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中山優馬が語る人間味あふれるコメディー劇と、慣れ親しんだ大阪松竹座の思い出【独占】

anna(アンナ)

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2025年12月6日(土)~14日(日)に大阪松竹座で上演される舞台『松竹創業130周年 大阪松竹座さよなら公演 スイートホーム ビターホーム』で主人公・努力(ぬりき)良介を演じる中山優馬さんにインタビュー。お芝居の見どころや、来年5月に閉館が決まった大阪松竹座での思い出などについてお聞きしました。

( Index )

人間のリアリティを描くコメディ劇大阪松竹座に感謝する時間をいただけたホテルが大好き! その理由は……?

人間のリアリティを描くコメディ劇

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『スイートホーム ビターホーム』はどんなお芝居ですか?

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設定はワンシチュエーションで見せていくコメディーですが、ギャグ要素があるコメディーではなくて、どちらかというと「パニックになったとき、人ってどんな反応をするんだろう」「あ、こんなことになっちゃうんだ」みたいな、そうした興味深さやおもしろさを楽しんでもらえるかと思います。

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(C)松竹

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今は稽古の真っ最中だと思いますが、どんな雰囲気ですか?

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稽古場は和気あいあいとしていますよ。作・演出の藤井清美さんがとても明るい方なので、全員で楽しみながらつくっているところです。

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(C)松竹

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中山さん演じる努力良介は、ハウスメーカーに勤める営業担当ですが、どのように役を仕上げていかれていますか?

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まずは努力良介がどういう人なんだろう、みたいなところから入って、「営業らしさ」というところも肉付けしていきます。
今回はハウスメーカーの物語となっていますが、出演するのは全員役者なので、お客さんの目のほうが厳しいだろうなと思っていて。例えば来客用スリッパを出す所作とか、そうした仕草にリアリティが出ると思うんです。その細かいところを取りこぼすと、本当に営業職をしているお客さんは「違うな」と感じると思うので、そういったところを意識しながら演じています。

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(C)松竹

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『スイートホーム ビターホーム』というタイトルも印象的ですね。

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「家を買う」って、一生に一度の買い物って言うじゃないですか。そして、その家というものにはスイートな瞬間も、ビターな瞬間も訪れることがあるよね、という。そして良介は、家を売る、幸せを売る立場でありながら自分の家庭に問題を抱えていて、全然幸せじゃないんです。良介だけじゃなく、出てくる人全員が板挟みというか……でも結局、この世界ってそういうことを抱えていない人っていないから、そういう意味でもリアリティがある物語となっていると思います。

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ではそのタイトルにかけまして、中山さんの「スイート」、「ビター」な瞬間を教えてください。

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夜型なので、「スイート」は夜です。犬を飼っているので、家で犬と一緒に過ごすことが多くて……。あとは作品を観たり、お酒を飲んだり、寝るのは早くても深夜の3時とか。いつも犬と一緒に寝ています。

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それはたしかにスイートです。では、ビターな瞬間は?

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朝ですかね……。朝はもう、何もする気が起きないんです。翌日着る服は、夜のうちに全部用意しておいて、ギリギリまで寝て服を着て家を出るだけ。ただ時間に背中を押されて動いています(笑)。

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(C)松竹

大阪松竹座に感謝する時間をいただけた

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会場となる大阪松竹座は、2026年5月に閉館することが決まりましたが、どのように感じていらっしゃいますか?

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寂しいですね。一旦、閉館しますけど、いつか復活してくれることを望んでいます。でも、劇場もかなりがんばってくれたんだなと思いますよね。
帝国劇場も休館になりましたし、時代の転換期なんだと感じます。寂しいですけどそれも歴史の一部なので、そこに立ち会えるのもまた喜ばしいことなのかなとも思うし、さよなら公演にお声がけいただいて、大阪松竹座にちゃんと感謝を伝える時間をいただけたのかな、と。嘆いてばかりの感情ではないですね。

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初めて大阪松竹座の舞台に立たれたときのことを覚えていますか?

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たぶん2006年、僕が12歳のときですね。当時、クリスマスの時期に、SUPER EIGHTの横山(裕)くん、安田(章大)くん、丸山(隆平)くんがソロコンサートを連続して開催したんですよ。そのバックダンサーで出演したのが初めてじゃないかな?

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大阪松竹座は関西ジュニアの本拠地のような場所でもありますもんね。

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だから当時、ライブをする劇場だと思っていたんですよ(笑)。バックダンサーをしていた時期は、楽しかったですね。とにかくお客さんを盛り上げる役目で、振り付けに決まりがなかったので、「イェーイ!」とやっているだけで、それが楽しかったのは覚えています。

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道頓堀周辺の思い出はありますか?

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当時は地下鉄で大阪松竹座に通っていたので、「なんばウォーク」はよく歩いていました。そこから出口を上がったら「金龍ラーメン」があって、そこを曲がったら大阪松竹座の楽屋口があるんです。毎日のように往復していた場所なので、今でもあの周辺は思い出深い場所ですね。

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(C)松竹

ホテルが大好き! その理由は……?

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恒例の質問なのですが、誰かに「あんなぁ」って話したいエピソードを教えてください。

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僕、ホテルが大好きなんです。15、6歳の頃、仕事で東京のホテルに長期間滞在したことがあったんです。そのホテルがちょっと不気味なホテルで……。それが嫌で、自分の枕を持ち込んだり、コップも全部自分のものに入れ替えたり、棚に漫画本も並べて、完全に家仕様にして過ごしていたんですけど、それが心地よくなってきて。でもそのホテルがなくなって、違うホテルに泊まった時、「あれ? 前に泊まったところと全然違うぞ。ホテルっていいな」と気づいて、それからホテルが大好きになりました。

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好転したんですね(笑)。近ごろのホテルはサービスも充実していますが、とくにいいなと感じるのはどんなホテルですか?

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製氷機まで自分で取りに行くタイプじゃなくて、氷を部屋まで届けてくれるホテルはポイント高いです(笑)。

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こだわりを感じます。では、最後に読者にメッセージを!

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この作品は作・演出の藤井清美さんが女性なので、女性目線ならではの描写が多くて、僕からすると「あ、そういう会話になるのか」と思う部分が多いんです。リアルだからこそ受け取り方がそれぞれ変わるというか、女性の方はより共感できると思うし、背中を押されるような作品になるんじゃないかと思います。
仕事に疲れた方は、たぶん登場人物のほうがもっと疲れてるんで(笑)、「ほかの会社も大変やな」と思ってもらえるような作品だと思います。明日への活力になればいいなと思いながらつくっていますので、ぜひ観にきてください。

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(C)松竹

舞台で多忙な日々を送る中山さん。大阪に帰ってくると、時間があれば実家や地元の行きつけのお店に足を運ぶそうですが、「大阪松竹座も実家みたいなものですから」と話してくれました。中山さんにとっても思い出いっぱいの大阪松竹座で上演される『スイートホーム ビターホーム』、ぜひ足を運んでくださいね。

<詳細情報>
松竹創業130周年 大阪松竹座さよなら公演
『スイートホーム ビターホーム』
公演日:2025年12月6日(土)~14日(日)
会場:大阪松竹座
作・演出:藤井清美
出演:中山優馬、秋元才加、藤野涼子、井上拓哉、舞羽美海、瀬戸カトリーヌ、駿河太郎、小林美江、駒井健介、勝賀瀬彩莉、雪見みと、佐藤アツヒロ
公演などに関するお問い合わせ:06-6214-2211(10:00~17:30)

そのほかの公開劇場
【石川】2025年12月20日(土) 北國新聞赤羽ホール
【東京】2025年12月26日(金)~29日(月) シアターH

写真/松竹株式会社 取材・文/中野純子

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