“妊娠中の妻が理解できない” それでも彼なりの配慮でサポートしてくれた夫
Nensuria/gettyimages
3歳育児中、ライターの宮本真知です。30歳で妊娠し、その後も妊娠前と同じように働いて生活していました。しかし、つわりなどの体調不良や、おなかが大きくなったことでの動きづらさには苦労させられました。そんなとき支えになってくれたのは夫の存在でした。
なるべく一緒にいることで、精神的に支えてくれた夫
夫は自分なりのやり方で私を支えてくれました。簡単なことだと、家での階段の上り下りは、いつもサポートしてくれました。外出も大抵は同行してくれて、妊娠中の診察もできる限りついてきてくれました。
つわりや精神的な理由で、2週間に1日は会社を休んでしまうこともありました。それでも私を責めずに、理解を示してくれて、家から駅まで一緒に付いてきてくれることもありました。
夫が一緒にいてくれるだけで、万が一のことを考えて不安になることもなく、非常に頼もしかったのを覚えています。彼にとっての誠意とは、“できるかぎり一緒にいること”でしたし、私もその配慮を気持ちよく受け取ることができました。
妊娠前と変わった私を理解しづらく、ぶつかることも
一方で、妊娠中わかり合えないこともありました。つわりで食事を残す私を良しとせず、マナーが悪くワガママだと思ったようで、食事に関しては意見がぶつかりました。私が食事を作れる状況ではなかったので、つわり中に食べやすい献立を選ぶこともできず、涙を流す日もありました。
また、産休に入って家にいるのを「のんびりしてる」と言われたことがあります。私は子どものための食事や運動、近づく出産への心構えなど、自分なりに不安で忙しい日々を過ごしていました。
しかし、端から見たら家にいてゆっくりしているように感じたのでしょう。「昼間だれもいないときにお産が始まったらどうしよう」と、毎日不安だった時期にこれを言われるのはこたえました。
やはり夫は頼もしい! 出産で実感した“やさしさ”
良いことも気になったことも、夫に対してはいろいろありましたが、やはり一番助けになったのは出産の時です。私は出産2日前から、腹部に陣痛のような痛みが走る「前駆陣痛」の症状が出ていました。夫は前駆陣痛で苦しんでいる私を、2日連続で夜中に病院に連れて行ってくれました。
2回目のときに病院に受け入れられ、そこから20時間つきっきりでそばにいてくれたのも夫でした。助産師さんの指示に従って、私の背中をさすったり、コンビニで簡単なものを買ってきてくれたりしました。
途中で、私を差し置いてイビキをかいて寝ていたのはいただけませんが、いざ分娩室に入ってからは、タオルで汗を拭きながらドリンクを飲ませてくれるなど、万全のサポートをしてくれました。全体で3日ほどは寝ないで付き添ってくれたことになりました。
出産後は、ミルクやおむつ替え、抱っこのやり方を覚えてから、積極的に手伝ってくれるようになりました。妊娠中よりもいろいろとサポートしてくれます。実際に生まれてくるまで父親の実感が薄いのは、男性の正直な所なのかもしれません。妊婦本人ですら、自分の変化にとまどう妊娠期。そばにいる夫はなおさら、妻の変化に驚きと困惑があるのかもしれません。夫は彼らしいやり方で私をサポートしてくれました。あら探しをするよりも、彼の温かい気持ちに感謝したいと思います。
[ 宮本真知 * プロフィール]
一児の母。妊娠による退職、妊娠糖尿病、20時間の出産、母乳ノイローゼ、保活に失敗と、つまずきだらけの育児を経験。今は子育てと仕事の両立に悩む日々です。悩んだからこそ、失敗したからこそ学べたことをお伝えします。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。