【ぽぷりか監督「数分間のエールを」】 輪郭線ほぼなし。光と影をリリカルに
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、6月14日から静岡市のシネシティザートで上映中のぽぷりか監督「数分間のエールを」。ぽぷりかさん、おはじきさん、まごつきさんの制作チーム「Hurray」が映像をほぼ全て担当。脚本は沼津市が舞台の「ラブライブ!サンシャイン‼」などを手がけた花田十輝さん。藤枝市の藤枝シネ・プレーゴでは6月28日、浜松市中央区のシネマイーラでは7月26日に公開。
ミュージックビデオ(MV)制作に没頭する高校生朝屋彼方が、ストリートライブで心打たれた女性シンガー・ソングライターのMVを完成させるまで。蒼く、熱く、時に自信を喪失しながらも前に出る速度はMAX。そんな青春の輝き、煌めきを巧みに物語化している。輪郭線がほとんどない画面は、ラトビアのアニメ映画「Away」(2019)を想起。光と影を緻密かつリリカルに描いていて感動。カーテン越しの夏の日差しが美しい。(は)