過去の好景気って?昔の日本経済を振り返ってよう!【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】
2:過去の日本経済を振り返ってみよう
日本は1945年8月15日に敗戦を迎え、GHQ(連合国軍総司令部)の占領下に置かれます。都市部は度重なる空襲で廃墟と化し、生産設備もボロボロ、農村部も男手を軍隊にとられて疲弊し、食糧供給もままなりませんでした。そこに海外からの復員者や引揚者が600万人も戻ってきたのですから、人々は空腹に苦しめられ、モノ不足からの激しいインフレにも見舞われてしまいます。
しかし、GHQの占領政策は、日本を極東の貧乏国として放置するより、徹底した非軍事化と民主化でアジアの民主主義陣営の有力なパートナーとしたほうがトクと考えます。ゆえに日本復興への食糧援助や経済援助を惜しみませんでした。そんな苦しい時代に、日本経済を立て直すチャンスとなったのが、1950年に勃発した朝鮮戦争でした。朝鮮戦争における米軍への物資供給が、日本での活発な設備投資を促したのです。朝鮮戦争は3年余りで休戦となりますが、この間の特需景気は米国の対日援助額の30億ドルをも上回る膨大なものでした。朝鮮特需後に景気は一時冷え込むものの、おかげで電力、石炭、セメント、鉄鋼など重化学工業への産業基盤が整い、これが次の成長に向けてのキャッチアップ体制を築きます。
そして「神武景気」をキッカケに、1955年から1973年の第一次オイルショックまでの高度経済成長(18年間)を育むのです。途中「岩戸景気」「オリンピック景気」「おざなぎ景気」を挟んでの成長は目覚ましく、しばしば実質GDPは10%を超える勢いで伸びました。その後、日本は1980年代後半の「バブル景気」に浮かれたものの、 バブルが弾けた90年以降は「失われた30年」と言われるほどの長い停滞期に入ります。
過去の好景気の名称
神武景気…(1954年~1957年)31カ月
岩戸景気…(1958年~1961年)42カ月
オリンピック景気…(1962年~1964年)24カ月
いざなぎ景気…(1965年~1970年)57カ月
バブル景気…(1986年~1991年)51カ月
→1954年に始まった「神武景気」を発端として日本は約18年間、高度経済成長を育むことになりました
【デフレーション】
モノが売れない⇒モノの価値が下がる⇒企業が儲からない⇒賃金が下がる
→1980年代後半から始まった「バブル景気」はあったものの、現在の日本経済は長い低迷期に入っています!
【経済とお金の豆知識】
GDP数値を人口で割った数値が「一人当たりGDP」ですが、ずっと世界 1 位を続けるルクセンブルクに次ぎ日本が 2 位だったのは1988年と2000 年。その後は低落し、2023年は31位です。
【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔