おうちで簡単・絶品とんかつレシピ
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
ゲストは、料理研究家の浜内千波さん!
初日ということで、王道のとんかつレシピ、浜内さんに教えていただきます。とんかつ、家で作るとなると、下ごしらえや油の処理など、ハードルが高い点が多いですが、いい方法あるのでしょうか?
とんかつ成功の鍵は「下ごしらえ」にあり!
まずは、下ごしらえをしっかりしましょう。おいしいトンカツになるかどうかの分岐点です。
小麦粉は必ず薄くしっかりつける。…旨みや水分を閉じ込めてジューシーに衣をつける意味合いをしっかり考えましょう。素揚げではなく、衣や油のおいしさをプラスしながらいただきましょう。旨みを閉じ込めたり、食感を楽しんだりするために衣があるんですね。
塩こしょうをいい加減にしないことも大事です。塩分は豚肉1%。…肉の旨みを引き出すための塩加減ですね。
少ない卵液、卵1個分でも2、3枚分として使えます。小麦粉+水分+卵あるいは業務用は卵を入れないことの方が多いです。卵液に粉チーズをいれておくこともおすすめ。熟成のため旨みのイノシン酸と粉チーズのグルタミンさんのコラボによりおいしくなる
パン粉選びも重要!「ドライ」と「生」の使い分け
シチュエーションによって、生パン粉、ドライパン粉の使い分けをしましょう。
そもそも、パン粉の持っている水分と油が交換をするうちに中に火が入って“揚がる”という状態になります。
生パン粉は揚げる際はたくさんの油が必要です。
水分が多いため、よりジューシーに感じるが、時間がたつと中の水分が出てきてべちゃっとなってします。
揚げてすぐ食べるなら、生パン粉のほうがおすすめ。
ドライパン粉は水分を持っていないため、中の水分が出やすくなるため少しパサつくが、時間がたってもペチャっとなりにくい。
ちなみに、コロッケの場合はドライパン粉でほくっと。時間経過してもサクサクになる
ただおうちだと、油たくさん使いたくないなら、ドライパン粉で少ない油で。時間がたってもカリっとしているのがドライ。お弁当ならドライ、油たっぷりでもOKなら、生パン粉。
上手に揚げるコツと「ベチャベチャ」にならない方法
とんかつがベチャベチャになる原因について、浜内さんは3つの理由を挙げています
1. 揚げる温度が低い
2. 長く揚げすぎている
3. 油切りが不十分
特に油切りについては「横に置くのではなく立てておいて、油切れを早くしてあげる」ことが大切だと強調。「フライ物は熱しやすくて冷めやすいので、重ねておくのは最悪」とのこと。
衣は薄く!油っぽくなく作れる!ロースとんかつ
衣がとにかく薄い!失敗せずに、油っぽくなく軽く仕上げることができます。
材料(2人分)
豚ロース肉(とんかつ用) 2枚(250~300g)
塩 1%(2.5g~3g)小さじ1/2弱~
胡椒 少々
小麦粉 大さじ1
卵 1個
粉チーズ 小さじ1
パン粉(細かめ) ~1カップ ※今回はドライパン粉
油 大さじ4
作り方
卵は溶き、粉チーズを混ぜておく。
豚肉は筋切りをして塩、胡椒をし、小麦粉をまんべんなくまぶす。
卵液をつけ、パン粉をしっかりとつける。
フライパンに油を入れ、中火で温めはじめたら豚肉を入れ、こんがりとするまで焼き揚げし、返してさらに火を通す。一段と音がぱちぱちと激しくなってきたら火の通りの目安。取り出して、立てるように油をきったら完成。
スー小笠原:衣が甘い。肉が甘い。何もつけなくてこんなに美味しい。
浜内:塩は下味だけど、ソースをかけていただいても同じ。塩は1%に覚えておくと、ソース自体が甘いから大丈夫。
Q:衣をつけるための、小麦粉、パン粉、卵液があまってしまうのがもったいないと感じるのですが、どうすればよいでしょうか?
余った小麦粉、パン粉は冷凍すれば、また使えます。
余ったパン粉と卵は、味噌汁やスープに入れて具にしましょう!
筋切りのポイント
浜内さんが教えてくれた筋切りのコツは「ロースの脂身と赤身の境目にある筋を、包丁の刃先を立てて切る。油身を下にして、切るようにすると、全部開いて、両面にやるとよい」この筋切りをしっかり行うことで、食べやすく仕上がるそうです。
浜内さんは徳島県出身。
1980年から料理教室「ファミリークッキングスクール」を主宰。
いかに家庭で手軽に美味しい料理を作れるかを、40年以上 伝え続けている、まさに“家庭料理のプロ”!
「生活は踊る」月曜日の月1レギュラーで、おもに旬の食材を使った簡単料理や季節のレシピを教えていただいています。
材料や調味料が少ないのにしっかり味が決まるのが浜内流。これからご紹介するレシピ、ぜひ今夜試してみてください。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)