無添加ラーメンはみんなの味方! 香り立つ醤油の中華そば&魚介エキスたっぷりの煮干そば【おっさん食堂】富山県砺波のラーメン店
富山県砺波市に2023年オープンした「おっさん食堂」。
インパクトのある店名に、思わずおじさん店主によるおじさんのための定食屋のような店をイメージしますが…
飾り気がないながらも洗練された店構え。
40代の店主が作る中華そばが自慢のラーメン店です。
店があるのは、北陸自動車道 砺波ICから車で数分、大型ショッピングセンターや飲食店が多く集まる砺波市太郎丸です。
清楚な白い暖簾をくぐって店内に入ると、すぐに券売機があります。
初めて訪れた店が券売機だと、メニューを選ぶのに焦ってしまいがちですが、選択の大きなポイントは2つ。
まずは、ラーメンの種類で、「中華そば」か「煮干そば」の2択。
続いて、トッピングを全部楽しめる「特製」にするかどうか。
「特製」にすると、煮豚とレアチャーシュー、焼き豚の3種類のチャーシューにのりや煮玉子、メンマがついてきます。チャーシューはすべて自家製です。
4種の煮干しを使った濃厚スープの「煮干そば」
女性客にも人気なのが、チャーシュー3種がトッピングされた「特製煮干そば」。
スープは、富山県氷見産の煮干しなど、合わせて4種類の国産煮干しを丁寧に煮出して作っています。
「エグみと香りのバランスは、火加減や時間によって変わってくるので、煮出すときは目が離せないですね」
こう話すのは、店主の不破享路さん。
「スープに使う煮干しを見てると、たくさんの命から1杯のラーメンができているんだなと改めて思います。心の底から“いただきます”という想いですね」(不破さん)
大量の煮干しから丁寧にとったスープは、口に含んだ瞬間に魚介の香りがぶわーっと鼻から抜けていきます。スープには少しとろみがあり、深くて濃厚なコクを楽しむことができます。
麺は、特注の細ストレート麺。加水率を低めにし、煮干しの旨みたっぷりのとろっとしたスープがしっかりと絡むように計算されています。
食感は「パッツン」という感覚をイメージしたそう。
歯ごたえがあり、切れのいい細さで、すすったときの気持ちもいい麺です。
3種の自家製チャーシューは、舌触りも味わいもさまざま。
なかでもラーメン店では珍しい「焼豚」は、豚の肩ロースを専用釜で吊るし焼きしたもので、香ばしさが際立っています。しっかりとした噛みごたえで、噛むほどにうま味を感じることができます。
「煮干しのエグみをあえて出したスープとか、アジの煮干を使ったスープとかも作ってみたいんですよね」(不破さん)
煮干そばはまだまだ進化中なんだそうで、今後の味の変化にも注目したいところです。
無添加で醤油の香りを味わう「中華そば」
こちらがもうひとつの看板メニュー、中華そば。
鶏ガラと昆布、カツオ、チャーシューの煮汁などでとったスープは透明感があり、深みのある味わいです。
味の決め手となる醤油は、隣の小矢部市で1929年から100年近くにわたって醤油や味噌を作り続けている畑醸造から仕入れた醤油。富山県産の大豆や小麦を使い、昔ながらの製法で手仕込みしているのが特徴です。
高級な寿司店や蕎麦店にも卸しているという高級な醤油を、その香りが最大限に味わえるようにカエシとして使用しています。
「ラーメンを毎日食べてもの体に負担がかからないよう、無添加にもこだわっています」(不破さん)
スープと麺、その素材の味をシンプルに堪能できる中華そば。さっぱりとスープを飲み干せる1杯です。
「おっさん食堂」の名前に込められた想いとは…
気になる店名の由来についてうかがうと…
「自分のような“おっさん”の応援団でありたいという想いがあったんです。それと、いつか“こども食堂”をやりたいと思っていて、それを掛け合わせました」(不破さん)
ゆくゆくは、子供たちが喜ぶ料理を安価で提供する「こども食堂」を運営したいと考えている不破さん。農家で廃棄される未利用野菜などを利用し、食品ロスの軽減にもつなげたいと意気込みます。
「地域の活動にも積極的に参加して、それが地域貢献につながればいいなという気持ちがあります。もともとはラーメン屋に長く勤めていたんですが、会社勤めだとなかなか自由がきかなくて。それで独立しました」(不破さん)
ラーメンを通じておじさんたちの体をいたわり、子供たちの成長や地域の発展を夢見る「おっさん食堂」、食べることでこちらも一緒に応援したくなりますね。
店舗情報
【中華そば おっさん食堂】
住 所 富山県砺波市太郎丸1-9-24
営 業 11:00~14:00 17:30~20:00
定休日 水曜
駐車場 あり
記事編集:nan-nan編集部