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夜蛾の最期、パンダの涙。その瞬間に何を思い、どう受け止めたのかーーTVアニメ『呪術廻戦』第3期「死滅回游 前編」連載インタビュー第8回:パンダ役・関智一さん×夜蛾正道役・黒田崇矢さん

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

『呪術廻戦』第3期「死滅回游」が、2026年1月8日(木)より放送中です。

放送にあわせ、アニメイトタイムズでは連載インタビューを実施。第8回はパンダ役・関智一さん×夜蛾正道役・黒田崇矢さんの対談をお届けします。

先日放送された第52話(第3期5話)では、特別な呪骸であるパンダの出自、そして夜蛾の最期が描かれました。二人にとって重要なエピソードを振り返りつつも、インタビューは冗談を交えた和やかな雰囲気。

一連のシーンを、キャストのおふたりがどのように演じ、どのように受け止めたのか。作品と長く向き合ってきたお二人の言葉から、第3期の一幕を振り返ります。

【写真】TVアニメ『呪術廻戦』第3期 関智一&黒田崇矢、パンダと夜蛾の想いに迫る【インタビュー】

『呪術廻戦』は我々の心を掴んで離さない

ーー第3期が放送開始となり、大きな話題を呼んでいます。第1期の放送からは、既に5年以上が経過しました。

夜蛾正道役・黒田崇矢さん(以下、黒田):もうそんなに経っていたのか。

パンダ役・関智一さん(以下、関):ありがたいですよね。人気作に出させてもらって。今って作品がいっぱいあるじゃないですか。その中で、人気を保って続いているというのは幸せです。

黒田:本当に嬉しいですね。色々な作品をやってきましたけど、どの作品のスタッフ陣も、一生懸命ヒットさせようと頑張っています。時代やタイミングなども含め、思うようにいかない作品もある中で、『呪術廻戦』の人気はすごいですよね。

ーー関さん演じるパンダはマスコット的なキャッチーさもあって。

関:そうですね。ある雑誌のパンダ企画に「『呪術廻戦』でパンダを演じている人」として出たこともあります(笑)。そういう広がり方もしていて、嬉しい限りです。

ーーおふたりが思う『呪術廻戦』の魅力はどこにあると思われますか?

黒田:私は歳を取ってから、あんまり漫画を読まないで生きてきた人間なんですよ。『呪術廻戦』もアニメで楽しんでいます。そんな私でも思わず引き込まれてしまう作品です。

正直、複雑で難しいところもあるので、時々わからなくなることもあります。でも、絵やリズムのおかげで、知らないうちにぐーっと入り込んでいく。作品自体の力はもちろん、映像・音響も含めて、才能のある方たちが工夫を凝らして作ってくれているからだと思います。

関:シンプルにかっこいいですよ。キャラクターのビジュアルも映像も。呪いや術式で戦うシーンは、少年心をくすぐりますし、ちょっと憧れちゃうじゃないですか。

あと、日本に馴染みのある世界観でもありますよね。そういう意味で、とっつきやすいのかもしれないです。おばあちゃんの家に行ったら、御札が貼ってあったとか。

ーー日本人形やこけしがあったり(笑)。

関:そうそう。昔からそういう儀式的なものがありますから。

黒田:最近減ったような気もしますけど、夏場には心霊番組が放送されるじゃないですか。そういう恐怖感やゾワっとする感覚も『呪術廻戦』にはありますよね。私たちが好きな季節の風物詩みたいな。

ーー翻って、先ほどおっしゃっていたスタイリッシュな映像表現も魅力です。

黒田:今回の第52話(5話)で言うと、エレキギターが出てきてびっくりしました(笑)。

関:麦人さん演じる楽巌寺(楽巌寺嘉伸)ですね。

黒田:過去にも描かれていましたけど、未だにびっくりしますよ。展開もキャラクターも術式も想像を越えてくる作品ですね。

夜蛾とパンダのキャラクター像

ーー黒田さん演じる夜蛾学長のキャラクター像について、改めてどのように捉えていますか?

黒田:夜蛾にしたって、あの風貌で自分の息子のようなパンダを作っている訳です。基本は可愛らしいものしか作らないというか。もっと強そうな呪骸や怖そうなものを作っても良さそうなのに。

ーーぬいぐるみ感のあるものが多いですね。

黒田:ああいう一面も、全部ギャップがあって面白いです。

ーー演じる中で、彼の印象が変わることはありましたか?

黒田:全く変わらなかったですね。最初に制作陣と話したイメージのままです。

顔は怖めだけど、根底は温かい。生徒たちや他の人間たち、呪骸たちを愛している。それをあまり表に出さないだけであって、「いざとなったら助けるよ」と。口下手なところもあるけど、「本当に信じられる人間なんじゃないかな」という気がします。

ーーそういう夜蛾が可愛いものを作るという部分には、今っぽさも感じますね。

黒田:そういうギャップがある人って非常に人気でしょう? だったらもっと夜蛾ファンが増えても良いのにね(笑)。

一同:(笑)

関:でも夜蛾が好きな人は、そこに惚れてるんでしょうね。

黒田:やっぱりみんな格好良い五条にいくんですよ(笑)。

ーー(笑)。そんな五条も夜蛾には信頼を寄せています。

黒田:そうですね。五条も含めて、みんなに慕われている男だと思っています。

ーーパンダについてはいかがでしょうか?

関:パンダに関しても、ずっと変わらないキャラクターだと思っています。最初から同級生のメンツに対して、「お父さん」「兄貴」みたいな存在です。

最初はパンダだから、正直どう演じていいのか分からなくて。可愛い方向もあり得るし、そうじゃない方向もありそうだし、時折ちゃんと“パンダ”な瞬間もあって。

そんな中、アニメスタッフとお話して「お父さん」「兄貴」みたいなヒントをいただいたので、「じゃあその軸でやっていこうかな」って。余裕があって、その余裕が包容力に繋がっている。その一本でパンダを演じています。

パンダはパンダじゃない

ーー第52話(第3期5話)では、夜蛾が隠してきた「完全自立型呪骸」の秘密が明かされました。

黒田:今回でやっと、夜蛾の「パンダはパンダじゃない」というセリフの意味を理解できた気がします。当時はその深い意味を理解していない部分もありましたけど……(笑)。

ーー「いや、パンダだよね?」と思いながら(笑)。

黒田:そうそう(笑)。「一体、彼はこのセリフをどういう感情で言うのだろう?」って。我々は台本から様々なものを読み取って演じるので、文字だけ見ると「これ、どういう意味?」となってしまう。

ーーそのセリフに関しても謎が残っていたと。

黒田:更に言えば、これは考察ですけど、今回のエピソードで、どこに行くのかと尋ねられた夜蛾が「息子に会いに」と言いますよね。このセリフと合わせて考えてみると、「パンダはパンダじゃない」というセリフに更に深みが増すというか。

関:確かに。振り返ってみると重みのあるセリフですね。

黒田:今になって、これは私の個人的な解釈ですが「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちています。当時は、そこまでパンダとの関係性を意識して演じていませんでした。ただ、自分が作った呪骸を愛している。そういう感覚だけはずっとありましたね。

「パンダを見るたびに夜蛾のことを思い出してもらえたら嬉しいです」

ーー夜蛾の最期は解釈の余地も広いシーンですよね。個人的に気になっていたのは、楽巌寺に向けての「呪い…ですよ」という言葉です。

黒田:楽巌寺と夜蛾って嫌い合ってるだけの関係じゃなかったと思うんです。深くは描かれなかったものの、根底に通じ合っている部分があるように見えました。

関:パンダも言ってましたもんね。「アンタまさみちと仲悪くなかったもんな」って。

ーー楽巌寺に対して、「俺にとっちゃアンタは落ちてるナイフみたいなもんさ」というパンダのセリフも印象的でした。

黒田:学長たちよりもその上にもっと偉い存在がいて。その圧力の中で、楽巌寺は夜蛾と対立せざるを得なかった。彼の「呪い」という言葉も、楽巌寺個人に向けたものなのか、あるいはもっと大きな構造に向けたものなのか。憎しみだけで終わらせていいのか、それとも別の感情があったのか。そこは、ちょっと複雑な気持ちで演じていました。

ーーどういう気持ちで最期の言葉を発したのか。

黒田:よくあるじゃないですか。死ぬ間際に、殺した相手に対して、憎しみ100%で言葉をぶつけて終わるシーンは。

ーー捨て台詞と言いますか。

黒田:でも、今回の夜蛾に関しては「どうなんだろう?」って。もちろん瞬間的な憎しみはあったかもしれないし、一方で、従わざるを得ない立場への理解があったのかもしれない。

自分の信念を貫いて体制に抗える人もいれば、「逆らえない。分かってくれ」と権力側に回る人もいる。それを夜蛾は「仕方ないよな」と感じたのか、「もっと立ち向かうべきだった」と思ったのか。

ーー可能性としてわざと抵抗しなかったとも捉えられますよね。

黒田:さらに言えば、「呪骸の作り方を教えてから死んだ」。それは誰かを助けるためだったのか、それを知ることで、逆に重荷を背負わせることになるのか。それも分からないですよね。

関:そうですよね。わざと死んだようにも見えます。

黒田:なので、演じ方としては死を受け入れていて、その覚悟をした時に思い浮かぶパンダや呪骸たち、生徒たちのことを考えていました。

大切な存在に会えなくなる辛さ、それでもここで終わるという覚悟。そういう感情も滲ませながら演じています。

ーーその後には、名台詞「パンダだって 泣くんだ」も。

関:実際のパンダは泣かないんですけどね。

ーーでも、呪骸のパンダは泣く。

関:そういう意味でも、パンダは夜蛾学長が生み出した存在で。「親子のような距離感があったんじゃないか」という断片的な情報はありますけど、ふたりのエピソードが具体的に描かれてきたわけでないんです。

だからこそ、こういう場面があると描かれていなかった関係性を想像できる。パンダが涙を流して嗚咽するほどの、大事な関係があったんだと。そういう意味では、これまでのエピソードを補完するような場面というか、すごく深みを持たせてくれるシーンだと思います。

夜蛾は何を思って死んだのか、パンダはその瞬間をどう受け止めたのか。その理由も含めて、観る人が考えて楽しめる、すごくふくよかな場面なんじゃないかなと。

ーー考える余白があるというか。

黒田:答えが全部描かれない。そこが『呪術廻戦』のおしゃれなところですよね。本来の人間関係ってそういうものじゃないですか。「いつ出会った」「どういう関係か」とか、説明された状態だけで生きているわけじゃない。それをあえて見せないからこそ、物語として膨らむ部分もある。ただ、演じる側は辛い(笑)。

関:(笑)。僕らもそうですが、芥見先生や監督、スタッフ陣の腕の見せどころでもありますね。

ーー最後に、おふたりからファンの皆さんへメッセージをお願いします。

黒田:物語に登場していない時期もありましたが、約5年間、夜蛾を演じさせていただきました。彼が亡くなったあとも、忘れないでいてほしいです。時々でいいので、夜蛾のことを思い出していただきたい。

パンダはこれからも出続けると思うので、パンダを見るたびに夜蛾のことを思い出してもらえたら嬉しいです。

関:「死滅回游」の中で、パンダの背景は更に描かれていくと思います。黒田さんがおっしゃったように、パンダの活躍が描かれれば夜蛾のことを思い出すでしょうし、そこに辿り着く日を楽しみにして、これからも頑張っていきたいと思います。

[インタビュー/タイラ]

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