ステランティス日本法人、ジープやプジョーなど主要ブランドを異例の50万円値下げ
5月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、自動車販売価格の引き下げに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「対抗車も安くなったからこれも安くなったっていう影響かもしれないですよね」
欧州ステランティスの日本法人は1日から日本で自動車の販売価格を引き下げる。対象は米ジープなど主要6ブランドで、最大50万円を値下げする。電気自動車(EV)の需要減速などにより、世界で販売不振に陥っている。主要市場のアメリカは関税政策で消費が冷え込む恐れがあり、成長余地の大きい日本事業をてこ入れする。
寺島アナ「米ジープなど主要6つのブランドで、今日から最大で50万円値下げ、この動き、藤井さん、どうご覧になりますか?」
藤井氏「これは2つの読みがあるという記事ですね。アメリカの関税引き上げの影響並びにEVの需要減速もあって、ジープの他のやつも売れないから、対抗の車が安くなっているからこれも安くなったっていう影響かもしれないですよね」
日本で主要ブランドを一斉に値下げするのは初めてで、世界でも日本市場だけの取り組みとなる。自動車は人件費や資材高などでコストが上昇しており、値下げに踏み切るのは異例だという。
ステランティスはEVの普及の遅れなどにより、世界で販売不振に陥っている。2024年の世界販売は前年比12%減の541万5000台に落ち込んだ。
日本市場も苦戦していて、2024年の販売台数は前年比24%減の2万5667台で、2022年に日本法人が発足して以降過去最低だった。発足する前の各ブランドの合計台数では過去10年で最も販売台数が少なかった。
ステランティスは主力のアメリカやヨーロッパではEVの伸びが鈍化しており、アメリカでは追加関税で消費が冷え込む可能性がある。日本は値下げによるてこ入れで、売り上げを伸ばす余地が大きいと判断したという。
寺島アナ「日本の市場を重視して、異例の値下げに踏み切りました。今後、ほかの業界でもこうした動きが続くのかどうか。そうするとこれ、どういう影響が出てくるのかというところですね」
藤井氏「その分、国内の自動車の販売台数が減るということになりますから、海外勢こうやって増えてったら。それはよろしくないですね」