わたしたち芸妓の夏の挑戦!8月開催「すすきの祭り・花魁道中」に参加 |さっぽろ芸妓日記vol.11
札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
毎年6月15、16日の二日間は北海道神宮例大祭(通称「札幌まつり」)で山車が出ます。その山車に乗って踊らせていただくのが芸者衆の昔からの大仕事。今年も皆さまの応援のもと、無事に二日間を終えることができました。
この札幌祭りは「初夏の訪れを告げる」と言われているのですが、ここからだんだんと芸者衆の装いも夏に向かって変わっていきます。
芸妓の夏支度事情とは
まずはお稽古着。いつもは着物を着て、お稽古をしますが、夏の間は、浴衣を着てお稽古をするようになります。毎日着ることになるので、みなさん、多くの数を持っています。個人的には白地や紺地に古典柄、というシンプルなデザインを好んで着用しています!
次に、お座敷の着物。単衣から絽(ろ)に変わります。パッと見た感じは一緒ですが、生地が薄く、透け感があります。帯や小物類なども全て夏物に衣替えするのですが、着ている枚数は冬の時と変わらないので、見た目は涼しくても本人は汗だく...なんてこともしばしば。(笑)
こちらの白い簪(かんざし)は夏限定です。是非注目してみてください!
今年の札幌もなんだか暑くなりそうですね...。
私たちも、暑さ対策に気を付けながら、元気にこの夏を乗り切りたいと思います!
8月に開催する第60回「すすきの祭り」に出演します!
私たちは8月1日(木)と、2日(金)に出演します。
1日(木)の「花魁道中」は、すすきの祭りの中でも、歴史ある人気のイベント。例年はすすきので働いている女性から公募で選ばれます。
ことしは第60回記念ということで、特別に私たち芸者衆が出演することになりました。花魁役だけでなく、新造役や女将役にも、芸者衆が出演しますよ!
2日(金)の「名妓連ステージ」は、去年から出演させていただいており、ことしはみんなでお揃いの浴衣で踊らせていただきます!餅まきもする予定です◎
こちらは浴衣で、花魁道中のお稽古をしているようすです。
先日、初めて、歩き方のお稽古をしたのですが、いまだに筋肉痛が取れません…
こちらが、衣装合わせのようす。お着物が重すぎて、ついつい“虚無顔”になっております。(笑)当日は、体力との勝負です。頑張ります…!
沢山の方に関わっていただいて、本番を迎えますので、是非お稽古の成果を観にいらしていただけたら嬉しいです。
***
連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。