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Aile The Shota、2年半の序章を経て歩み始める第一章の幕開け「自分の音楽のことを誇りに思えるようになりました」

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Aile The Shota

『Aile The Shota Oneman Tour 2024 "odorimasenka"』2024.08.02(fri) Zepp Haneda

BMSG所属のソロアーティスト、Aile The Shotaが8月2日(金)に東京・Zepp Hanedaにて、全国ツアー『Aile The Shota Oneman Tour 2024 "odorimasenka"』のファイナル公演を迎えた。

7月7日(日)の福岡公演を皮切りに、宮城、愛知、北海道、大阪、東京と全国6箇所を巡った本ツアー。東京公演のみDJのHIRORONにソロ・プロジェクトとなったdawgss(ドーグス)の森光奏太(Ba/Vo)とHiromu(Key)を加えた初のバンドセットによるスペシャルなライブとなっていた。

開演時間になると場内が暗転し、ピアノを基調にしたアンビエントミュージックと回る光によって、海の底に向かって水面から輝く光が放たれたような空間が生み出された。やがて、DJが4つ打ちのビートを打ち出すと、満員の観客も一斉にクラップを鳴らし始め、ツアータイトルになっている最新曲の<踊りませんか?>と呼びかけるリフレインに乗って、Aile The Shotaがステージに姿を現し、オートチューンが施された<Are You Ready?Tokyo!!>という声と共にライブは幕を開けた。

Aile The Shota

オープニングナンバーは2022年の夏に「自分が聞きたかったJ-POP」として作り上げた重厚なビートのシンセポップ「IMA」。水面を走る水上ジェットのような疾走感でフロアの熱気を一気に引き上げると、Aile The Shota史上最速ビートとなるBPM160のハードコアテクノ「Pandora」でさらにスピードを上げ、そのままシームレスで「Villains」に繋ぐと、Novel Coreがスペシャルゲストとして登場。レイブパーティーのような盛り上がりの中で超高速ラップを繰り出し、観客のボルテージを加速させた。さらに、楽曲の後半では二人が向き合って、<笑いたきゃ笑いな 嫌いたきゃ嫌いな/我ら美学持った Villains>とぶちかますシーンがあったが、ボーイズグループの多いBMSGというレーベルの発展には、やはりこの二人のソロアーティストが欠かせない存在であることを再確認させられた思いがした。

大歓声と拍手を浴びたAile The Shotaは観客を見渡し、「踊りにきたってことで合ってるよな?」と語りかけ、深い海の底から湧き上がってきたような浮遊感を湛えた「DEEP」では、ブレイクダンスやアニメーションダンスの要素を取り入れたサイドウォークも披露し、自身がルーツと語るダンスのポテンシャルも存分に発揮。イントロで歓声が上がった4つ打ちのR&B「DAWN」ではサビで観客と一緒にジャンプし、歌詞のある<光刺す方へ>と深海から引き連れて行ってくれた。

Aile The Shota with Novel Core

最初のMCではオープニングから熱量の高いオーディエンスに向けて、「やっぱ東京が一番やばいじゃねえか」と笑顔を見せ、「今日はあなたと一緒に最高な思い出を作りにきました。そして、最高な1日をあなたと過ごして、俺自身も今日、音楽で救われようと思ってます。一緒に踊って、日々の嫌なこととか、何でも音の上に落っことして、その上で踊りましょう。今日という瞬間は俺とあなたでしか作れないから、どうかその力を、その愛を、その全てを僕に預けてください」と挨拶。「歌声を聞かせてくれますか?」と優しく語りかけた「常懐」ではサビで会場が一体となった大合唱が沸き起こり、<東京/あなたに出会えた今日さ>というフレーズを挟み、「俺らの出会いはまるでランデヴー」という言葉に導かれた「ランデヴー」では1番を森光が歌い、Aile The Shotaによる自由自在なフェイクも飛び出した。ソファに座り、キーボードの伴奏だけで歌ったバラード「無色透明」では切実なファルセットも響かせ、ジャジーなムードのR&B「Like This」では観客の身体を心地よいグルーブで揺らしてみせるなど、Aile The Shotaのジャンルの幅にとらわれない歌心をたっぷりと堪能できる時間が続いた。

DJ、ベース、キーボードのソロ回しを引き継いだAile The Shota はソロダンスで魅せ、セクシーなR&B「hungover」から10人組のダンスクルー・THE SPC BOYS CLUBを迎えたジャジークラブ「new blood」、<仲間の言葉に間違いはない>というフレーズが印象的なブレイクビーツ「NEBULA」とニューEP「omen」の収録曲を3曲続けてドロップし、仲間、ファン、自分自身への愛を込めた最新のモードを提示。さらに、Aile The Shotとdawgssで新曲を作ってきたことを明かし、「いろいろ言うけど、本当に大事なのは愛だなと思ってます。愛のことを歌い続けたいよねってことで、俺らの中でクラシカルなものにしていきたい」と語り、ピアノが弾むポップなR&B「愛のプラネット feat. dawgss」を初披露すると、観客は高く掲げた手を左右に振り、場内はハッピーなバイブレーションで満ち満ちていった。

Aile The Shota with dawgss

続く、「HAPPY TEARS」では「ただいま」「おかえり」と声を掛け合ったNovel Coreが再登場。温かいムードを引き継ぎながら、<友達>というフレーズのところでしっかりとAile The Shotaに視線を向けた彼は<オーライ/オーライ>と歌いながらAile The Shotaをハグし、肩を組んで歌い、「こいつのためだったらなんでもするぜ! お互いの大きくなって、アリーナクラスで対バンしような!」と約束してステージを後にした。そして、トロピカルハウス「Yumeiro」ではコールの声が上がり、「so so good」では観客が一体となり、ジャンプしながらの盛大なシンガロングが起こり、デビュー曲「AURORA TOKIO」ではステージ上であぐらを描いて観客と目線を合わせ、煌めきに満ちたステージとフロアの距離を縮めてみせた。

最後に「こうして俺の音楽が鳴る場所に集まってくれて、音楽を紡いでくれて、本当にどうもありがとう」と感謝の気持ちを伝えると、デビューからの2年半を振り返り、「自分の意義や意味を考えて、それをなんとなく見つけられた気がしたから、今回のツアーは、踊ってくれたら嬉しいなというライブにしました。広い意味での踊りというものを僕は自分の音楽を持って日本に広めていきたい。あなたの心と身体、全部が踊るものを作っていきたい」と決意を表明。「そんなメッセージを受け取って、ただただ楽しく踊ってくれてありがとうございます」という言葉から「踊りませんか?」へ。ミラーボールが周り、泣きながら踊りたくなるような幸福感が広がる中、銀テープが盛大に放たれ、ミラーボールを通した小さい光の粒を残したままでライブはエンディングを迎えた。

Aile The Shota with THE SPC BOYS CLUB

アンコールの「Thrilling Moves」ではTHE SPC BOYS CLUBと横一列で一緒に踊り、「どこまでも人間で、どこまでも表現者として楽しく頑張っていきたい。つまるところ、私はこれを掲げたのでもう引き下げれない」という覚悟を込めた「J-POP STAR」から愛とピースサインを送り合った「LOVE」へ。最後は<生きてて良かったと今日もまた思いました。ありがとう>と歌詞を変えて熱唱。「僕自身、このステージに、この時間に救われます。自分の音楽のことを誇りに思えるようになりました」という言葉で締めくくった。

Aile The Shota

MCで「ここまでの2年半は自分語りの序章、下積み、基盤作りをやってきて。それをあなたにも聞いてもらってたと思うんだけど、俺も気分屋で、頑固で、情緒不安定で、ほんとにしんどい時も愛を歌ってきた。その中でいろいろな愛に気づけたので、そういう瞬間をこれからも音の上で作っていきたい」と語ったAile The Shota。ツアー「odorimasenka?」をもって第一章を歩み始めた彼の今後の動向に大いに注目したい。

取材・文=永堀アツオ 撮影=SATOSHI HATA

Aile The Shota

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