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スローすぎるトレーニングは効果減!? 筋肉の成長停滞期の対策方法と効果的な運動速度とは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

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スローすぎるトレーニングは効果減!? 筋肉の成長停滞期の対策方法と効果的な運動速度とは【鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ】

同じメニューを続けると、筋肉は「停滞期」に入る

筋肉の成長にはプログレッシブオーバーロードが必要

 トレーニングを始めてしばらくすると、はじめのうちは順調に増えていた筋肉が増えにくくなる「停滞期」がやってきます。同じメニューを続けているうちに、身体が徐々に筋肉にかかる刺激に慣れて反応が鈍くなり、成長が止まってしまうのです。そのため、筋肉の成長を続けるためには、重量、回数、セット数、頻度などを少しずつ上げていき、筋肉に新たな刺激を与え続けることが必要です。これをプログレッシブオーバーロード(漸進性過負荷)といい、筋肥大を促進してボディメイクをするには欠かせない方法です。

 そして、プログレッシブオーバーロードをスムーズに行うためにも、「機械的張力」と「代謝ストレス」という生理学的反応を利用してトレーニング変数を変えていくことが、筋肉の成長を停滞させないための重要な方法になるのです。このふたつを理解することで、低重量×高レップと高重量×低レップどちらが有効なのか、どういうシチュエーションで使えばいいのかがわかります。

「機械的張力」と「代謝ストレス」が筋肉を成長させる

機械的張力と代謝ストレスは、どちらも筋トレを行うことで起こる筋肉の反応です。

・機械的張力

 筋肉にかかる物理的な負荷やストレスなどの刺激のことで、機械的張力を高めることが、筋肥大をもたらすカギになるといわれています。筋肉に機械的張力を加えることで、シグナル伝達系の活性化を引き起こし、筋タンパク質合成のスイッチともいえるmTOR(エムトール)を刺激します。2001年のイリノイ大学の研究によれば、高強度と低強度の電気刺激では高強度のほうが筋肉に機械的張力を与えることができ、負荷を大きくすることでより大きな筋肥大を引き起こすことが明らかになっています。

・代謝ストレス

 筋トレによって筋肉がエネルギーを消費すると、乳酸や無機リン酸、プロトニウムイオンなどの代謝産物が生成されて蓄積し、これが代謝ストレスとなります。1998年の東京大学の研究で、この代謝ストレスが筋肉の成長を促すホルモンの分泌を活性化させ、筋タンパク質の合成率を上昇させることが明らかになりました。特に15〜120 秒の間で継続できる運動では代謝産物が分泌されやすく、代謝ストレスが高まる反面、1RM90%以上の高強度な負荷では代謝産物がほとんど分泌されません。

 つまり、機械的張力の面では高重量低レップに軍配が上がり、代謝ストレスでは低重量高レップに軍配が上がるということです。

 ただし、高重量×低レップ、低重量×高レップのトレーニングには、それぞれ弱点もあります。高重量低回数の場合は、トレーニングの「時間」です。

 2014年にニューヨーク市立大学から「トレーニングの負荷量に対する筋肥大の影響」という論文が発表され、「10レップ3セットの高回数」と「3レップ7セット高重量」ではどちらが筋肥大効果が高いのかという検証が行われました。結果は、総負荷量を統一した場合は筋肥大効果に有意差はなく、筋力増強効果は高重量のほうが高いというものでした。

 しかし、3レップ7セットの高重量トレーニングを10レップ3セットの高回数トレーニングと同じ総負荷量にするためには、トレーニング時間が4倍かかることがわかっています。これは、回復のための休憩が必要になるからで、高負荷なトレーニングだけで総負荷量を高めることは現実的ではありません。

 一方で、低重量×高レップの弱点は負荷量設定の難しさです。高回数の場合、40回ほどの反復回数で疲労困憊までやらなければ筋肥大は起こらず、負荷量設定を間違えてしまうと自己満足だけのトレーニングになってしまうのです。そのため、トレーニングの基本として設定するのはどちらの弱点もカバーできる、8〜12レップの「中重量×中レップ」がおすすめです

8秒以上のスロートレーニングは効果なし

 運動速度も、筋肉の成長に関わる大きな要素のひとつです。実際に、どの程度の速度が筋肉の成長に効果的なのかを明らかにしてくれたのが、2015年にニューヨーク市立大学から発表されたメタ分析です。運動速度が「0.5〜4秒のファストトレーニング」「4〜8秒のミドルトレーニング」そして「8秒以上のスロートレーニング」の3つの群で、どれが一番筋肥大率が高いのかを調べた結果、ファストトレーニングが効果量0・42、ミドルトレーニングが効果量0点、スロートレーニングには有意な効果はないという結果でした。もっとも効果が高いとされたのが0.5〜4秒の間に行うファストトレーニングですが、ファストトレーニングとミドルトレーニングの間に有意差はなく、8秒以内の速度で行う筋力トレーニングがもっとも効果的な運動速度ということになります。

 逆に、ゆっくりとした動作で行うスロートレーニングは、軽めの負荷でも筋肉に効いている気がして人気がありますが、実際には8秒以上かけてしまうと筋トレの効果を下げてしまうので、注意が必要です。

 私自身は、だいたい5〜8秒の間で1セットめを行い、2セットめからは4秒以内で行うようにしています。ファストトレーニングは効果が大きい反面、いきなり速い速度で動くのはケガにつながりやすいので、まずはウォームアップのために8秒以内を意識して行ない、その後はストレスホルモンのコルチゾールの分泌を抑えるセロトニンや集中力を高めるドーパミンなどの複数のホルモンが分泌されやすい、ファストトレーニングで筋力アップをはかるようにしています。ケガという観点から見れば、ケガをしてトレーニングに復帰する場合や高齢者は、スロートレーニングでケガの予防をしながらトレーニングを行うこともひとつの手かと思います。ただし、その場合も8秒以上では筋トレの効果がなくなってしまうので、8秒以内でできるだけゆっくりした動きを心がけます。

結論

筋肉の「停滞期」は、少しずつ負荷を上げて筋肉に刺激を与えるプログレッシブオーバーロードで回避する
トレーニングの1回の速さは8秒以内で行うのが効果的

【出典】『鍛え方の最適解がわかる 10万論文筋トレ』著:理学療法士・パーソナルトレーナー 論文男

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