暑い夏、どう乗り切る?
「私たちの未来は、私たちで作る!」パーソナリティに小泉今日子さん、大石英司さん、上村彩子さんを迎え、あなたの「困りごと」、「モヤモヤ」、「お悩み」、もしくは、「変えていきたい社会の課題」などを通して、みんなで一緒に「これから」を考えていく番組です。
今回も、リスナーの方からいただいたメッセージに、スタジオの3人がこたえました。
わたしは太陽光発電システムの販売/設置をメインとした企業に従事しています。いっときの太陽光バブルも終わって、職場では太陽光についてご理解いただけないお客様に毎日お会いします。よく話題に上がるのが、環境破壊につながる懸念や、2040年に訪れると云われている、太陽光パネルの大量廃棄問題などです。「今、わたし自身が携わっている活動が、本当に未来のサステナブルに沿っているのか、モヤモヤしながら過ごしている」のも事実です。今日子さんなら、私の思考になった場合、自分自身にどう言い聞かせますか?また、大石さんは、専門分野としてどのようなお考えをお持ちなのかお聞かせください。
小泉:そっか、こういう気持ちになっちゃたら、お仕事するのも苦しい時があるでしょうね。どんなことでも、いいところと悪いところっていうのが必ず出てきて、「何かに比べてこっちの方がいいんじゃないか」っていうことで少しずついい方向に進めていくしかない。だとすると、今、自然エネルギーの方が従来のものよりはいいんですよね?
大石:気候変動対策としては、CO2を出さないから。
小泉:でも、何かに変わる時って、どうしても反対意見もたくさん出る。SNSとかを見ていても、ソーラーパネルに対してすごくネガティブなご意見とかも見かけたりするし。どうなんですか?
大石:そうですよね。うちの会社にもよく質問があります。太陽光パネルの大量廃棄の問題とかって現状で言うと、「災害でダメになったパネルはどこにいくの?」となると、産業廃棄物で処理される。だから最後は埋め立てになっちゃうんですよ、今はね。だけど、技術的にはアルミと、ガラスと、中の金属って全部分離できるんですよ。解体して再資源化するラインがあれば、製造工程を作れば、技術的にはリサイクルできる。
小泉:そっか、素材としては。次の使用目的、再生されるなにかと繋がればその問題が少しなくなるって感じですよね。
大石:技術的にはリサイクルできるんですけど、仕組みが整っていない、っていうかんじ。でも、国も法律で義務化するっていう話もあって。太陽光発電所を作るときに廃棄のことも考えて作りましょう、と制度化しようとしているから。そうすると仕事になっていって、仕組みになっていくかもしれませんね。
小泉:それが全世界の問題になっていくと、結構早くに解決するかもしれませんね。あとは、山の上とかに作り過ぎて景観が損なわれたり、土砂崩れにつながるんじゃないか、みたいな懸念はあるけどね。
大石:めっちゃありますよ。だから、「太陽光発電だからオールオッケー」ではないと思うんですよ。それがどういう思いで、どういうものか、どういう人が作っているのか、っていうところがとても大事だと思っていて。山ごと削るメガソーラーもありますから。
小泉:そういうの、みたことあります。
大石:びっくりしますよ。「山2つくらい削っちゃうの?」みたいな計画が普通にあったりするんですよ。その土砂、どこに持っていくの?とかね。それでパネルの寿命が来たらどこにいくの?そのままそこに捨てていいわけ、ないですもんね。太陽光発電とか、こういう技術の進歩の時っていいこと、悪いことがあるわけだけど、全部がいいわけじゃない、っていうのは僕らも冷静にね。
小泉:そう。それを認識しながら前に進んでいって、同時に解決法も進めていきながら、次のステージに行くしかないですもんね。
大石:大事なのは、儲ければいいって話じゃない、ってことですよ。その前に大事にしなきゃいけないことがあるんじゃないか、っていうところでいうと、このリスナーさんの思いもしっくりきますけどね。
小泉:同じ思いをしてるんじゃない?
大石:同じ思いしてるの。モヤモヤ。再生可能エネルギーでも、同じじゃないよって。
上村:そして東京都が気候危機に立ち向かうためにひとりひとりにできる取り組みとして打ち出している「HTT」というキーワード、耳にしたことはありますか?東京都は気候危機対策のアクションとして太陽光をプッシュしています。
H:「へらす」・節電する
T:太陽光などで電気を「つくる」
T:発電した電力を蓄電池で「ためる」・それを効率的に使う
小泉:そうなんだ、知らなかったです。
大石:貯めるのは大事。今って、晴れてる日の昼間の電気ってすごく余ってるんですよ。太陽光発電が発電しまくるから。だから、昼間の方が電気が安いんですよ。夕方が一番高い。
小泉:そうか、炊事とかも一気に始まるから。
大石:あと、太陽が沈んじゃうから。だから昼間にお湯を沸かしたり、電気を使ってくれた方が国的にはいいんですよね。
小泉:充電とか?
大石:そういう意味で言うと、「T:ためる」は大事なこと。
小泉:そうね、夏だし明るいからね。
大石:だから、電力を昼間にためて、夕方に売っちゃうとか。儲かっちゃう可能性もあるので。
小泉:売りたい。私、ため上手になりそう。
5つの都市が参加する「アツい街サミット」「遊んで冷やせ!」水風船バッティング
お悩みから視点を広げて、こんな話題も紹介しました。
小泉:ちょっと、楽しそうじゃない?みんな好きじゃん、なんとか…なんとかマウンテンみたいな…
大石・上村
スプラッシュマウンテン?笑
小泉:そうだわ、専門家がいたわ。笑
大石:それこそ、ディズニーでもパレードとかで水掛け合ってませんか?
上村:そうです。夏のイベントでありますね。
大石:これもちょっとしたアトラクションで、ミッキーの代わりにおじさんが水をかけてくれるっていう。
一同:(笑)
小泉:そういうの楽しいからね。私が子どもの頃とかは、家の前が舗装されてなかったりしたわけ。砂埃も立つから、暑い日にホースで水をかけたり、アスファルトになってからも暑いときには1日2回くらい打ち水してたんです。そういう効果もありそうじゃないですか。その辺りの気温がぐっと下がったり、しそうですよね。
上村:埼玉県・熊谷市では水風船バッティングが行われたそうです。野球教室に通う子どもたちがバット振って、1000個の水風船を割りました。
小泉:私、中学生の時、よく水風船の投げ合いしてました!
大石:やってた、やってた。
上村:「打ち水をやろう」って集まるよりも、「水風船バッティングやろう」って言ったら子どもたちも「やる!」ってなるかもしれないですね。
小泉:この暑い夏を工夫していること、ありますか?
大石:番組ディレクターが服に冷感スプレーをかけたら涼しくなるって言ってたじゃないですか。試したの。なんかね、ちょっとカッカしましたよ。瞬間冷却される感じだった。
小泉:私たちの現場でも使ってます。あと、監督がついに扇風機付きのベストを買ってました。
大石:みんな、対策してますね!
(TBSラジオ『サステバ』より抜粋)