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【お悩み】新入社員の体臭がかなり強めで困っています…どうしたらいい?#68

Sitakke

Sitakke

はーいみなさん、ごきげんよう!満島てる子です。

いやぁ、今年の夏も暑かった!

全国的にも気温アゲアゲだったようですが、北海道もその他の地域に負けず劣らず、ムシムシしててやぁよねぇ。

暑がりさんなあたしにとっては「ひと昔前の涼しさ、戻ってきてくれ〜!」と悲鳴を上げがちな昨今だったりします。

ライター・満島てる子

しっかし、こう気温も湿度もマーックスハぁート!(突然のプリキュア)だと、どうしても気になってくるのが汗の量。あたしあんまり汗かかない方なんだけれど、いやぁこの2024年はもうその量たるや、滝っていうかナイアガラ。

当然、そんだけベシャベシャだと「においとか大丈夫かしら……」って不安になったりもして。
はたまた他人の汗臭にノックアウト(どなたであれ体臭って仕方のないこととは言え、時々鼻に電撃走る瞬間あるよね)されることも、例えば電車の中のような狭い空間では、こと暑い季節は経験しがちだったりもします。

今回は、そんな「他人の汗臭」に悩む方からのお手紙が来てるみたい。
今までに寄せられたことの無い内容だわ〜!早速みてみましょう。

読者のお悩み「新入社員の体臭がかなり強め…どうやって指摘したらいいのかもわからず悩んでいます」

あらぁ、久々に文面で見たわ!この「ワ」「キ」「ガ」の3文字。
あたしなぜか学生の頃、「ワキガ」って聞くと「ワラビ」(山菜のアレね)が頭の中に浮かんできちゃって、「ああ〜ワキガねぇ〜苦いけどおひたしにはいいわよね……ってあれ?」と、謎の勘違いに基づくディスコミュニケーション起こしがちだったんだけれど、それはどうでもいいとして。←

ちゃむさん、まずはお手紙ありがとうございます!
社会人歴14年目とは!日々の労働、本当にお疲れ様です。

最近ってさ、何がどうハラスメントになるのかとか、どんなきっかけでコンプライアンスに違反したことになっちゃうのかとか、上司サイドは考えなきゃいけないこと、そりゃもうとっても増えたわよねぇ。
ちゃむさんの気の使い方にも、一定数「そうねぇ」と同情してしまうあたしがいたりするのですが。

にしても、このにおいの問題って今や「スメルハラスメント」、略して「スメハラ」なんて単語で、上司という立場にとっての課題としてに限らず、職場や家庭内の問題としてかなりポピュラーになっていたりもしますよね。
それだけ悩んでいる人が、数としても実際に多い話題なのではないかと思ったりします。

あたし自身この「スメハラ」というやつについて、公私ともに、そしてなんなら他人についてのみならず自分ごととしても、割としっかりやらかしたり、悩んだりしたことあるのよね。

例えば、昔、色々と変なところケチって、極悪な100円ショップの靴下を常に履いていたのですが。これが何度洗っても珍妙なかぐわしさが抜けないしろもので。
ある日「なんかどっかから……くさいっていうか……石油のにおいしない?」と宅飲みの最中に好きな人から言われ、しっかり冷や汗をかいたり(翌日全て捨て、しっかりした品質のものに買い換え、その後事なきを得ました)。

職場の話で言うと、あたしたちバースタッフって人前でお話をし、近い距離でもてなすのが中心的な仕事。
そうなると、もし一緒に働く仲間の中に「それはちょっと」なにおいをさせている人がいたとすれば、狭い店内なのもあって営業上も致命傷。

先輩から「女装ってかドラァグクィーンはいい香りしてなんぼ」と指導されていたのもあって、同じようなアナウンスを、後輩たちには割と日常的にしたりするんだけれど……。
それでも改善せず、気づいてくれない場合もこれまでにあって、ちゃむさん同様「うう、どうやって伝えるべきか」と考えあぐねることも個人的に経験しました。

まぁ「におい」と一口に言っても、その発生源は様々。
洗濯の仕方が甘いせいで発生する生乾き系の「衣服臭」や、口腔内や頭髪、皮膚が発散するガスから出てきている「疲労臭」。言うこときいてくれないアポクリン汗腺が原因の「腋臭(わきが)」もあれば、はたまたこういうのひっくるめた「混合臭」だったりもして。
なので、その対策方法は多岐にわたるのだろうなぁとは思いつつなのですが(ちゃむさんの感じている新人さんの「ワキガ」も、もしかしたらこうした複数の原因が組み合わさって発生している可能性もあるかもね)。

いずれのパターンにしても、本人はもちろん、その周囲の人間にとっても、生活に大きな影響を与えることに変わりはない!
なので、ちゃむさんの「この先どうすればいいのか困っています」という書きようを見て、「嗚呼……なんて悲痛な叫びなのかしら……」と、あたしとしてはその身を案じざるをえなかったのでした。

イメージ

あたしなりのAnswer

さて「どうにおいを消すのか」は、そのにおいが何ゆえのものなのか、原因がわからないと難しい話だとは思うんだけど、まずはそのにおいをおそらく放っているであろうご本人に「におってるよ」という事実を認識してもらわないことには、やっぱり物語が始まらないわけで。
だからここからは、ちゃむさんに向けて「どう状況を相手に伝えるか」というのを、あたしなりに考えてみようと思います。

それでなんだけど、ちゃむさん。
「誰か同期とか指摘してくれたら」って気持ちもわかるし、「今のご時世パワハラになるのでは?」という懸念も重々わかるんだけれど。
あたしとしては、やっぱり思ってることは自分の言葉で発信し、相手に直接手渡さないと、結局はあやふやになってずっとモヤモヤするだけなんじゃないかって思うの。
仕事関係のこととなると、それはもう特にね(今回のことは雑事かもしれないけれど)。

だからまず前提として、その新人さんのにおいの話題については、あなたから相手に切り出す勇気を持ってほしい。それがきっと、取るべき第1歩。

その上で。
どういうシチュエーションで、どんな言葉を使って伝えるのかを、あなたにはぜひ考えてもらいたい。
そこさえ気をつければ、なんならこれまでよりもっといい関係を、その新人さんと築けるんじゃないかなって。あたしはそう思うんです。

めっちゃ難しいし、配慮すべきことは多いと思うんだけれどね。
例えば、伝えるときは「他に人がいないところで1 on 1」が望ましいだろうけれど(これめっちゃ大事よ)、そういう状況ってなかなか気軽に作れるものではないだろうし。
相手が何がしかのショックを受ける可能性は消せないから、それをケアする方向での立ち振る舞いができるよう、こちらもしっかり心の準備をしておく必要があるわよね。

でもちゃむさん、あなたにはそれにチャレンジしてもらいたいの。
その挑戦がきっと、最も効果的な突破口になりうると思うから。


ちなみに伝え方なのですが、「ワキガ」や「におい」という単語を使わないというやりくちもいいかもしれません。あたしだったら「かおり」って表現を代わりに使ってみるかな。

「〇〇さん、柔軟剤か何か使ってるのかな?それとも髪か香水かしら?ごめんなんだけどその"かおり"、ちょっとあたしの体質に合わないらしくて……」と、悪臭扱いせず、あくまで自分自身の好き嫌いに落とし込む。こうすれば、少しは相手に話しやすくなるはず。

(とはいえ、それで先方が何も動かなかったり、動いてくれたとしてもなかなか改善が見られない場合は、やっぱりいつかはっきり「君、におってる」「ワキガなんだと思うよ」と言わなければならない瞬間、出てくるのかもしれないけれどね。)

においの問題は確かにセンシティブです。
ただ、他の様々な話題と同様「センシティブだからといって言及を避ける」という選択をし続けていると、だんだんといろんなひずみが大きくなってきてしまう。
そうなる前に、あえて「センシティブかもしれないけど話したい」と、考え感じていることを自ら話題に出す。その姿勢を取れるか取れないかで、その場•そのコミュニティの空気の通り方は、その他のやり取りまで含めて、全然異なるものになるんじゃないかしら。

きっかけはにおいの話題だったとしても、その後に続いていくものがあるでしょう。
そうした総合的な意味で、ちゃむさんとその新人さんが、お互い過ごしやすく、働きやすい環境になってくれるといいなあと、そんな風に願いつつ。
ちゃむさんに向けて陰ながらエールを送るあたしという女装が、夏真っ盛りの北の地、西創成のすみっこにいるのでした。

ま・と・め♡

というわけで、今回はなかなか一筋縄ではいかないテーマですが、ひとのにおい問題について考えてみました!

嗅覚って視覚とかと違い、自分で「かぐ」「かがない」の選択をそこまで自由にできるわけじゃないから、余計にやっかいだよね。
でも、ストレスになるにおいもある一方で、リラックスを導くかおりなんかもあるから(あたし割とフレグランスとかに癒し頼りがち)、あたしにとっては自分ごととしても上手く付き合っていきたい感覚のひとつなんだよなぁ。

暑さのせいで汗も多くなるし、何かと色々ムレがち•こもりがちなこの季節。
みんなもそれぞれのボディケアやスメルチェック、今一度振り返ってみてはいかがかしら?

ではでは皆さん、また次回。
Sitakkeね〜!

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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

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