声優・鈴村健一「『勇気爆発バーンブレイバーン』の主題歌はオタクが想いを込めて歌っています!」
今回の『ふらっとトピック』では、声優の鈴村健一さんをゲストにお迎えしました!
声優さんが売れるジンクス…とあるラジオ番組にメールを送る!?
鈴村:ラジオ関西さんで老舗の30年くらいやってる『ラジメニア』って番組があるんですけど、その番組は僕が初めて手紙を書いて読まれた思い出の番組で、それを今でも聴いてます。
髙橋:え~!
向井:それは自分が声優になる前ですか?
鈴村:なる前です。なる時に「僕声優になるのでデビューしました」っていう手紙をその番組に送って。僕は大阪にいたんですけど東京に出てきて、今みたいなradikoはないので読まれたかどうかわからなかったんですけど、だいぶ経って声優としてちゃんと名前が出てきて、そのラジオ番組にゲストに呼ばれたときに「すみません、実はあれ読まれてました」って言われたみたいな。
向井:へ~!
髙橋:じゃあメールにお名前も書かれてたんですか?
鈴村:本名バリバリで書いてました。
向井:でも、聴けないときに確認もできないのになんで送ったんですか?
鈴村:前に同じように先輩が「デビューします」って手紙を送って本当に売れた先輩がいたんですよ。
髙橋:ジンクス的な?
鈴村:僕も、やったろう!と思って。僕もいつか売れるためにやるしかないって儀式的にやったんですけど、ちょうど本当に大阪を出る直前だったので確認できず。一応でも読まれないかなと思って当時はベランダでアンテナを伸ばしに伸ばしてこうやって…。
向井:ありますよね、大阪の電波を拾えないかなってチャレンジはしたんですね(笑)。
鈴村:やりましたね。雑音リスナーってやつですけど。めっちゃ頑張りましたけど謎の言語がよく聴こえてきて。
向井:どこかの国がね(笑)。でもそのジンクスがちゃんと叶って!
鈴村:そうなんですよ。おかげで声優になれました。
向井:今もなお続いてる番組ですから。
鈴村:今も聴いてます。
向井:声優を目指す方はこのジンクスで送ってみてもいいかしれませんね(笑)。
朝の帯のラジオはやってた2年間は人生で一番きつかった。でも…
向井:TOKYO FMの『ONE MORNING』を2019年4月から2021年3月まで担当されてたということですけど、引き受けるの勇気いりませんでした?
鈴村:めちゃくちゃいりました。
向井:朝6時から9時の生放送で、月~金をやるわけですよね。なかなか生活の中心になるじゃないですか。
鈴村:でもやっぱりラジオ好きで…断れないじゃないですか、やっぱり。夢なんだから、とか思って…。6時~9時だったんですけど、声優の仕事って基本的に10時から始まるんですよ。
向井:そうんなんですね。
髙橋:早い。
向井:だから、そこの時間にかぶることはない。
鈴村:時間がかぶることはない、っていうのが決め手で。
向井:だからこの番組でいうと11時まであるんですけど…そういう番組だったら受けてなかった。
鈴村:受けなかったかもしれないです。ただ、今思えばその方がいいなって思ってます。
向井:どういうことですか?
鈴村:えっと…朝6時は早すぎです(笑)。
向井:何時に起きてたんですか?
鈴村:最初の頃は4時起きで…だんだん4時半とかになってきて、5時入りとかになっていって…って感じでしたけど。
向井:でもあくまで声優さんっていうメインの本業にこの仕事がプラスってなると肉体的にも精神的にもやっぱりきつかったですか?
鈴村:ぶっちゃけめちゃくちゃきつかったです(笑)。人生の中で一番きつかった2年間はこの2年間ですね。
髙橋・向井:(笑)。
鈴村:それはもう本当、嘘もなく本当にそうです。
向井:やってよかったなと思うところで言うと?
鈴村:でも、良かったことばっかりですね、やっぱりラジオが好きだったので帯ができたっていう夢も叶いましたし、本当にモノの見方みたいなことの視野ってめちゃくちゃ広がったんですよね。で、リスナーさんがどう思ってるかとかがやっぱりいろんな角度でくるんですね。本当に忌憚なき意見もすごくくるので。なんていうか、できる限り中立というか、真ん中にいるように中央でいようっていうことで喋ってたんですけど、そういうことやってるとやっぱりいろんなところから意見が来たり…こういうこと考える人がいるんだとか。そういうことにいっぱい触れることができたので、世の中の見方とか自分の生き方とか立ち位置とかがかなり違ってきましたね。いい方向に自分では向かったかなと思います。
向井:忌憚なき意見の向き合い方って皆さんそれぞれ個人個人違うじゃないですか。そういう意見に「何言ってんだよ」ってなる人もいるし「なるほどな」って糧にする人もいますけど、鈴村さんはどうですか?
鈴村:そうですね…本当に荒唐無稽なものって自分に刺さらないことなんですよね。要はその…関係ないっていうか。だから言われもないものは僕には関係ないことだからそれは別にスルーすべきだと思うんですよね。
向井:はい、はい。
鈴村:そうじゃないものって「なるほどな~」なんですよ、基本的に。「その考え方は僕にはなかったけど、そういう考え方もあるかも」とか思えること。だから逆の考え方でもすごいなとか思うことが多いですね。
向井:吸収していく。それで自分の幅を広げていくというか、考え方を広げていくんですね。
鈴村:そうですね。
『勇気爆発バーンブレイバーン』の主題歌は「オタクが想いを込めて歌っています!」
向井:オリジナルTVアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』がTBSで放送中ということですけど。 今流れている主題歌、これも、ザ・昔のロボットアニメのテーマソングっていう感じで。これを歌ってらっしゃるのが?
鈴村:僕です。
髙橋:え!そうなんですか!
鈴村:ブレイバーンの声をやっている僕が歌っております。
向井:やっぱり昔のロボットアニメの感じを意識しました?
鈴村:僕ね、こういうものが大好きなんです!さっき言ったようにオタクなので。オタクが想いを込めて歌ってます、これは。もう…この時代のアニメとかにリスペクトが半端ないんですよ。なので本当にそういう要素をたっぷり詰め込んで。なんか…運命を感じました、この作品に出会えたのが。
向井:確かに見させていただいたんですけど、シリアスな戦争の…各国、アメリカとか日本とかの軍事演習のシーンから始まって、令和のロボットアニメってこういうもんなんだなと思って見てたら…昔のロボットアニメを要はちょっとメタ的にイジってる感じですよね。 鈴村:そうなんです、おっしゃる通りで。『勇気爆発バーンブレイバーン』ってタイトル…実はこれが『勇者シリーズ』って言われる昔のロボットアニメがあるんですけど、それを喚起させるタイトルになってて、そういうものをちょっとオマージュしてるようにも見えるっていうとこがミソなんですよね。
1話の「なんだこの曲!」はイサミ・アオ役 鈴木崚汰さんのアドリブ!
向井:1話目の絶妙なタイミングで主題歌がBGMで流れるんですけど、普通こういうロホットアニメって我々が聞いてるBGMっていうことなんですけど、おもしろいのが、操縦している主人公が「なんだこの曲!」って(笑)。
鈴村:言っちゃうんですよね(笑)。中で聞こえてるんだコレって(笑)。
向井・髙橋:(笑)。
向井:この仕組み見たことないって…こんな(笑)。
髙橋:メインのキャラが視聴者目線でセリフを言ってくれるのもですよね。
鈴村:しかも、鈴木君はあれをアドリブで言ったんです。
向井:え!?セリフなかった…?
鈴村:台本に、そういうに機内で聞こえてるみたいなト書きは書いてあるんですけど、それを受けて彼は、わざとアドリブで「なんだこの歌は!」って言ったのを採用してもらったんです。だから彼のその勇気とそれを採用した作品愛みたいなものが…あれが作品を物語ってて。あれがアドリブ即興で出てきたのはすごいことなんですよね。
向井:へー!このアニメを作ってらっしゃる、関わってる皆さんのおもしろいことやっていきましょうよって空気はやっぱりすごいですか。
鈴村:すごいありました、収録のとき。多分にそういうオマージュが入ってるので…僕もオタクなのでわかるんですけど、これってあの作品のあれですよね?みたいなことを言いながらゲラゲラ笑ってみたいな、そういう感じの現場でとても楽しいですね。
人間役で来ていたオーディション、バーンブレイバーンの声を送る
鈴村:僕、自ら宣言してブレイバーンの声のオーディション受けさせてもらってんですよ。本来人間役でオーディションがきてて…ロボット物なんですけど鈴村さんどうします?って言われて、「ちょっと待て…」って資料見て、「このロボは僕が声のオーディションやらないと僕はダメな気がする」って事務所のスタッフに言って、ロボットの方の声を送ろうって言って。自分で選んでロボの方を受けたんです。
向井:そっちを受けたいってご自分の意思なんですね。
鈴村:そうなんですよ。やりたくて仕方なくっていうその結果がこうやって選んでいただけたっていう。
向井:いや~これはぜひ!もう既に見てらっしゃる方もいるでしょうが、まだ見てない方も…昔のロボットアニメ見てたって方もそうですし。
髙橋:ロボットアニメを全然見たことがないって私でも楽しめました。
鈴村:そういう方でも本当におもしろいですよね。