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いま私たちの食卓に冷蔵・冷凍食品は欠かせないと思いますが、そうした食品を、スーパーなどのお店に運ぶまでの間、保管・管理する役割を担う「冷蔵倉庫」というものが全国各地にあります。冷蔵倉庫とは、例えば、海外から運ばれてきた食品は直接スーパーに運ばれるわけではなく、いったん冷蔵倉庫で保管されます。そこからドライバーがスーパーなどの店舗に運ぶという流れになっています。その冷蔵倉庫が今年「物流の２０２４年問題」を控えて様々な問題を懸念しているというお話です。

「冷蔵倉庫」の役割

まずは、冷蔵倉庫の役割について日本冷蔵倉庫協会　土屋知省理事長のお話です。

日本冷蔵倉庫協会　土屋知省理事長

ものが作られた後、みなさんの消費者のもとに届くまでには時間もかかりますし、場合によってはものが生産されるタイミング、 例えば鮭の切り身などみなさん食べられると思うんですけど、最近ではチリのフィヨルドで養殖されたものが １０月とか１１月ごろ輸入されてくるんですが、そういう季節性の生産物っていうのもありますし、 アイスクリーム、みなさん夏に食べること多いと思いますけれども、そういう作られてから消費されるまでの間のいわば時間調整、単なる時間調整じゃなくて、鮮度とか美味しさを保ったまま、保管しておくというような機能、それが役割になります。

野菜、魚、畜産物…国内や海外から送られてくる多くの冷蔵・冷凍食品が「冷蔵倉庫」からスーパー、そして各家庭に届いているので、いわば中間管理施設。実は、冷蔵倉庫は私たちに身近なものなんです。東京にもたくさんあります。「冷蔵倉庫」自体は全国で合わせておよそ３３００万立方メートルあって、これは小学校のプールのおよそ１０万個分です。

冷蔵倉庫の周りに待機するトラック　背景に消費者のある行動！？

その冷蔵倉庫からお店に食品を運ぶ役割を担うのは、トラックの運転手ですが、実はこの冷蔵倉庫がトラック運転手のさまざまな問題に関わってくるんです。その一つが、冷蔵倉庫の周りに、トラックが並んで待機していて、すごく混んでしまっているという問題です。
荷物を積む作業に時間がかかってしまっているんですが、その背景には、何があるのか、
大阪に本社がある株式会社フリゴ　西願廣行会長に伺いました。

株式会社フリゴ　西願廣行会長

原因は何かというと消費者なんです。消費者が日付見て買うでしょ？できるだけ新しいもの買って棚の奥からとるでしょ。それされると、日付の管理をきちっとしないといけない。賞味期限が十分あっても新しいものしか売れないっていうことが起きる訳です。日付逆転が許されない。より日付が新しいものを必要な時に届けるってなると、誰がその管理をしているかということになるわけです。

それが結構影響してしまっていて、冷蔵倉庫の立場から言えば、例えば賞味期限２月１日のものをお店に持っていった後に、まだ期限に余裕がある１月３１日のものを持っていこうとしても、それはお店側に受け取ってもらえないんです。賞味期限が２月1日以降のものだけを持っていくという余計な手間がかかるんです。
消費者が日付の後の方、賞味期限が長いものからとるので、うまく並べられないという問題があってお店から返されてしまうと。だから、日付の管理がとても大事で、その作業にすごく時間がかかってしまっているんです。

私たちの何気ない消費者行動が、倉庫内の作業を増やして、さらに物流にも影響を及ぼしているということなんです。お店では手前どりする、冷凍食品は特に長持ちするのでまとめ買いするなどできることから心がけていきたいですよね。

パッケージに傷で返送！？

そして、このほかにもスムーズな運送をさまたげる困りごとがあります。

それは消費者ではなく、お店とのやりとりの話です。
再び株式会社フリゴ　西願廣行会長のお話です。

株式会社フリゴ　西願廣行会長

ちょっとしたダメージね、ケースにダメージがあると、返品されるんですよ。中身が大丈夫でも、これも大きな問題なんです。量販店とかそういう傷があると返すんです それが持ち戻りって言って、戻ってくるでしょ、それも運賃余計にかかる、手間かかるでしょ 。それからダメになって捨てる、ロスに繋がってるんです。

たとえ食品自体に問題がなくても、パッケージに少し傷があるだけでお店側が返品してしまう問題も実は背景の１つにあります。それで、ドライバーや冷蔵倉庫の負担がさらに増えている。中身が大丈夫なら返品しなくてもＯＫにならないものか・・・。
今年４月から、トラック運転手の、時間外労働に上限を設けるいわゆる「物流の２０２４年問題」もありますので、こういう小さいことが影響してしまうんです。物流の問題、大きな問題ですが、私たちにもできることをしていきたいですね。