【掛川市二の丸美術館の「近現代の洋画・日本画 美を追い求めた画家たち」展】横山大観、川合玉堂、川端龍子、前田青邨…。浜松市美術館との「はしご」はいかが
静岡県のアートやカルチャーに関するコラム。今回は4月11日に開幕した掛川市二の丸美術館の「近現代の洋画・日本画 美を追い求めた画家たち」展を題材に。
(文と写真=論説委員・橋爪充)
掛川市二の丸美術館の収蔵品には二つの核がある。どちらも掛川に縁のある実業家が寄贈したもの。一つは木下満男氏(1932~1996年)による江戸・明治期の細密工芸品のコレクション、そしてもう一つが今回の主役である鈴木始一氏(1902~1985年)の近代日本画のコレクションである。
実業家のコレクションと言えば、浜松市美術館で5月17日まで開催中の「足立美術館展」がパッと思い浮かぶ。近代日本画と庭園で知られる足立美術館の収蔵品は、島根県安来市出身の足立全康氏(1899~1990年)の日本画コレクションが中核をなす。3歳違い、一代で財を成した足立、鈴木両氏が島根、静岡でそれぞれ集めた日本画が、浜松と掛川で見比べられるのはなかなか興味深い。
二つの展覧会に共通する作家は横山大観、川合玉堂、川端龍子、前田青邨。昭和30~50年代の日本画コレクターにとって、彼らに加え竹内栖鳳、結城素明といった辺りの作品は「マスト」だったに違いない。二の丸美術館の展覧会では、著名日本画家の作品は「花 四季を愛でる」「風景 都市と自然」といった区分で展示されている。控えめかつスタイリッシュな色使いの小野竹喬『秋の山』が印象に残る。彼も竹内栖鳳の弟子だ。
近代洋画コレクションの中には、静岡や掛川にゆかりの作品も数多い。2024年10~12月に静岡県立美術館で開かれた「無言館と、かつてありし信濃デッサン館-窪島誠一郎の眼」展にも作品があった、
桑原喜八郎(1920~1945年)に再会した。掛川市高御所生まれ。東京美術学校で学んだ。25歳で戦死した彼の作品は、戦没学生の絵画を集める長野県の無言館にも収められている。
『アコーディオンを弾く女』は高さ、幅共に150センチ以上ありそうな大型の作品。赤いシャツの女性が椅子に腰かけ、TOMBO製のアコーディオンを弾いている。右足はスリッパ履きだが、アコーディオンを載せた左足は履いていない。自由な精神、音楽の闊達の象徴のように感じられる。
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■掛川市二の丸美術館「近現代の洋画・日本画 美を追い求めた画家たち」
住所:掛川市掛川1142-1
開館:午前9時~午後5時(月曜休館、祝日の場合は開館し、翌日休館)
観覧料(当日):大人500円、小・中学生無料
会期:5月24日(日)まで