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菊池風磨が緩急で魅せるハマり役 『ファイトソング』にもたらすバランス

ドワンゴジェイピー

菊池風磨が緩急で魅せるハマり役 『ファイトソング』にもたらすバランス

放送中の火曜ドラマ『ファイトソング』(TBS系、毎週火曜よる10時)で、ヒロインを一途に想う幼馴染・慎吾役の菊池風磨(Sexy Zone)が視聴者の心を惹きつけている。菊池が演じる慎吾の存在が、ドラマの一つの“バランス”をとっているように見える。



第1話が放送されると、「ハマり役すぎて優勝」「もろ菊池風磨」「代表作になりそう」などと、役へのハマり具合にSNS上は大いに沸いた。Twitterのトレンドには、「菊池風磨」というワードの他、「慎吾ちゃん」や「レッツダンス(慎吾の言ったセリフ)」などもランクインするなど、ドラマ名のトレンド1位に貢献し、盛り上げていることは間違いない。


ドラマは、事故で空手の夢破れ、前に進めない花枝(清原果耶)と、一発屋でクビ寸前のミュージシャン・芦田春樹(間宮祥太朗)が運命的な出会いをして、初回で芦田が花枝にまさかの「俺と付き合ってくれない?」。先週の第2話では、それぞれ切実な理由を持ちながら、期間限定で恋に“取り組む”ことを決めるという展開。

恋愛偏差値0の花枝と芦田の微妙な関係を、清原と間宮が絶妙の間でおかしく可愛らしく見せていて、推したい2人になっていく。菊池が演じる慎吾は、“当て馬”的ポジションなのだろうと想像してしまうが、第2話にしてすでに出る幕なし?な雰囲気さえ漂う。それでも、報われて欲しいと願う視聴者は多いようだ。


慎吾は「見た目はチャラいが、優しくて明るく天真爛漫な性格」。菊池のルックス、場を和ませる空気、愛嬌をもってすればお手の物といったところだろうか。のびのびと演じていることは画面からも伝わってきて、時折はさまれるゴキゲンな鼻歌(熱唱?)や台詞回しに、つい顔がほころんでしまう。TBS火曜10時枠のドラマは、これまでの流れからすると明るくポップな雰囲気を期待している視聴者が多いだろう。そんな中、この『ファイトソング』はヒロイン・花枝が聴神経腫瘍で耳が聞こえなくなるかもしれない、という苦しみを背負っている。さらに、花枝が運命的に出会う芦田は“負のオーラ”をまとい、屋上から飛び降りようとすらしている。花枝と芦田の会話は、探り探りでテンポはおおむねゆったり。特に芦田は不器用なタイプで話し方もたどたどしい。この二人の会話はその何とも言えない間や表情に魅力があると思う。一方、花枝と慎吾の会話は、遠慮のない掛け合いが楽しい。菊地が仕掛けるアドリブに清原が「楽しくなって応えてしまう」という空気感も反映されているのだろう。底抜けに明るい慎吾を筆頭に、児童養護施設の面々の明るさがドラマの雰囲気をぐっと明るくし、会話のテンポを生み出している。


初回は、とびきりの明るさと花枝を想う優しいまなざし、でも叱るところはまっすぐに叱るという人間力も見せた。仕事をちゃんとやっていなかったと明かした花枝に、「俺命懸けでやってるし、魂削ってやってんだよ。そういうのムカつくわ。ふざけんな。最低だおまえ」。いつも陽気な慎吾が見せるマジな顔。慎吾のセリフは真っすぐに響く。その後、花枝が「うまく言えないけど、わかんないんだ」と返すと、「何が?」と声色が変わる。その響きには人に寄り添う愛情がたっぷり詰まって感じられた。


第2話では、花枝と芦田が急接近するのが面白くない慎吾。それでも、ずっと泣かなかった花枝が、芦田の前で泣いたと聞き、芦田に感謝を述べる。自分の花枝への恋心よりも、花枝の心をいちばんに思って。ずっと見てきた花枝の歴史を知っている慎吾だからこその言葉。それは、裏を返すと“芦田の存在がやはり特別”だということを証明しているようでもあった。

キラキラまぶしい笑顔の花枝に芦田を紹介され、「何も言えねぇじゃねぇかよ」と笑うしかなかった切ない横顔は、「100点満点の表情」「切なすぎるけど最高の当て馬」「あんなに繊細な表情できるの…」「どんどんマジな顔が見えてくるの刺さる」と反響を呼んだ。菊池自身が「めちゃくちゃいい役」と語るように、慎吾のキャラクター自体の魅力と菊池の演技の魅力があわさって、応援したくなるキャラクターが形作られ、これからさらにどんな表情を見せてくれるのかと期待がふくらんでいく。慎吾は花枝に自分の気持ちをまっすぐ伝える時がくるのか…想像すると心がギュッとなる。


それともう一つ、藤原さくらが演じる幼馴染・凛とのシーンがとてもいい。思ったことをズバズバいう性格の凛だが、実はずっと慎吾のことが好き。第2話、理容師である凛が慎吾の顔そりをするシーンは、2人の空気にほっこり。芦田を偵察にいった慎吾が「いい奴っぽかった」と話すと、凛は「へぇ」とだけ言ってやさしい顔。ふと目が合い、凛はあわてて慎吾の顔をグイっと動かして「邪魔とか妨害ってさ、恋の後押しするだけだって知ってた?」とごもっともなアドバイス。「え!!マジで!」と焦る慎吾に「バーカ!」と言った後の凛の顔は、とびきり可愛かった。どことなく雰囲気が似ている2人のシーンは、楽しいけれど切なくて、慎吾の恋も凛の恋も応援したくなってしまう。恋の矢印だらけなのに、総じてほっこりするキャラクターの良さがドラマ全体を包む。


慎吾として緩急を表現しながら、ドラマ全体のバランスをとる菊池の存在。放送前「僕が火曜よる10時枠に呼んでいただけると思ったことがなかった」と出演オファーへの驚きをコメントしていたが、火曜ドラマでこのポジションは、恋が報われる報われないに関わらず人気を押し上げてくれるはず。芦田を演じる間宮祥太朗も、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』で恋に破れたものの、その人気は回を追うごとに高まりを見せた。本作の制作発表で「後半になって僕がこの現場になれてきたら、もう手つけられなくなっちゃうかも」とアドリブ量産宣言もしていた菊池が、最終回を迎えるころどんな芝居を見せてくれるのか楽しみだ。


今夜の第3話、片思いは大渋滞?花枝と芦田の“恋の取り組み”が気になる慎吾は2人の後を付けるようだが…。慎吾の切ない横顔や凛とのシーンにも注目しながら『ファイトソング』を楽しみたい。


文・長谷川裕桃


第3話あらすじ

芦田(間宮祥太朗)と期間限定で“恋の取り組み”をすることにした花枝(清原果耶)。目一杯のおしゃれをして人生はじめてのデートにでかけるが行き先は、お世辞にも初デート向きとはいえない敷居の高い高級和食店……!自分たちの恋愛偏差値がかなり低いことを痛感しながらも、花枝はワクワクし心が動くのを感じていた。


鼻歌まじりに帰ってきた花枝は、直美(稲森いずみ)たちに、芦田と“恋の取り組み”を始めたことを報告!しかし慎吾(菊池風磨)は、突然の恋のライバル(?)登場に思わずイライラ……親友の凛(藤原さくら)は、花枝がそんなおかしな“取り組み”をするには何か理由があるのではと気になっていた。


その頃芦田も、マネージャーの弓子(栗山千明)と元バンド仲間の薫(東啓介)に、花枝とのことを打ち明けていた。

良い曲を書くためとはいえ、芦田が本当に“恋の取り組み”を初めてしまったことに呆れる弓子。しかし、実は弓子もまた、芦田に抱く密かな想いを自覚して動揺していて…?


そんなまわりのやきもきを知る由もない花枝と芦田は、デートの仕切り直しで中華街デートを決行!いてもたってもいられない慎吾は、こっそりと2人のあとを付けるのだが…。



■火曜ドラマ『ファイトソング』
毎週火曜よる10:00~10:57

(C)TBS

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