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愛知と岐阜の町長は辞職願 静岡市は幹部を処分 社会人の3人に2人がパワハラ経験

Shizuoka

写真はイメージ

■静岡市の50代男性幹部 パワハラで減給処分

町のトップによるパワハラやセクハラが相次いでいる。愛知県東郷町と岐阜県池田町の町長がハラスメントを認定され、辞職願を提出した。静岡市では先月、幹部職員のパワハラを認めて減給の懲戒処分にした。民間会社の調査によると、パワハラを受けた経験がある人の割合は65.5%に上っている。

静岡県職員の給与水準は3年連続で全国トップ

愛知県東郷町の井俣憲治町長は25日、辞職願を町議会議長に提出したと明らかにした。町の第三者委員会の調査で、職員に対して「死ね」と発言するなどパワハラが明らかになった。

岐阜県池田町の岡崎和夫町長も、議長に辞職願を提出した。複数の女性職員に対して体を触るなどのセクハラが認定された。

静岡市では先月、50代の男性幹部職員が部下にパワハラをしていたとして、減給10分の1、1か月間の懲戒処分を決めた。人前で長時間にわたって叱責したり、能力を否定したりしていたという。

■社会人の65.5%がパワハラ経験 心理的な被害が大半

社会的に被害を訴えやすくなった背景もあり、パワハラの件数は増加傾向にある。静岡市にも支社を置く総合転職エージェント・ワークポートの調査によると、社会人の65.5%がパワハラを経験している。

具体的な被害の内容は「暴言・侮辱などの言葉の攻撃」が最も多く、78.5%に上った。回答は複数選択式で、「能力の過小評価・成果を認めない」の44.3%、「過剰・過酷な業務の強制」の37.2%が続いた。暴行や傷害といった身体的な攻撃は4.8%で、心理的に追い込む陰湿なパワハラが大半を占めた。

パワハラを受けた時の対応では、半数近い46.4%が「誰にも相談せず我慢」を選んでいる。相談相手は「上司」が最も多く31.9%、「家族・友人」が27.5%、「同僚」は27.0%だった。「部署の相談窓口」は14.1%、「公的機関」は6.9%、「内部告発」は6.0%にとどまっている。

パワハラ被害者の一定数は周囲に助けを求めている。しかし、最終的に「解決した」と回答した割合は12%に過ぎない。解決に至らなかった主な理由は以下の通りで、パワハラの被害が減らない課題が浮き彫りになっている。

・本人がやっていないと言い張ったため(30代女性・事務)

・パワハラは性格の問題で悪意はないと言われた(30代女性。カスタマーサポート)

・社長がパワハラをした人物を重用していた(30代男性・営業)

・加害者に誰も歯向かえなかった(40代女性・管理系)

・担当部署が詳細を聞かずに放置した(40代男性・公務員)

■深刻さの認識不十分 勤務先でパワハラ対策44.3%

回答者の勤務先でパワハラ対策をしている割合は44.3%と半数に満たなかった。防止策としては、「相談窓口の設置」が最多の84.3%。次いで、「社内研修」が59.0%、「定期的な社内アンケート」が35.8%だった。

今回の調査は3月13日から21日にかけ、ワークポートを利用する社会人(20代~40代の男女)を対象に実施した。調査方法はインターネットで、661人から有効回答を得た。

(SHIZUOKA Life編集部)

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