京都・2025年の紅葉ライトアップ情報! 5年ぶりの青蓮院や、雲海に浮かぶ仁和寺の五重の塔へ
朝夕はめっきり冷え込むことも多くなったこの頃。秋の夜観光の楽しみといえば、やはりライトアップです。しかも、今年の京都の夜は話題がいっぱい。
修復を終え、5年ぶりにライトアップを再開した「青蓮院」をはじめ、雲海から国宝建築が浮かびあがる「仁和寺」、プロジェクションマッピングを駆使した「元離宮二条城」、そして京紅葉のツートップ「東福寺」と「永観堂」。
編集部が自信をもっておすすめする、プレミアムな5大ライトアップで、秋の夜長を楽しみましょう。
【青蓮院門跡】青い光に包まれる、格式高い門跡寺院
宸殿前の庭は青い光で埋め尽くされる
比叡山延暦寺の住坊がはじまりという歴史ある天台宗の寺院。皇族や五摂家の子弟が住職を務めた格式の高いお寺です。
この秋、本堂の修復が終了し、5年ぶりにライトアップが再開されます。光そのものである本尊の熾盛光如来(しじょうこうにょらい)と、その化身の不動明王にちなみ、青い光で包み込まれた境内は幽玄の極みです。
龍心池もライトアップされ、庭園を散策できる
宸殿前だけでなく庭園もライトアップ。小堀遠州の作とされる「霧島の庭」、龍心池を中心とする「相阿弥の庭」、その背後には竹林が見え隠れします。
もちろん、堂内の拝観もできるので、うまくスケジュールをたてると充実した旅の1日が過ごせそうですね。
■青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)
2025年11月7日~12月7日
電話/075-561-2345
住所/京都市東山区粟田口三条坊町69-1
アクセス/地下鉄東山駅から徒歩5分
時間/18:00~22:00(受付終了21:30)
閉門日/無休
拝観料/1000円
駐車場/あり
【仁和寺】御室の紅葉に導かれ、雲海に浮かぶ 壮麗な国宝の金堂
雲海がただよう神秘的なライトアップは仁和寺ならでは(画像:仁和寺提供)
平安時代、宇多天皇が888(仁和4)年に創建した、真言宗御室派の総本山。京都に17ある世界文化遺産のひとつに登録されており、遅咲きの御室桜が知られていますが、実は紅葉もなかなかのもの。
広大な境内では、二王門、中門、五重塔、金堂付近がライトアップされます。なかでも30mを超える五重塔は迫力満点です。
御所から移築された国宝の金堂は、雲に浮かぶ宮殿のよう(画像:仁和寺提供)
仁和寺の長い歴史のなかでは、戦乱で伽藍を焼失した時期もありました。再建の際に、いくつかの建物は御所から移築したそうです。そのひとつが金堂。広大な境内のなかでも、優美な建築と、それを彩る美しい紅葉が見られます。
さらに、紅葉雲海ライトアップと同時に、観音堂の夜間特別拝観も開催。こちらは千手観音菩薩を中心に数々の仏様が祀られており、仏像好きにはおすすめの内容。ぜひ訪れてみましょう。
■仁和寺(にんなじ)
2025年10月24日~12月14日の金~日曜、祝日
※拝観休止日は公式ホームページを確認
電話/075-461-1155
住所/京都市右京区御室大内33
アクセス/嵐電御室仁和寺駅から徒歩2分
時間/18:30~20:30(閉門は21:00)
拝観料/ライトアップのみ2800円、観音堂夜間特別拝観との共通券3300円
駐車場/あり(30分300円)
【元離宮二条城】観月をテーマに、伝統とデジタルアートが融合
二の丸御殿の外壁にプロジェクションマッピングが映し出される(画像:NAKED meets 二条城 運営事務局提供)
江戸時代のはじめに徳川家康が、京都での宿所と御所の警護を目的に築いた二条城。世界文化遺産に登録されています。
ライトアップイベント「NAKED meets 二条城 2025 観月」のテーマは観月。たとえば、二の丸御殿大広間前の外壁には、江戸時代に二条城で生活をしていた人々が観月会の支度をする、月待ちの光景がプロジェクションマッピングで映し出され、最後には月灯かりの下、光の障壁画が描かれます。
特別名勝の二の丸庭園も艶やかにライトアップ(画像:NAKED meets 二条城 運営事務局提供)
また、二の丸庭園や清流園もライトアップ。池の周囲に配された石の陰影、水面に映り込む木々や建物など、庭園本来の造形美を引き出すような工夫がされているそう。
プロジェクションマッピングの「動」があるからこそ、庭園の「静」がより心に響きます。能やいけばな、和楽器の響きなど、日本の美が至るところに感じられるアートです。
■元離宮二条城(もとりきゅうにじょうじょう)
2025年10月31日~12月7日電話/06-7732-8890(NAKED meets 二条城 運営事務局)
住所/京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
アクセス/地下鉄二条城前駅からすぐ
開催時間/18:00〜22:00(最終入場21:00)
休止日/会期中無休(雨天催行、荒天時は中止の可能性あり)
料金/通常2000円~、本丸エリア入場券付3200円~ ※日により異なる
駐車場/あり
【東福寺】京都屈指の紅葉の名所、禅寺らしい静寂さをライトアップで体感
昼間とは異なる艶めいた表情の通天橋(画像:JR東海提供)
規模の大きさでは京都随一といってもよい東福寺の紅葉。とくに、2025年の秋は「そうだ 京都、行こう。」のCMの舞台でもあり混雑が予想されます。
そこで、もう少しゆっくり立ち止まってこの絶景を眺めていたいというささやかな願いを叶えてくれるのがライトアップです。落ち着いた雰囲気のなか、夜空のもとで輝く紅葉を通天橋から見下ろしてみませんか。
通天橋から、紅葉の海原のような洗玉澗(せんぎょくかん)を見下ろす(画像:JR東海提供)
夜間に拝観できるのは通天橋エリアと法堂。拝観は完全予約制ですが、ホームページから当日の19時まで予約ができるので、思い立ったらすぐに行けるのもポイントです。
(新幹線ネット予約サービス「エクスプレス予約」または「スマートEX」の会員登録が必要)
京都屈指の紅葉の名所だからこそ、昼だけでなく夜の姿も一目見ておきたいですね。
■東福寺(とうふくじ)の夜間貸切特別拝観
2025年11月19日~12月7日
※完全予約制(空きがあれば当日予約可)
※新幹線ネット予約サービス「エクスプレス予約」または「スマートEX」の会員登録が必要住所/京都市東山区本町15-778
アクセス/JR・京阪東福寺駅から徒歩10分、京阪鳥羽街道駅から徒歩8分
時間/17:30~19:30(最終受付19:00)
料金/2800円
駐車場/なし(10月下旬~12月上旬は利用不可、公共交通機関を利用)
【永観堂(禅林寺)】放生池のほとりから仰ぐ、幽玄の美に包まれる多宝塔
光に照らされ、山肌に浮かびあがる多宝塔
「秋は紅葉の永観堂」といういいまわしがあり、平安の昔から貴族たちが愛で歌に詠んだという1000年以上の歴史を誇る永観堂の紅葉。
その魅力はひと言でいうと多彩さ。参道の紅葉のトンネル、急な斜面に力強く育つ山紅葉、庭紅葉などありとあらゆる紅葉が勢ぞろいします。
放生池にかかる錦雲橋と木々が池にリフレクション
およそ3000本もの紅葉がライトアップされる夜間拝観のビュースポットは放生池。辺りの風景が水鏡に映り込む光景が圧巻です。
夜間拝観では、御本尊のみかえり阿弥陀如来も拝観できます。こちらの仏様は、後を付いてくるはずの僧侶がこないので、その僧侶に声をかけるため後ろを振り向いた珍しいお姿。人間味のあるポーズに親しみがわきます。永観堂を訪れるなら、ぜひお参りしておきましょう。
■永観堂(禅林寺)(えいかんどうぜんりんじ)
2025年11月15日~12月10日
電話/075-761-0007
住所/京都市左京区永観堂町48
アクセス/市バス南禅寺・永観堂道バス停から徒歩3分
開門時間/17:30~21:00(受付終了20:30)
閉門日/無休
拝観料/700円
駐車場/なし(特別拝観・ライトアップ期間は駐車不可)
※下足袋を持参すること
京都のライトアップスポットで思い出に残る紅葉旅を
ひとことでライトアップといっても、静かにじっくりと鑑賞するもの、はしゃぎながら楽しむものなど、その種類はさまざま。場所が近くであれば、一晩で2か所以上、ライトアップのはしごをすることもできます。
自分なりの工夫をして、秋の夜を楽しんでみましょう!