夏休みの自由研究で【ザリガニを釣って食べてみた】外来生物駆除の意味合いも
「今年の夏休みの自由研究は何をやらせよう?」我が家の長女がまだ小学校3年生だった頃、この悩みを即解決してくれたイベントが福島に存在しました。それは2000年ころから裏磐梯で繁殖しはじめたウチダザリガニの駆除。当時の様子を綴ります。
裏磐梯の「ウチダザリガニ駆除体験」とは
裏磐梯エコツーリズム協会(当時は裏磐梯観光協会)が企画している子供向けの体験型のイベントで、「増えすぎてしまった特定外来種であるウチダザリガニを釣って食べてしまおう(駆除してしまおう)」というもの。
今でこそ、ウチダザリガニはネットで検索すると多くの情報が出てきますが、当時は検索しても殆どヒットすることのない、筆者にとっては未知の生物でした。
そんな「未知の生物」を、手ぶらで行って釣ることができ、且つその場で食べることができ、加えて夏の家族旅行便乗、子供の夏休みの自由研究もクリアという、一石二鳥どころか、四鳥のイベント。もう、速攻で予約でした。
ウチダザリガニとは
ウィキペディア等の情報によると、ウチダザリガニは1930年頃にアメリカのオレゴン州から食用にするために農林水産省により北海道の摩周湖に輸入されたとのこと。その後養殖に成功し、残念ながら持ち出しによって北海道各地に広まってしまったそうです。
現在では駆除体験イベントを行っている福島県の裏磐梯(小野川湖、檜原湖)で生息が確認されている他、長野県、滋賀県(淡海湖)、千葉県(利根川)、福井県(九頭竜個)でも確認されているのだそう。
食性はアメリカザリガニ同様雑食で、魚類や底生生物、中でも水草が大好物らしく、特別天然記念物に指定されている阿寒湖のマリモも被害にあっているそうです。
家族で裏磐梯へ!
集合時間は午後2時だったので、午前中は檜原湖の遊覧船に乗ったりして、いわゆる「一般的な観光」を楽しみ、ちょっと遅いお昼ご飯を食べて現地入り。受付を済ませ、定刻を待つ間はポイントとなる池や小川を散策チェックします。ウチダザリガニは夜行性なので、それを頼りに「ここにいそうだ」と思われるポイントに目星をつけます。
定刻の2時になると、まずは協会の職員さんによる講義が始まる。「ウチダザリガニとは?」「特定外来生物とは?」ふむふむ。子供向けのイベントと聞いていたけど、大人の筆者が聞いても、とても面白い内容でした。そして講義が終わると、待ちに待ったウチダザリガニ釣り!職員さんにバケツと網とエサ付きの竿をもらい、皆思い思いのポイントに散っていきます。
1チーム2人までとなっているので、我が4人家族は女子チームと男子チームに分かれて釣りを始めます。因みに男子チームは、筆者と3歳の長男のペアなので、筆者は終始おもり&写真撮影担当に徹することとなりました(HPによると、現在は小学生以上が対象)。
ウチダザリガニ登場
釣りが始まり数分が経つと、周りではキャーキャー歓声があがりだす。本命であるウチダザリガニがあちこちで釣れだしたようです。そして我が家期待の女子チームからも黄色い歓声が!カメラを準備して見にいくと、いきなり大物を釣っていまいた。ナイス!
釣りの制限時間は1時間で、我が家族は女子チーム11匹、男子チーム1匹。筆者のミッション(写真撮影、3歳の下の子のお守り&最低1匹は捕まえさせる)も無事コンプリートでき、とりあえずは大成功といえる結果!
そして何より、女子チームの11匹という釣果は、トップの13匹に次ぐ準優勝。しかも全体でダントツ一番の大物を確保!「すいませ~ん、写真撮らせてくださ~い!」って、数組の親子に声をかけられました。(笑)
釣ったウチダザリガニを食べる!
釣った後はお食事タイム。釣ったウチダザリガニにプラスして、職員さんが事前に用意してくれたウチダザリガニも一緒に大きな鍋で塩茹でにしてくれ、それを参加者全員で食す。
食味の率直な感想としては……これ、予想以上にプリプリで美味しいんですよ。特に大きい爪の中に入っているヤツ。
途中、大皿の横に醤油やマヨネーズも用意してあることに気づき、途中からこれをつけて食べたのですが、もうビールが欲しくてたまらないレベル。「ノンアルでもいいから持参すればよかった」が反省点でした。
夏の家族旅行におススメ!
コロナ禍で一時期休止していたイベントなのですが、この記事を書くことになったことから改めてHPを確認した所、無事に再開されているとのことでした。釣って食べて学ぶ。このイベント、とにかく楽しかった記憶があります。
ただし、帰宅後に取り掛かかった子供の自由研究については……実はほとんど記憶がありません。恐らくですが、宿題は協会から頂いた資料ほぼ丸写しだったのだと思われます。まあ、そんなかる~い自由研究もヨシとしましょう。(笑)
尚、この記事は10年前に体験した時のもの(日記)を基に書いたものなので、お出かけの際はHP、場合によっては電話やメールで問い合わせの上、お出かけください。
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>