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【あがきたの魅力見つけ隊コラム・日本料理 花泉 料理長 梶山裕史さん】新潟ガストロノミーアワード受賞。日本料理の若き表現者に会いに行く|阿賀野市

日刊にいがたWEBタウン情報

 

あがきた地域には、海、山、川の豊かな自然と、ほっとくつろげる温泉、家族連れにぴったりのスキー場や思いっきり遊べる公園など、魅力的で立ち寄ってみたくなるスポットがたくさんあります。

でも、それだけではありません。これらの素材を引き出す「ヒト」。
地域で活躍する「ヒト」のお話から、この地域のよさ・素晴らしさをお伝えします。

お話を聞いた人

日本料理 花泉(はないずみ)
料理長 梶山裕史さん

【プロフィール】
1984年、阿賀野市(旧水原町)生まれ。
新発田中央高校を卒業後に上京。
辻調理師専門学校で1年間学んだのち、都内の日本料理店やホテルで経験を重ねる。
20代後半で地元に戻り、家業であり創業100年を超える老舗料亭・日本料理 花泉の料理長となる。
2024年、地域の風土や歴史を食で表現するローカル・ガストロノミーの理念を体現する飲食店などが表彰される「新潟ガストロノミーアワード」若手シェフ部門にて、特別優秀賞を受賞。

ガストロノミー応募のきっかけは同世代の料理人

―日本料理 花泉はどんなお店ですか?

創業からおよそ110年続く仕出し割烹です。詳しい資料が残っておらずはっきりしない部分もあるのですが、私は一応6代目で、先代の父親と一緒に働いています。
宴席や法事のお料理、お弁当などを作ることが多いですね。

旬の味覚を楽しめる花泉のお弁当。お造り、酢の物、炊き合わせ、焼き物、揚げ物などが美しく盛り付けられている
地元産のミツバを使った土佐酢のジュレ。細やかな手仕事が光る

―「新潟ガストロノミーアワード」に応募したきっかけは?

燕市にある日本料理 魚幸の料理長の渡邉さんとは同世代なのですが、「ぜひ参加してみて」とお声がけをいただきました。
私はそういった情報に疎いもので、助言をいただけてすごく感謝しています。
受賞は大変うれしく、身が引き締まる思いです。
ただ、そこにあまりとらわれすぎないようにしたいとも思っています。

梶山さんの言葉ひとつひとつに実直な人柄を感じる

―食材選びや調理ではどんなことを意識していますか?

できる限り地元産の食材を使いたいと思っています。
阿賀野市には海がないので、お魚はどうしても地元には頼れませんが、それでも県内産を使うようにしています。
お米やお野菜は地元に素晴らしいものがたくさんありますね。
在来野菜の「笹神なす」は、身がぎっしり詰まってとてもおいしいです。
お店ではシンプルに揚げ物でお出ししています。
生産者の方が減少するなか、5〜6人の農家さんが一生懸命守っているそうです。
お肉は地元ブランドの「あがの姫牛」や、冬には地元の猟師さんから分けていただく鴨も使っています。

その見た目から地元では「白なす」とも呼ばれる在来野菜の「笹神なす」

調理に関しては、26歳頃に東京から阿賀野市に戻り、東京で喜ばれていた新しい感覚の日本料理を提供しても、こちらのお客様の反応は少し違うなという肌感でした。
そこで父親が作る新潟らしい料理を見て技術を盗んだり、新潟のお店を食べ歩いたりして、これはいいなと思う部分を自分の料理に落とし込むようにして今に至っています。

伝統を取り入れながら今の時代に合った日本料理を追求する

―新潟らしい食の特徴とは、どんなところでしょうか?

それぞれの地域色が強いところでしょうか。
何度か勉強のためにお伺いした村上市の割烹 新多久さんは、何から何まで村上の食材で完結させていて、市外や県外、そして海外からもお客様が足を運ぶ価値があると思わせる料理に出合わせてくれます。
そこでしか味わえないものを提供しているお店を見ると、同じ料理人として刺激をもらえますね。

純粋に料理を楽しむ新店舗オープンへ

―これからの展望を聞かせてください。

2025年の秋頃に、敷地内に新しいお店を作る計画を進めています。
花泉は宴席や法事の料理が中心ですが、新しい店舗は名前も変えて、純粋にお食事を楽しんでいただくコース料理のお店にしたいと考えています。
カウンター席をメインにして、目の前で調理風景をご覧いただけたらと思っています。

こちらは花泉のお座敷。新店舗オープン後も花泉は続けていくとのこと

―新たに魅力あるスポットが阿賀野市に誕生するのが楽しみです。

私が頑張ることで少しでも阿賀野市に人が来てくれたらうれしいです。
それによって地域の活性化に繋がれば何よりです。

生まれ育った阿賀野市への思いを語る梶山さん

―地元を大切に思っているのですね。

20代の若い頃は東京が楽しかったのですが、こちらで結婚して子どもが生まれてから「阿賀野市っていいな」と思うことが増えました。
自然が多く、立地的にも案外便利だと思います。
自分が子どもの頃にはたくさんあった行事がどんどん減ってしまっているので、地域が元気になってそういったイベントが復活したら楽しいですね。

自然豊かで暮らしやすい阿賀野市でこれからも

―お休みの日はどんなふうに過ごしていますか?

日帰り温泉が好きで、よく行くのは今板温泉 湯本舘さんです。
お風呂はもちろん、お食事もおいしいですし、子どもの100日のお祝いもさせてもらいました。
若女将が同い年ということもあり、家族ぐるみで仲良くさせていただいています。
春には裏山のタケノコを掘らせてもらったり、山椒の実を採らせてもらったりもしています。

全国でも珍しいラジウム温泉。健康・美肌づくりにおすすめ
明るい人柄で旅館を盛り立てる若女将の永松祥子さん
庭の緑を見ながらゆったりくつろげる客室

仕事柄、食べ歩きにもよく行きますね。
おすすめは新発田市の食堂カフェ はるとなつさん。
松花堂弁当が絶品で、今や予約必須の人気店です。
お店を営んでいるご夫婦の人柄もとてもすてきなんです。

食堂カフェ はるとなつの松花堂弁当
ラーメンも密かな人気メニュー
新発田の市街地から少し離れたところにある人気店

阿賀野市では旦飯野(あさいいの)神社さんも好きな場所です。
休日にドライブがてらお参りに行くことがあり、とても気持ちが落ち着きます。
うちでも何かあると祝詞をあげてもらったり、ご祈祷していただいたりしています。

市外から足を運ぶ人も多いパワースポットの旦飯野神社

―阿賀野市の魅力を改めてお聞かせください。

自然が豊かで食材に恵まれていることは、料理人としてありがたいと思います。
また、自分のように家業を継いだ人、新しくお店を始めた人など地元で頑張る同世代が多いことも励みになります。
そんな阿賀野市に、ぜひたくさんの人に足を運んでほしいですね。
温泉に入って、食事をして、お菓子屋さんや雑貨屋さんなどでお土産を見つけて、景色も楽しんでいただいて。
そんなふうにゆったりと過ごしてもらえたらうれしいですね。

日本料理 花泉

住所
阿賀野市中央町2-17-32
電話番号
0250-62-2126
リンク
https://www.instagram.com/hanaizumi.agano

備考
営業は予約制になります。事前にお電話を

五頭今板温泉 湯本舘

住所
阿賀野市今板795-2
電話番号
0250-66-2321
リンク
https://www.gozu-yumotokan.com

食堂カフェ はるとなつ

住所
新発田市太斎479
電話番号
0254-28-8705
リンク
https://www.instagram.com/shokudoucafe_harutonatsu
https://www.instagram.com/harunatsu479/

旦飯野神社

住所
阿賀野市宮下968
電話番号
0250-62-4755
リンク
https://asaiino-jinja.or.jp

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