球界一の“真っすぐな男”は誰だ?ストレートの投球割合が高い投手ランキング
直球一本で勝負する投手たち
投手の基本はストレート。野球を始めた少年が最初に覚える球種であり、最も投げやすいボールでもある。
それは高校、大学、社会人どのカテゴリーでも同じ。プロに入っても投手の基本がストレートであることは変わらない。だからこそ差がつきにくく、変化球も交えて打者の目先を変え、タイミングを外さないと抑えられないわけだ。
それでもストレートにこだわり、ほぼ直球一本で勝負する“真っすぐな男”は誰だろうか。6月4日終了時点で10投球回以上の投手を対象に、ストレートの割合が高い投手をランキングにしてみた。
ソフトバンクのヘルナンデスが1位、日本人ではDeNA入江大生
堂々の1位はソフトバンクのダーウィンゾン・ヘルナンデスで、ストレートがなんと82.4%を占める。2023年7月に戦線離脱したリバン・モイネロの代役として入団した左腕だ。ただ、平均球速151.7キロ、最速156キロとスピードはあるものの、被打率.293とやや打たれており、今季は15試合で2敗4ホールド、防御率5.27。5月22日に登録抹消されている。
2位はロッテのタイロン・ゲレーロで78.6%。2022年以来3年ぶりにロッテに復帰した右腕は、いずれも今季の日本球界最速の平均157.7キロ、MAX163キロをマークしている。スライダーが18.6%とほぼ2球種だけで勝負しており、ここまで1勝3敗1セーブ4ホールド、防御率4.26の成績を残している。
ロッテはほかにも5位の横山陸人(70.9%)、7位のブライアン・サモンズ(69.0%)、8位の菊地吏玖(66.5%)と計4人がトップ10入り。“真っすぐな男”が多いチームだ。
3位はDeNAの入江大生で73.7%。日本人で球界一の“真っすぐな男”はストレートの空振り率も12.5%と高く、被打率も.130と優秀だ。24.3%のフォークとの2球種でクローザーとして1勝1敗12セーブ2ホールド、防御率1.27をマークしており、今や欠かせない存在となっている。
日本ハム田中正義は73.5%
4位は73.5%の日本ハム・田中正義。2016年ドラフト1位で5球団競合した右腕はソフトバンクでは苦しんだが、近藤健介の人的補償として移籍した日本ハムで素質開花した。フォーク(13.5%)、スライダー(13.0%)も交えながら1敗10セーブ3ホールド、防御率1.76をマークしている。
6位は巨人のカイル・ケラーで69.4%。ストレートの空振り率は12.9%と10傑で最も高く、被打率も.125と優秀だが、5月31日の中日戦で8回に決勝点を献上して負け投手となり、6月2日に登録抹消された。
9位は65.2%の阪神・工藤泰成。明桜高、東京国際大、四国アイランドリーグ・徳島から昨秋の育成ドラフト1位で入団した右腕は、3月に支配下登録されて開幕一軍入り。平均球速154.4キロ、最速159キロのストレートとフォーク、スライダー、カットボールを使い分けながら中継ぎとして14試合に登板していたが、6月5日に登録抹消された。
10位は西武の佐藤隼輔で64.8%。ストレートの空振り率は2.1%と低く、被打率も.333と打たれているため、スライダー、チェンジアップ、ツーシーム、パームと変化球も駆使しながら中継ぎとして6ホールドを挙げている。
ストレートはシンプルだからこそリスクも高く、磨き上げるのも大変な球種で、だからこそ奥が深いとも言える。これからも“真っすぐな男”たちの活躍に期待したい。
※成績は2025年6月4日終了時点
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記事:SPAIA編集部