【神奈川・白楽】街に根を張り息づくコーヒー屋「CRU COFFEE(クリュコーヒー)」
東急東横線「白楽駅」の西側に広がる「六角橋商店街」は、戦後の闇市から発展した横浜三大商店街のひとつ。
1997年から続く「六角橋商店街ヤミ市」は、商店街を代表するイベントだ。
2026年7月、そんなヤミ市の最中でプレオープンを迎えたのが「CRU COFFEE(クリュコーヒー)」。
「畑の違いをひと口のおいしさに」という理念のもと、横浜と山梨を拠点に、小さな街から世界に向けコーヒーの楽しさを伝えている。
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
生活の一部に溶け込む“土着”がテーマ
プレオープンを経て、7月19日にグランドオープンした「CRU COFFEE(クリュコーヒー)」。
「CRU(クリュ)」とはワイン用語で、その土地の風土を反映した「ぶどう畑」を表す言葉だ。
畑や農園、水や空気の違いにより味が変わる面白さを、コーヒーを通じて知ってほしいという想いが込められている。
神奈川県出身のオーナーは、みなとみらいのコーヒースタンドでバリスタを務めるかたわら、2021年から「CRU COFFEE(クリュコーヒー)」の屋号で活動をスタート。
自家焙煎のコーヒー豆を販売しながら、横浜・吉田町のお菓子屋さんで間借り営業やイベント出店などを経験した。
あるとき、仕事で訪れた山梨に魅了されたオーナーは、店名に込めた想いがワインの一大生産地でもある山梨と通じるものを感じ、1店舗目となる「CRU COFFEE 勝沼」をオープン。
農家やワイナリーなどが一体となって地域の食文化を支えている山梨には、ものづくりに真摯に向き合う人も多い。そんな山梨のように「職人のいる街」をさがしていたオーナーが次に出会ったのがこの「六角橋商店街」だ。
「小さな街から世界に向けてコーヒーの楽しさを伝えたい」というオーナーの想いとこの街のクリエイティブな雰囲気がきれいに重なり、今回私が訪れた「CRU COFFEE 白楽」のオープンにつながった。
「コーヒーとおやつ」を喜んでもらえる嬉しさ
「CRU COFFEE(クリュコーヒー)」では、コーヒーと一緒に楽しめる“おいしいおやつ”も販売している。
横浜で間借り営業をしていた頃、間借り先の店主が用意したスイーツと自身が淹れたコーヒーを喜んでもらえたことが、大きなきっかけだったという。
コーヒーがスイーツの味わいを深め、スイーツがコーヒーの風味を引き立てる。
単体では生まれないおいしさの相乗効果も、オーナーが伝えたいコーヒーの面白さのひとつだ。
スイーツに使用する果物は直接農家から買い付けるなど、人との繋がりも大切に。素材はシンプルでも、旬のエッセンスが加わるだけでおいしさは無限大に広がる。
コーヒーは、季節感のあるスイーツとあわせることで一杯のコーヒーにもその季節の表情があらわれるから不思議だ。
焼き菓子と並ぶ定番メニューの「イートンメス」は、イギリスの伝統的なデザートで、「CRU COFFEE」では季節ごとにソースが変わるのが特長。
今回は、「イートンメス」と相性がいいという「HAMA ROAST」とのペアリングを試してみることに。
購入したスイーツやコーヒーは、隣接する共有ラウンジでいただくことができる。
私のお気に入りの席、小窓のある小さなカウンター席で、至福の組み合わせを堪能しよう。
夏を慈しむ、桃とコーヒーのマリアージュ(イラストあり)
グラスの中には、メレンゲ、クリーム、自家製ソースをベースが敷かれそのうえに季節に合わせたフルーツソースが添えられる。オプションでアイスクリームをのせられるのだが、欲張りな私はもちろんアイスクリームのせでいただく。
自家製桃ソースのイートンメス
この日の「イートンメス」は「自家製桃ソース」にヨーグルト風味の生クリームでさわやかさを演出した夏らしい仕上がり。
山梨県産の桃を贅沢に使用しており、桃のゴロゴロ感とキュートな色合いに思わず笑みがこぼれる。リズミカルに重ねられた食材を思い切って混ぜ合わせるのが「イートンメス」の醍醐味だ。
ざくっざくっと軽快な音を鳴らすメレンゲに耳をすましながらスプーンを入れていく。一体感が増すように、でも、適度にかたちが残るように…
水分を吸っても存在感が残るよう、焼き込みを強く仕上げたメレンゲ。桃はソースにすることで風味が引き立ち、華やかな香りと凝縮した甘みが全体を包み込む。
後味にふわっと現れるヨーグルトの酸味。
混ぜ具合によって味わいや食感が変化するところも、「イートンメス」の醍醐味だ。
HAMA ROAST
「CRU COFFEE」のフラッグシップコーヒー「HAMA ROAST」は、深煎りでありながらフルーティーさを残した軽やかな味わいが特徴。横浜へのあこがれや輝きを表現し、甘み、苦み、酸みのバランスにこだわって焙煎している。
「自家製桃ソースのイートンメス」と合わせると、桃の芳醇な風味が引き立つ一方、コーヒーはティーライクな軽めのフレーバーがより際立つ。
見事なペアリングで、すがすがしい気持ちにさせてくれる。
日常のひとコマにワクワクを添える
「CRU COFFEE」のコーヒーのメニューは、ストレートのハンドドリップコーヒーとミルクを使ったエスプレッソ系が中心で、アレンジコーヒーは扱っていない。
コーヒー豆を持ち帰ったときにも、自宅でお店と同じ味わいを楽しんでほしいという想いがあるからだ。
畑から一杯にたどり着くまで、大切に育まれたコーヒー豆。
自分で淹れてもちゃんと産地の個性が素直に感じられる、丁寧な焙煎。
そこにスイーツを添えれば、心を癒す最高のおやつ時間が始まる。
奥深いコーヒーの世界を、自宅でもぜひスイーツと一緒に味わってみてほしい。
WRITER:まるやまひとみ
【SHOP INFORMATION】
ショップ:CRU COFFEE 白楽(クリュコーヒー ハクラク)
住所:神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-12-22 ロッカクパッチ内
営業時間:12:00〜21:00
定休日:月曜日