友だちの関係に嫉妬してしまう…心当たりある厄介な感情との向き合い方は【お悩み#99】
はーい皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。
読者の皆さんって「こんな自分、いやだなぁ」って思う瞬間とかって、あったりするかしら。
今までバーカウンター越しに聞いた事があるパターンだと、たとえば「泣き虫すぎて困っている」とか、「笑っちゃいけない時に笑いそうになるのがいや」とか。
感情って突然フッと湧いてきちゃうものだから、自分でも制御がきかなくて途方にくれるシーンって、どうしても出てきちゃうわよね。
あたしの場合は、怒りが頂点に達すると、相手に逃げ道を全く与えない、恐ろしい勢いでの叱り飛ばし方をしてしまうところかなぁ(かつて友人から、"説教の悪魔"と呼ばれたこともあったわね。『チェンソーマン』かよって…)。
あとそれから、実はもうひとつ、振り回されがちな感情があったりするの。
今回は、そんな自分に近しい悩みを抱えているであろう、若い世代からのお悩みがきています。みていきましょう。
読者からのお悩み「仲のいい3人組だったのに、自分以外の2人の関係や、やり取りに嫉妬しちゃって……」
あらあら、ペンネームからもありありと、悩みを抱える若き魂の様子が伝わってくるわ。
「もやもやひつじ」さん、まずはこちらのコーナーにお手紙送ってくださり、どうもありがとう!
文章、全然つたなくなんてないよ。
むしろ、あなたがどんな状況に置かれているのか、読んでいてとってもわかりやすかったです。
なるほど。ちょっとした恋愛のトラブルもあったりして。
それもひとつのきっかけかもしれないかたちで、仲良し3人組だったはずが空中分解気味に。
他2人の仲の良さに、自分だけ取り残されているような気がしてしまっているのね。
そりゃ嫉妬するわよねぇ。わかるわかる。
そう。あたしがど頭で言っていた、振り回されがちなもうひとつの感情というやつ。
それがまさに、「もやもやひつじ」さんが今苦しめられている「嫉妬」なのです。
あたしも経験ある「嫉妬」 当人も周囲も苦しい
こやつ、本当に厄介なしろものなのよねぇ。
あたしの場合は、まぁ恋愛のときが主に大変なんだけれどさ。
「自分はこんなに相手のことを気にかけ、ほどこし、尽くしているのに、どうして別の方向にいこうとしてるの?どうして願うリターンをこちらにはくれないの?」と。
大切にしたい相手ができると、どうしてもそう激しく思ってしまうのよね(なんなら恋愛だけじゃなくて、仕事とか友人関係についてもこの傾向、あるかもしれないわ)。
人間、相手の考えていることなんて、そもそも根本のところはわからないもんです。
なんなら、相手が何をしたいか、実際に何をするかなんて、こっちで管理しきれるようなたぐいのことではないはず。
にも関わらず、人は誰かに嫉妬を抱くと、その人物の一挙手一投足が自分の思いのままになっていないのが、どうしても歯がゆくなってしまう。
相手のすべてを支配したいという欲望で、頭がいっぱいになってしまうのです。
これ、恐ろしいよねぇ。
頭がいっぱいの状態って、そもそもその当人にとっては実に苦しいものだしね。
もっと言えば、この嫉妬の奥に潜む支配欲って、かたちになってしまうと本人はもちろん、その周囲も巻き込んで、誰にとっても居心地のよくない状況をしっかりと作り出してしまいがち。
何年か前の出来事ではあるのですが。
あたし、友人から叱られたことがあるの。「自分を囲み込んで、周りから孤立させようとしてない?」って。
驚きました。そしてしっかり反省しました。
多分なんだけれどあたしったら、その子といるのがあまりに楽しいからって、無意識のうちに嫉妬を振り撒いて、相手の人間関係に介入しまくっていたみたいなんだよね。
そしてその結果、自分にとってもその友人にとっても、風通しのよくない環境ができあがってしまっていた。
嫉妬のせいでみんなが苦しい、そんな状況に行き着いちゃっていたのよ。
「もやもやひつじ」さんの場合も、そうなっちゃうと大変。
現段階で、あなたの嫉妬がどれぐらい表に出てきているのかは、あなたのそばにいるわけではない立場としては、正確なところはわからないけれど。
友人2人のことを「正直嫌いになってきちゃっている」となると、毎日一緒に過ごすときに、その気持ちが表情や行動に出てきていたとしても、おかしくはなさそうよね。
「平然を装」ってるのは立派だと思うんだけど、それにも限界はあるだろうし。嫉妬って本当に、知らず知らずの間に漏れ出ちゃうものだからねぇ。どうかしら。
「もやもやひつじ」さんの置かれた現状を、「おとな」として心配しつつ。
同じく嫉妬に苦しめられたことのある立場として、自分から今回手渡せることは何かなと、キーボードに手を走らせながら、あたしは今考えています。
あたしなりのAnswer
さて、「もやもやひつじ」さん。
あなたは自分のことをしきりに「最低」と評価してしまっているけれど、そんなことは言わなくて大丈夫。
だって、あたしも例に漏れずなように、嫉妬をはじめとした負の感情にさいなまれることなんて、この世にはありふれていることなんだもの。
他人の不幸をしめしめと喜んだり(あたしやってるねぇ)。
誰かの悪口をしれっと言いふらしたり(これも心当たりあるねぇ)。
ねたみそねみの念を撒き散らしたりなんていうのは、人生を送っていれば誰もが一度がやってしまうもの(自分全部やっているわ…最低……ま、いっか!←)。
なんでも道徳的に正解を選ぶことのできる天使のような生き方は、人間にはできない。
まずはそうあきらめて、あなたにはどうか気楽になってほしいなと思います。
その上で。
「もやもやひつじ」さんに必要なのは、親友たちとの現状を打破する方法なのかしらね。
これは、どうしてもその場の空気感を知る人でないと、リアリティある思考のできる話題ではないだろうから、あたしのこれから言うことが絵空事になってしまっていたら、それは申し訳ないんだけれど。
あたしが思うに。あなた。
ぜひ素直にその嫉妬、相手のお2人に伝えてみてはどうかしら。
「何を馬鹿なことを」と思われるかもしれませんね。
でもこれ、個人の過去の経験から語らせてもらうと、案外有効な手段。
負の感情というのは、表に出さず闇に秘めることでますます大きくなり、最終的に取り除き得ない「病み」と化していきます。
そうなる前に、手術で病巣を取り除くがごとく、適切な仕方で表に出してしまうこと。
これ、体感的にはとってもスッキリするし、何より周りの人と「じゃあこうしよっか」って、事態解決に向けたコミュニケーションができるようになると思うのよね。
もちろん、言い方は気をつけなくてはなりません。
「てめえらなんなの!?マジ嫉妬しちゃうんだけど!?」なんて、喧嘩腰で直裁なのはNG。相手との関係性に傷をつけてしまうだけ。
そうではなくて、例えば。
もし今後、「もやもやひつじ」さんの目の前で隠語を交えた会話が行われ、親友2人に対して「ウッ」とくる瞬間があったなら。
「その話、なぁに?あたしも知りたいな」
「ちょっと2人のそのやり取りの感じ、自分が置いていかれた感覚がして、ちょっと寂しいんだよね」
と、おのれの感情の吐露と、相手へのまっすぐな要求を織り交ぜて、冷静に伝えられるようにしてみる。
このトライを積み重ねていけば、状況は少しずつでも変わっていくはず。
「もやもやひつじ」さん、最初は難しいかもしれないけれど、どうか一度あなたの友だちに嫉妬を上手に伝える取り組み、やってみてはどうでしょうか。
自分のことも大切にしてあげて
なんならあたし、たとえ相手2人があなたの話を聞いてくれなくても、そのまま離れていっても最悪いいと思うのよね。
「もやもやひつじ」さんには、他に得るものがあるんだもの。
そう、あなたは自分の嫉妬とたたかうことで、その対処法を学ぶチャンスを得たんです。
そしてこのチャンスは、ある意味「おとなになる」チャンスでもある。
本当に居心地良くいられる、嫉妬から解き放たれた良い人間関係の築き方を、未来のために身につけていける機会。今それがあなたには、与えられているんじゃないかしら。
「もやもやひつじ」さん。
あなたには、もちろん目下の親友2人のことを、大切にできるよう努力してもらいつつ。
その努力を通じて、自分自身のことも大切にしてあげてください。
それがきっと、あなたに大きな成長をもたらしてくれるはずだから。
嫉妬はしてしまう。それはもう仕方ない。人間はそもそも、そんなに綺麗じゃないんだから。
そんな事実に気づきながらも前に進み、できる限りのことをしっかりやってみる。
「もやもやひつじ」さんがそんな過程を経て、すてきな「おとな」になっていってくれるようにと、同じくひとりの嫉妬しちゃう仲間として、あたしは願っていますよ。
ま・と・め
というわけで今回は、あたしもずーっと「厄介だなぁ」と思っている感情、嫉妬というものについて考えながら、若人の背中をそっと押してみました。
「説教の悪魔」と友人に呼ばれたことのあるあたし。
なんだけど、嫉妬に基づくいろんな怨念も、悪魔的なレベルで他人に向けちゃう時、今までの人生であったりしたのよね。
ひとりのおとなとして反省だわぁ。
嫉妬の悪魔って、確かリヴァイアサンだっけ。海の怪物としても有名よね。
怪物化しないよう、理性的な振る舞いをこころがけること。個人的にも忘れずにいようと思います。
さてさて次は、なんと連載100本目!お楽しみに!
どんなお悩みと出会えるかしら。ではみなさん、Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。