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石狩市と石狩郡当別町を結ぶ北海道道527号（望来当別線）の人里離れた山奥に、ラムやホルモンが美味しいと評判の焼肉店があります。あたりには商店はおろか民家もありません。ぽつんと建つ焼肉屋「焼肉亭おおむら」を訪れました。

養豚場から地域の集いの場へ「焼肉亭おおむら」

「焼肉亭おおむら」は、当別町役場から約14km、石狩市役所厚田支所から約17kmの山道にあります。看板を見るたびに、「なぜ、こんな場所に焼肉屋があるのだろう？」「お客さんはキツネやタヌキなのだろうか」と、不思議に思っていました。

「初めて来店されるお客さんは、口をそろえてそう言うんですよ」

明るく迎えてくれた2代目店主の岩谷真由美さんは笑います。岩谷さんのご両親は、たくさんの野生動物がすむこの場所で養豚業を営んでいました。「焼肉亭おおむら」は、お父様が地域の集いの場を作ることを目的に、2006年に養豚場（現在は廃業）の敷地内にオープン。現在はお母様と二人で店を切り盛りしています。

オープンにあたり「こんな場所で商売になるの？」と、さまざまな人に心配されたそうですが、お二人の気さくな人柄が人を引き寄せ、地元の社交場や会合の場として利用されています。取材に伺った日も常連のお客さんがカラオケを楽しんでいました。

人気メニューはラムorホルモンのランチ

メニューにはお客さんのリクエストを積極的に取り入れているそうです。石狩市が誇るブランド豚『望来豚』のバラ肉やキムチ、ランチメニューもお客さんの要望で誕生しました。

そのなかから、創業以来不動の人気を誇るラムとホルモンをいただきます。

ランチメニューはラムかホルモンから選ぶことができ、ライス、味噌汁、ウーロン茶、漬物が付きます。お米は岩谷さんのお兄さんが作った『ゆめぴりか』を使用。精米したての美味しさを何度でもおかわりすることができます。また、お米は店内でも販売しています。

生ラムは柔らかく食べごたえ十分。高タンパクで低カロリー、赤身と油のバランスもよく、いくらでもご飯が進みます。

ホルモンも臭みがなく、プリッとした食感がたまりません。

肉の旨味を最大限に引き出す自家製タレは、甘すぎず酸味があり、一度口にすれば誰もが絶賛する美味しさ。お母様の味を引き継いでおり、材料はもちろん調合に美味しさの秘密が隠されているそうです。

札幌市内から約1時間。焼肉ドライブを楽しもう！

過疎化によって地方の飲食店は苦戦を強いられています。「かつての常連さんも姿を見せなくなった」と岩谷さん。それを補ってくれたのが、札幌などからのお客さんです。このあたりの飲食店では珍しく通年営業しており、冬はスノーモービル愛好家も訪れています。

最近ではインターネットなどで情報を得て来店するお客さんも増えています。SNSなどによる積極的な情報発信は行っていませんが、ふらりと訪れたYouTuberが動画を撮ってくれたり、若い女性がLIVE配信をしたりすることもあるのだそう。

「街に美味しい焼肉屋さんはたくさんあるのに、わざわざ遠方から足を運んでくれることに感謝しています」と岩谷さんは言います。

「焼肉亭おおむら」まで札幌から車で約1時間。人里離れた場所にある焼肉店を目指してドライブに出かけてみませんか。

＜店舗情報＞
■焼肉亭おおむら
■住所：北海道石狩市厚田区望来484-81
■電話番号：0133-77-2371
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