【100点を目指す必要はない】新潟国際情報大学主催の「新潟県中堅・スタートアップ企業研究セミナー」で和田ステンレス工業(新潟県燕市)の和田克行社長が講演
「新潟県中堅・スタートアップ企業研究セミナー」新潟国際情報大学経営情報学部主催、新潟中央キャンパス(新潟市中央区)
新潟国際情報大学は10月9日、新潟中央キャンパス(新潟市中央区)において、「新潟県中堅・スタートアップ企業研究セミナー」を開催した。
セミナーでは、ステンレス製工業用容器トップメーカーの和田ステンレス工業株式会社(新潟県燕市)の和田克行代表取締役社長が登壇し、学生達に対して「弊社の事業転換の歴史と戦略について」と題した講演を行った。
「新潟県中堅・スタートアップ企業研究セミナー」は、同大学の経営情報学部が主催。新潟県内の企業のイノベーティブなビジネス展望を高め、県内企業の競争力向上を図るとともに、将来新潟県内に貢献できる若手人財の育成をセミナーの目的としている。
和田ステンレス工業株式会社(新潟県燕市)の和田克行代表取締役社長
今回講演した和田ステンレス工業の和田社長は、ステンレス加工を主軸として経営してきた自社の歴史や、その中で取り組んできた事業転換の背景などを紹介。同社はビール樽の量産によるシェア拡大した後、コロナにより需要が減少したが、その一方で、医用機器の製造に着手したことによって収益を確保できたことなどを話した。
自社の事業戦略について和田社長は、「ものづくりだけではなく、その周辺サービスを充実させていくことが重要、軸足を複数持っていることが大事」と強調した。
また、企業の生存率が50年で約50%となるデータがあることに触れ、事業継続していくためには、「いかに現場に適合していくか。変化は怖いが、トレンドをよく見ていくことが重要」と話した。また、現在同社はアジア市場への販路拡大に力を入れていることも紹介した。
さらに学生に対して和田社長は、「経営の世界に答えはない。100点満点を目指す必要はなく、2割から3割くらい課題があった方が成長することができる」と伝えた。
参加した学生からは、なぜステンレス加工にこだわってきたかや、社員とどのように関わっているかなどの質問が上がり、熱心な様子が見られた。
最後に和田社長は、「若い時は文系だ理系だなど決めない方がいい。人間の可能性は無限大。何歳になっても勉強だし、新しい気付きがある。ものづくりは面白いのでもし興味があればいつでも工場をお見せします」と締めくくり、学生たちにエールを送った。
セミナー冒頭に挨拶した新潟国際情報大学の越智敏夫学長
講演後に複数人の学生が手を上げ質問、熱心に参加する様子が見られた
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新潟国際情報大学
和田ステンレス工業株式会社