬戸:ここに至るまで、壬氏さまも様々な真実に気付き始めたからこそ、楼蘭をただの悪人として責めてはいないんですよね。だからあのやり取りもヒーローと悪のぶつかり合いとかではなく、互いに正義があって、壬氏もそれをわかっているから願いを受け入れたんだと思います。

──最後にここまでの物語を見届けた方々へメッセージをお願いします。

瀬戸:本当に衝撃的な第47話でした。みなさんも心が動かされたかと思いますが、猫猫から渡されたものが希望に繋がっていたりもするので、ラストの第48話も楽しみにしていてほしいです。

 
【インタビュー・MoA】

 

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