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[Things Music]日常に寄り添う「E.scene」の音楽。

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[Things Music]日常に寄り添う「E.scene」の音楽。

新潟発のオルタナティブR&Bバンドとして活動している「E.scene(イーシーン)」。はじめて取材をした2019年から6年、昨年の10月23日にデジタルアルバム『All Around You』がリリースされました。収録曲「vector」は映画「SOUND of LOVE」の主題歌にもなっています。来月には地元・新潟でのワンマンライブを控える、ボーカルの真琴さん、ベースのCHIPPIさん、ドラムのYoshinaoさんにアルバムやワンマンライブについて聞いてきました。

E.scene

真琴(Vo)、CHIPPI(Ba)、Yoshinao(Dr)からなる新潟発オルタナティブR&Bバンド。存在感のあるスモーキーな歌声にR&B・HIPHOP・ファンク・ジャズ・ソウルの要素を取り入れたメロウで心地よいサウンドとグルーヴが魅力。FUJI ROCK FESTIVALやSYNCHRONICITYなど、様々なイベントに出演、そのパフォーマンスが話題を呼んでいる。

楽曲制作の中で気づいた、当たり前の大切さ。

――以前は「ROOKIE A GO-GO」に出演した後に取材させてもらいました。昨年リリースされたアルバムはどのようなものになっているのでしょうか。

CHIPPIさん:今回のアルバムで再認識できたのは、自分たちの手の届く範囲の暮らしから感じたことを3人のなかで共有して音楽にできたことですね。日常の暮らしに寄り添うような音楽にできたと思います。

――共有できた、と感じたきっかけはどんなものだったのでしょうか。

CHIPPIさん:2023年は3人で音楽を作ることが多かったんです。僕の家で集まって合宿みたいなのをしていたり。そんな中でまこっちゃん(真琴さん)の地元である石川県で地震があって、彼女が地元に帰ることになったんです。 メンバーが離れたなかで、当たり前の暮らしの大切さを特に感じましたね。

真琴さん:地震が起きてから、結構沈んでいたんです。最近家を取り壊すときも涙がでたり、切なくなる瞬間もあったんです。でも、それががきっかけで当たり前に感じていた今までの暮らしが、当たり前じゃないなって強く感じるようになりました。今回のアルバムの楽曲のなかでも、生活に寄り添える歌詞が書けたなと思っています。

――地震が生活だけではなく、音楽にも大きな影響を与えたんですね。

CHIPPIさん:日常のありがたさのようなものを、3人が無意識に持ちはじめて。それがE.sceneがつくる音楽のアイデンティティになってきたと思います。実際に経験したからこそ、僕たちが大事にしてたものがはっきりしたんですよね。

――みなさんが感じたことは、どうアルバムに反映されているのでしょうか。

CHIPPIさん:音楽的なことを言えば、ポップスみたいなのを意識しましたね。このジャンルはかなり複雑で、カオスだと思うんです。そのなかでE.sceneとしてバンドの共通認識がしっかりしてないと、ポップスはできないと思っていたので、今回のアルバムでやっと自分たちの根源に向き合うことができたと思いますね。

真琴さん:そうそう。アルバムを聴いてくれる人のことを、かなり意識して作れたアルバムになっていると思っています。あと、今回のアルバムでは3人それぞれが作詞をしている曲があるんです。私が「そっと」、Yoshinaoが「ghost note」と「After Color」、CHIPPIがそれ以外を書いているんですよ。

――今回の収録曲を作詞してみてどうでしたか。

CHIPPIさん:言葉と音、それぞれで表現することのバランスがすごくいい曲ができたと思います。音楽って言葉にしすぎず、音で伝えることも大事だと思っていて。今回のアルバムの楽曲は、どの曲も3人の意思疎通ができているなって感じることができて、僕たちの現状が自然に出たアルバムになりましたね。

――そんなアルバムの反響はどんなものだったのでしょうか。

Yoshinaoさん:今までの中で一番リアクションはいいですね。

真琴さん:お客さんのリアクションはもちろん、同じ業界の人にも褒めてもらったり聴いていただくことも多くなったのですごく嬉しいですね。

ーーアルバムをリリースしてみて、改めて音楽を作る上で大切にしていることを教えて下さい。

CHIPPIさん:ベース以外にも編曲や作詞を任せてもらうことが多いんですけど、リアリティを大切にしているんです。言葉で伝えすぎない、リアルな面と想像力のバランスをとることを強く意識しています。このバランスは音楽の魅力のひとつなのかなと思っています。

Yoshinaoさん:当たり前のことの大切さに気づいたとき、人に聴いてもらうことも同じだなと思ったんです。そこからポップスに向き合うっていうことを意識していますね。作る音楽や歌詞は変わってないですけど、表現としてもっといろんな人に聴いてもらえるような、ポップスを作ることを自分の大きいテーマにしています。

真琴さん:音楽に関してはふたりと同じ考えで向き合っています。作っていく中では、常に3人で話し合いながら作ることを大事にしています。だから今が一番お互いの歯車をきちんと噛み合っていると思うんですよね。

熱量をそのままに、3人だからできる音楽を。

――来月1日には新潟で初のワンマンライブが開催されますね。

真琴さん:アルバムを出した後、ちょうどいいタイミングでライブができることになったんです。新潟では「GOLDEN PIGS BLACK STAGE」、その後東京の「下北沢THREE」でワンマンライブを開催します。

CHIPPIさん:「GOLDEN PIGS BLACK STAGE」は以前ツーマンをしたことがあったんですけど、自分たちだけで埋めたいって思っていたのもあったんです。

――掲載後の1月18日には「Zeep Haneda」でのライブも控えています。

Yoshinaoさん:E.scene史上最大規模のライブですね。

CHIPPIさん:加藤シゲアキさんが主催しているだけあって、ジャンルの違うバンドや僕らを知らないお客さんが多いと思うんです。もっといろんな人に知ってもらえるいい機会をいただけて、とても嬉しいですね。

――ライブではどんなことを意識して臨まれているのでしょうか。

CHIPPIさん: 僕たちはボーカルとベース、ドラムの3人でやっているけど、他のバンドはここににギターが入っていることが多いので、音の大きさやきらびやかさを洗練していかなきゃって思ってます。音楽以外でも伝えられることができるのがライブの良さだと思っているので、そこでどれだけ心をつかめるかはすごい意識してますね。

真琴さん:曲のつなぎ方は特に意識していますね。ギターがないだけでもライブの雰囲気は変わってくるので、3人の魅力が伝わるようにしています。

――ワンマンライブに向けて、意気込みをお願いします。

CHIPPIさん:3人の空気感を音楽にのせて、それをライブで皆さんにお届けできたらいいかなと思います。いい意味で肩肘張らず、今まで積み重ねてきたものを出したいですね。

Yoshinaoさん:単純に熱量があるライブがしたいですね。自分たちの好きな音楽を突きつめてやっているので、来てくれたお客さんにも良さが伝わるような熱い音を届けたいです。

真琴さん:今まではライブの中で背伸びをする瞬間が結構あって、等身大の自分で挑んでいたことがちょっと恥ずかしいと思ってました。でも最近は、今までやってきたことを背伸びをせず、かかとをちゃんと地べたにつけて等身大でライブができたらなって思います。リハーサルでも熱量がどんどん上がってきているので、もっとギアをあげてお客さんと楽しんでいけたらいいですね。

E.sceneのワンマンライブ「All Around You」が新潟と東京で開催されます。普段のライブでは見ることができない、CHIPPIさんとYoshinaoさんのMCも聞けるかも。一度聴いたら頭から離れない音楽を、ぜひ会場でお聴きください。

<イベント情報>

E.scene Oneman Live”All Around You”
 

新潟公演

日時:2025年2月1日(土)

会場:新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE Open 17:00 / Start 17:30

東京公演

日時:2025年2月7日(金)

会場:下北沢THREE Open 18:30 / Start 19:00

E.scene

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